「ながら」や「スキマ時間」でも充分
この連載の第1回から前回の第3回まで「公務員は経済や経営学を学ぶべきではないか」と書いてきました。
参照記事
第1回:「ケチケチ大作戦」で意識が止まっていませんか?
第2回:「経済知識」で政策運営はこんなに変わります
第3回:経営者や経営学の本は「役所の仕事」のヒントの宝庫
しかし、社会人として働いていると、なかなか勉強する時間が取れないのが多くの人の悩みではないかと思います。
経営学の初歩を学ぶために本を読むことをお勧めしましたが、じっくり本を読む時間を確保することが難しい方や、堅い本を読んでいるとどうしても眠くなってしまうという方もおられると思います。
そんな忙しい社会人が、経済や経営学を学ぶ方法として有効なのは、べたですがテレビの経済番組を見ることだと思います。
テレビなら何かをしながら観ることもできます。録画しておけば空いた時間に細切れで視聴することも可能ですし、早送り再生といった時間節約機能もあります。
なによりテレビは、視聴者を引き付けようと制作側がいろいろな工夫をしているので、楽しく見ることができます。
経済の動きがわかるオススメTV番組
具体的には、すでにご覧になっている方も多いと思いますが、TBS系列の「がっちりマンデー」、テレビ東京系列の「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」、といった番組は毎週見ておきたいところです。見逃さないように、帯で録画予約してはいかがでしょう。
「クローズアップ現代」や「NHK特集」も、気になるテーマを取り上げていないかチェックしておきましょう。
個人的にグリグリの二重丸でお勧めしたいのが、テレビ東京系列の「Newsモーニングサテライト」(以下、モーサテ)です。
平日の朝、5時45分~7時5分という時間帯の放送ですので、まだ起きていない人や、一番忙しい時間帯に当たってしまう人など様々おられると思いますが、ちょっと無理をしてでも見ていただきたい番組です。
朝のニュースは、NHKを含め、バラエティ色の強い内容ばかりですが、モーサテは徹底的に経済にこだわっています。株式市場関係の情報が多目なので、最初はちょっと戸惑うかも知れませんが、経済ニュースを仕入れ、最先端の企業経営に触れるには絶好の番組です。
企業にお勤めの友人と話すだけでも違う
もう一歩先に進みたいという方は、経済について勉強するサークルや勉強会を立ち上げてみてはいかがでしょう。仲間と知識を分かち合うことができますし、刺激を受け合うことにもなります。
サークルや勉強会は、立ち上げるのはなんとかなっても、続けるのが負担になってくることがありますので、はじめからそれを考えて、二の足を踏まれる方もおられるでしょう。
しかし、仕事の集まりではないのですから、とりあえずやってみて、うまくいかなかったら自然消滅させてしまうくらいの気持ちでいいのではないでしょうか。
併せて、役所以外の人とのつながりを作っておきたいところです。できれば経営者の方と知り合いになれれば、生の経済や組織経営について意見交換ができるかもしれません。
そこまでは難しくても民間企業に勤めている友人がいれば、たまに会って話をするだけでも違うと思います。
役所の中にずっといるとどうしても浮世離れしてしまいますので、外の空気も取り入れるようにしましょう。
ちょっとしたことの積み重ねが、公務員生活と経済・経営学との橋渡しになると思います。
(続く)
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本連載のバックナンバー
第1回:「ケチケチ大作戦」で意識が止まっていませんか?
第2回:「経済知識」で政策運営はこんなに変わります
第3回:経営者や経営学の本は「役所の仕事」のヒントの宝庫
林 誠(はやし・まこと)さんのプロフィール
所沢市(埼玉)財務部長
1965年滋賀県生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。日本電気株式会社に就職。その後、所沢市役所に入庁。一時埼玉県庁に出向し、現在に至る。
市では、財政部門、商業振興部門、政策企画部門等に所属。役所にも経営的な発想や企業会計的な考え方も必要と中小企業診断士資格を、東京オリンピック・パラリンピックに向けて通訳案内士資格を取得。また、所沢市職員有志の勉強会「所沢市経済どうゆう会」の活動を行う。
著書に「お役所の潰れない会計学」(自由国民社)、「財政課のシゴト」(ぎょうせい)、「イチからわかる!“議会答弁書”作成のコツ」(ぎょうせい)、「9割の公務員が知らない お金の貯め方・増やし方」(学陽書房)「どんな部署でも必ず役立つ 公務員の読み書きそろばん」(学陽書房)。
<ブログ>
「役所内診断士兼案内士のヨモヤ」
https://matoko.blog.ss-blog.jp/