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先進事例2023.04.24

未来の命を救うために。TikTok、宮城県と連携して世界防災フォーラムで震災伝承プログラムを開催

[提供] ByteDance株式会社 / TikTok Japan
未来の命を救うために。TikTok、宮城県と連携して世界防災フォーラムで震災伝承プログラムを開催
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ByteDance株式会社 / TikTok Japan
ByteDance株式会社 / TikTok Japan

TikTok Japanは、東日本大震災から12年が経過した2023年3月11日に合わせ、宮城県や福島県浪江町等の公的機関、世界最大の民間気象情報会社ウェザーニューズと連携した防災啓発・震災伝承プロジェクト「#防災いまできること」を実施しました。さらに2023年3月10日から12日まで宮城県仙台市で開催された「第3回 世界防災フォーラム」に協賛。ショートムービーの活用も含めた多様な防災啓発や震災伝承について発信しました。

世界防災フォーラム(World BOSAI Forum)は、スイスの防災ダボス会議と連携し、国内外から産・官・学・民の防災関係者が集まる日本発の国際市民フォーラムです。「これ以上災害で悲しむ人を増やしたくない」という願いを込め、東日本大震災を経験した東北の地で原則として隔年で開催されています。
同フォーラムにおいて3月12日に開催されたプログラム「世代を超えてつなぐ 〜一人ひとりができる伝承活動〜」では、「#防災いまできること」で制作したショートムービーの主演者など4名の若者が、震災の記憶・教訓をいかに国内外へ発信していくべきか議論しました。
本プログラムには300名近く収容可能な会議室に入りきれないほどの参加者が訪れ、熱心にパネリストたちの話に耳を傾けました。また同プログラムの様子はTikTok LIVEで全国に配信されました。

■伝承活動によって防災意識を高めたい

プログラム前半の基調講演では、石巻市で語り部として震災体験を伝える阿部任(じん)氏が、自らの体験をもとに震災の教訓を受け継ぐことの重要性を訴えました。

阿部氏は、高校1年生のときに石巻市の実家で被災しました。祖母と2人でいるときに家ごと津波で流され、9日後に救出されました。当時「奇跡の救出劇」としてメディアでも大々的に取り上げられたといいます。

阿部氏は被災時の自身の行動について「過信や油断があった」と振り返ります。「津波の怖さを十分理解せずに避難指示を無視した結果、津波に飲まれて瓦礫に閉じ込められてしまった」(阿部氏)。9日後に救出されたとき、阿部氏は「どうしてすぐに避難しなかったのか」と強烈な後悔に襲われたそうです。

その想いが、阿部氏を伝承活動へと向かわせました。慢心から避難しなかった自分自身の失敗を一人でも多くの方に知ってもらい、教訓としてもらうためです。

阿部氏は「伝承活動はワクチンと同じ」といいます。震災の経験者が自身の体験を伝えることで、未経験の人たちにも「抗体」ができ、防災への意識が高まります。抗体の効果は徐々に薄れていくため、定期的に「接種」するために、年に1度は震災について考えたりイベントに参加したりしてほしい、と呼びかけました。

基調講演の最後に、阿部氏は「震災と向き合ってきた僕たち若者の伝承活動への想いを知ってもらい、未来の命を守るためにできることを一緒に考えてほしい」と聴衆に向けてメッセージを送りました。

■20代の語り部たちの、震災伝承への想い

左から、コーディネーターの板橋恵子氏、阿部任氏、駒木結衣氏、小野寺翔氏、千尋真璃亜氏

プログラム後半では「世代を超えてつなぐ 〜一人ひとりができる伝承活動〜」と題したパネルディスカッションを開催。エフエム仙台防災・減災プロデューサーの板橋恵子氏をコーディネーターに迎え、震災の伝承活動に取り組む20代の若者4名がパネリストとして登場しました。
基調講演を行った阿部任氏に加え、ウェザーニュースの気象キャスターである駒木結衣氏、南三陸町で郷土芸能である鹿子踊りの踊り手として活躍する小野寺翔氏、山元町震災遺構中浜小学校で語り部活動を行う千尋真璃亜氏が、自らの震災体験や次世代に語り継ぐことへの想いを率直に語りました。

パネルディスカッションに先立ち、パネリストが登場するショートムービーを上映。阿部氏、千尋氏は、宮城県とTikTok Japanが共同で制作した震災伝承ショートムービーを通じ、震災の記憶や教訓を伝えました。またウェザーニュースの駒木氏は、同社のアカウントで防災メッセージを発信しました。
なお、これらの動画はTikTok公共政策チームのアカウントおよびウェザーニュースのTikTok公式アカウントでもご覧いただけます。

エフエム仙台防災・減災プロデューサーの板橋恵子氏

パネルディスカッションでは、はじめにコーディネーターの板橋氏がパネリストに伝承活動をはじめたきっかけを尋ねました。

板橋 小学生のときに被災した千尋さんが、大人になってから語り部の活動をしようと思った理由を聞かせてください。

千尋 語り部の多くは年配の方です。「私たち若い世代が震災について伝えていかなければ、いずれ途絶えてしまう」という危機感がありました。

板橋 小野寺さんは、子どものころから南三陸町の郷土芸能である鹿子躍(ししおどり)を踊っているそうですね。

鹿子躍の踊り手、小野寺翔氏

小野寺 鹿子躍には先祖への供養や生き物への感謝、そしてこれから生きていく人たちの幸せを願う気持ちが込められています。そういう昔の人たちが踊りを通して伝えてきたことを踊り手として伝え続けていきたいという気持ちは強くあります。

