【自治体通信Online レポート】
コロナに負けないシティプロモーション~テーマはマスカット
笠岡市(岡山)が、移住・定住促進プロジェクトの一環として、VR(バーチャルリアリティ)を活用した交流イベントを開催します。実施は2021年9月下旬の予定で、これに先立ち8月末にメディア向け先行体験会が行われました。同市によれば、こうしたVR交流イベントは自治体では初のケース。“アフターコロナ”を見据え、移住検討者との新しい接点を創出する取り組みとして注目を集めそうです。
従来の配信型イベントにはない臨場感
VR交流イベントのテーマは、笠岡市のふるさと納税品で、人気の特産品・シャインマスカットの魅力。
生産事業者と一般参加者をVR空間で結び、従来のオンラインイベントの配信型にはない、仮想空間上のアバターを通しての双方向のコミュニケーションや、360°の写真や映像を使って、より現地の雰囲気を参加者に味わってもらうことにしています。
笠岡市の概要
岡山県南西部にある笠岡市は、人口4万6,590名(2021年8月現在)。瀬戸内海に面し、南には広大な笠岡湾干拓地と大小31の島々からなる笠岡諸島(下写真=笠岡観光協会のサイトより)がひろがる。今では瀬戸内海の多くの諸島が橋で結ばれている中、橋を持たず、純粋に「離島」の風土を残す笠岡諸島は、心安らぐ落ち着いた空気が魅力。
絶滅危惧種であるカブトガニ(上の丸写真=カブトガニ博物館のサイトより)の研究・保護に努めていることでも笠岡市は有名。国天然記念物に指定されている「カブトガニ繁殖地」があり、「カブトガニ保護条例」を制定(2005年)しているほか、カブトガニをテーマにした世界唯一の博物館「カブトガニ博物館」も設置(1990年オープン)している。
“特別なマスカット”の由来
今回、VR交流イベントのテーマに選定したのは、同市のふるさと納税品としても高い人気を集めている「たたらみねらるシャインマスカット」。笠岡市内で野菜やぶどうの生産・販売などを行っているY&G.ディストリビューター株式会社が栽培しています。
「たたらみねらるシャインマスカット」は、岡山県内で近年復活した「たたら製鉄」(砂鉄と木炭を用いて鋼を作る古来からの製鉄方法)の製造過程より生まれる鉱物成分を肥料のひとつに使っていることが特徴。ミネラルを豊富に含んでいるといい、酸味が少なくしっかりした甘味のある皮ごと食べられるぶどうとして笠岡市の特産品のひとつとなっています。
生産者と参加者を結ぶ
8月末に行われたメディア向け先行体験会は、Y&G.ディストリビューターのぶどう園から生中継されました。
市担当者が司会を務め、Y&G.ディストリビューターの伊藤収一さんがマスカットの魅力や丁寧で手の込んだ生産工程などを紹介。さらに、クイズ大会や宝探しゲームといった双方向の楽しいコンテンツも実施されました。
新しいシティプロモーション手法
コロナ禍で観光客も観光消費も減少の一方で、ふるさと納税への関心は上昇傾向にあることから笠岡市定住促進センターとふるさと寄附課が連携し、岡山の果物の代表で笠岡市のふるさと納税品であるシャインマスカットを通して笠岡市をもっと知ってもらうため今回のイベントが企画されました。
一般向けイベントは9月28日(火)14:00~開催。チケットを購入した参加者にはイベント当日までに笠岡産シャインマスカットを送付します。参加チケットはPeatixで購入できます(https://kasaoka20210928.peatix.com/)。募集期間は、2021年9月13日~9月21日まで。
コロナ禍でも参加しやすく、リアルとバーチャルの両側面から“まちの魅力”を広く情報発信する新しい取り組みとしてシティプロモーション関係者等から注目を集めそうです。
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