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心にいつもエアバッグを~ほめる達人という生き方のススメ

    心にいつもエアバッグを~ほめる達人という生き方のススメ

    【自治体通信Online 寄稿記事】
    自治体職員のための心の運転方法 #4(寝屋川市 職員・岡元 譲史)

    世の中には「巻き込まれ事故」というものがあります。こちらが交通ルールを正しく守っているにも関わらず、後ろから追突されるような状況ですね。こうした事故、心の運転中にも起こります。例えば、何か嫌なことがあってイライラしている人に八つ当たりされるといった状況。皆さんも身に覚えがあるんじゃないでしょうか。前回は「“当たり前”をコントロールして心の事故を防ごう」というお話をしましたが、今回は「心の“巻き込まれ事故”」に備えて「心のエアバッグ」を用意しようというお話しです。

    私の人生を変えた「ほめる達人」という生き方

    突然ですが、実は私、寝屋川市職員とは異なる肩書きを持っています。それが、「一般社団法人 日本ほめる達人協会 認定講師」というもの。名称だけを聞くと「ほめる達人? めちゃくちゃお世辞のうまい人?」と、正直よく分からない、あやしい肩書きですよね(笑)。

    ただ、私はこのほめる達人(以下「ほめ達」)という概念に出会って人生が大きく変わりました。「心の運転」というテーマに興味がある皆様にとっても非常に役立つものであることは間違いないので、少し紹介させてくださいね。

    一般社団法人 日本ほめる達人協会は、「ほめる」という言葉を
     ほめる = 人、モノ、起きる出来事に価値を見出して伝える
    と新しく定義し直して、「ほめる」ことの価値、有用性を伝えるために全国で検定を実施しています。検定は3級から1級まであり、3級検定の合格者は全国で61,850名(2021年8月31日現在)。また、認定講師制度があり、私は半年間の講座を受け、2016年7月に認定講師になりました。

    ほめ達と出会ってからの私は「滞納整理という、一般的には嫌われる仕事にも価値を見出してみよう」と決意し、仕事と向き合ってきました。

    その結果、それまで以上に大きな成果を得られたと感じています。ほめ達と出会っていなければ、ここまで滞納整理という仕事にのめり込むこともなかったし、本(『現場のプロがやさしく書いた 自治体の滞納整理術』)を出版することもなかった。きっと、このような連載を担当することもなかったでしょう。
    (参照:現場のプロがやさしく書いた 自治体の滞納整理術)

    「心の事故」に備えて、心のエアバッグを準備する

    ほめ達協会は、ただやみくもに「ほめる」ことを伝えているのではありません。

    協会の目的は、『「心の内戦」を終わらせる』こと。日本においては実弾こそ飛び交っていないものの、自殺で命を落とす人が毎年2万人(協会設立当時は3万人以上)もいる、異常な状態です。そんな『心の内戦』とも言えるような悲しい現実を止めるために、「ほめる」ことの大切さを伝えています。

    今の皆さんの心の中は平和ですか? 内戦状態ではありませんか? 心の中が内戦状態だったら、心のドライブなんて、とてもじゃないけど楽しめないですよね。

    人やモノ、起きる出来事に価値を見出す「ほめ達」という生き方、考え方があることを知っていれば、たとえ「死んでしまった方が楽かもしれない」と思うような苦しい状況であっても、その状況にすら価値を見出して、「この経験は、将来同じ状況で苦しんでいる人の役に立つかもしれない」と捉えて前を向くことができるかもしれません。

    ギリギリの状況でも致命傷を避け、命を救ってくれるもの。心にとっての安全装置ですね。だから、ほめ達協会は「ほめ達」という生き方、考え方を「心のエアバッグ」と呼んでいます。

    私も、これまで何度助けられたか分かりません。今もこうして生きて心のドライブを続けていられるのは、ほめ達という心のエアバッグのおかげです。

    皆さんの心の中には、ちゃんとエアバッグが備わっていますか?

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    自分はきちんと心の運転をしていても八つ当たりなどの“巻き込まれ事故”というリスクは常にある…

    自分に合った「心のエアバッグ」を見つけよう

    もちろん、「心のエアバッグ」は「ほめ達」でなくてもいいんです。人によっては各種心理学であったり、先輩や師匠からのアドバイスであったり、「家訓」であったりと様々なものが心のエアバッグになり得ます。「信仰・宗教」が同じ役割を果たす場合もあるでしょう。百人いれば百通りの「心のエアバッグ」があっていい。ぜひ、自分に合った「心のエアバッグ」を見つけてくださいね。

    大切なことは、生きている上で、気を付けていても起きてしまう「心の巻き込まれ事故」に対して、日頃から備えができているかどうか。もしも、「自分にはまだ心のエアバッグと呼べるものがない」という方がいらっしゃったら、「ほめる達人」という生き方、オススメですよ!

    一般社団法人日本ほめる達人協会ホームページのURLを貼っておきますので、興味のある方はチェックしてみてください。最近はオンラインでも3級検定を受けることができます。

    また、私はプライベートで「ほめ達!公務員Facebookグループ」という非公開のグループを作っています。

    このグループの目的は、「全国1,788すべての地方自治体に、ほめ達の理念に共感したほめ達! 公務員を誕生させる」こと。現在、約400人(約250自治体)が参加してくださっています。こちらは公務員の方(現役又はOB)限定にはなりますが、リンクを貼っておきますので、興味があれば覗いてみてください。

    次回は、「心の予防接種(心の地図)」についてお話します。

    【参考URL】
    一般社団法人 日本ほめる達人協会
    https://www.hometatsu.jp/index.html

    ほめ達! 公務員Facebookグループ
    https://www.facebook.com/groups/670407897058355

    (「心の地図を埋めていこう」に続く)

    ★ 本連載の記事一覧

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    岡元 譲史(おかもと じょうじ)さんのプロフィール
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    寝屋川市(大阪)経営企画部 企画四課 課長代理 兼係長
    1983年生まれ。2006年に同市入庁後、12年間にわたり、様々な債権の滞納整理に従事し、市税滞納額70%(約25億円)削減に貢献。2020年より現職。
    「滞納整理に価値を見出して伝えることで、受講者の不安や葛藤を取り除く」という独自スタイルによる研修を全国で実施し、6年間で延べ3,700人が参加。受講者が給食費の滞納ゼロを達成するなど、すぐに使えて再現性の高いノウハウを伝えている。
    執筆に「滞納整理のための空地・空家対策」(『税』2018年2月号)など。
    「地方公務員が本当にすごい! と思う地方公務員アワード2018」受賞。
    プライベートでは2男児の父。PTA会長を務めるなど地域の活動も行う。
    2021年5月21日に『現場のプロがやさしく書いた 自治体の滞納整理術』(学陽書房)を刊行。同書の印税は「全額、寝屋川市の発展のために使う」としている。
    <連絡先>okamoto.joji@city.neyagawa.osaka.jp

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