震災後は海外にも公演に出かけ、その国の伝統芸能と交流したり現代音楽とコラボしたりすることも増えています。大事なものを守りつつ、同時に新しいものと組み合わせて伝えていくことが必要だと感じています。

■さまざまなアプローチで震災を伝える

ウェザーニュースの気象キャスターである駒木結衣氏

板橋 駒木さんは防災士の資格もお持ちだそうですね。震災経験は気象予報士・防災士という仕事や資格選びにどのような影響を与えていますか。

駒木 私は仙台市内で被災したので、海岸部に比べて被害は少なかったんです。ただ、小学校までは石巻だったこともあり、震災の被害についてはとても複雑な感情を抱えてきました。そんな経緯もあって、防災の知識を深めたいと防災士の資格も取得しています。

ウェザーニュースでは、多くの方に日頃の備えをしていただくために、自分の経験を発信したり、気象予報士として視聴者のみなさんと一緒に考えていきたいと思っています。

板橋 基調講演で被災時の気持ちを語ってくれた阿部さんですが、伝承活動を始めると決めた想いとはどんなものだったのでしょうか。

石巻市で語り部活動を続ける阿部任氏

阿部 先ほどお話したように、私は被災に対して大きな罪悪感を抱えていたこともあって、伝承活動はおろか、メディアに出ることもしばらくできませんでした。また、進学などで地元の石巻を離れたこともあり、被災地との物理的な接点がなくなったということもありましたね。

6年後に地元に戻ったときに、地元を復興させようと頑張っている人たちや震災の記憶を伝える活動している方を見て、自分がそこにいないことにとても申し訳ないと感じました。そこから少しずつ、自分にできることを、と伝承活動を行うようになりました。

今は震災を知らない子どもたちに当時のことを話す機会が多くあります。若い世代にも興味を持ってもらえるように、マンガのスライドや今回、会場で放映したTikTokのようなショートムービーなども使って、いろいろなアプローチをしていくことが大事だと感じています。

■いかに「自分ごと」にしてもらうかが大切

板橋 4人の方それぞれが、伝承活動の課題やこれからどうしていけばいいのかということを考えていらっしゃると思いますが、いかがですか?

阿部 将来、南海トラフ地震などが予測されるなか、東日本大震災の経験を伝えることはとても意義があると思います。それを持続させるには、やはり若い世代を巻き込むことが必要です。

山元町で伝承活動を行う千尋真璃亜氏

千尋 語り部の世代交代は必ずやってきます。そのためにも、どうしたら若い人たちが伝承活動に積極的に加わってくれるかは普段から課題として感じています。現在、私が感じている課題は2つ。ひとつは、そもそも宮城県から県外へと出ていってしまう同世代が多く、地元に語り告げる若手が少ないということ。
もうひとつは、私自身もそうだったのですが、震災の記憶を人に話すことがまだ辛く、もう少し時間がかかるという人も少なくないこと。そういう中で、若手の語り部をどう増やしていくかは、みんなで考えていくべきことだと思っています。

小野寺 これまでは「踊る」ことだけをやっていました。しかし時代が変わっていく中で「なにをどう伝えるか」に向き合い、新しい可能性を模索することが求められています。それは伝統芸能の踊り手も、震災の語り部としての伝承活動も同じで、受け手にどう「自分ごと」として受け止めてもらえるのかがカギだと思います。

駒木 私がキャスターを務めるウェザーニュースは、視聴者のみなさんからリアルタイムでチャットコメントをいただきながらつくる双方向メディアです。その中でいつも課題として感じているのは、自然災害が起きたときに、いかに「自分ごと」として捉えていただくかです。
私は避難情報を伝える際、いつも「避難所に避難して何もなかったとしても、空振りしてよかったと思ってください」という言葉を添えるようにしています。大切なのは「自分は大丈夫」という正常性バイアスをなるべくなくすような伝え方をしていくことです。「逃げられるのに逃げない」がなくなることで助かる命が増えますし、そういう未来にしていきたいです。

もうひとつ伝えていきたいのは、避難につながる行動をするために自分から情報を取りに行くことの必要性です。普段からSNSやスマホのアプリなどに慣れ親しんでおくことも、大切な備えになります。

■災害・防災情報の発信と伝承活動をサポートするTikTok Japan

TikTok Japan 公共政策本部 政策渉外担当部長の笠原一英

世界防災フォーラムでは、TikTok Japan 公共政策本部 政策渉外担当部長の笠原一英もTikTokの防災に対する取り組みをプレゼンテーションしました。

プレゼンテーションの冒頭で、笠原は福島県浪江町などとTikTok映像クリエイターのLANG PICTURESが連携して撮影した動画を紹介しました。震災や福島第一原子力発電所の事故により大きな被害を受けた地域で復興が進む様子を印象的なショートムービーに仕上げた動画は、LANG PICTURESのTikTok公式アカウントで公開されています。

さらに笠原は、TikTokにおける災害・防災コンテンツの広がりや、災害・防災情報発信に関する取り組みを紹介。2022年にスタートした「#防災いまできること」キャンペーンを通じて防災情報の発信に力を入れていることを説明しました。

「TikTokでは、プラットフォームとして災害・防災に関する正しい情報を発信するのはもちろん、震災の伝承にも積極的に力を注いでいきます」と笠原は世界防災フォーラムの来場者に訴えました。

【TikTokについて】

TikTokは、モバイル向けのショートムービープラットフォームです。私たちのミッションは、創造性を刺激し、喜びをもたらすことです。TikTokには、ロサンゼルス、シリコンバレー、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ドバイ、トロント、シンガポール、ジャカルタ、ソウル、東京などの国と地域にグローバルオフィスがあります。http://www.tiktok.com/

ByteDance株式会社 / TikTok Japan
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