民間企業の取り組み
契約業務の電子化
業務効率を高める「電子契約」は、デジタルシフトの起爆剤になる
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子契約事業部 営業セクション セクションチーフ デジタル・ガバメント支援室 佐藤 浩文
※下記は自治体通信 Vol.33(2021年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
今年1月に地方自治法施行規則(以下、施行規則)が改正され、契約に利用できる電子署名の種類が増えたことで、自治体では電子契約を推進しやすい環境が整った。これまで、約20万社における電子契約の運用を支援してきたGMOグローバルサイン・ホールディングスの佐藤氏は、「電子契約を導入する際に、どのようなシステムを選ぶかで運用の広がりは大きく変わる」と語る。同氏に、その内容について詳しく聞いた。
電子契約の推進基盤が整った
―各自治体で電子契約の導入機運は高まっていますか。
確実に高まっています。今回の施行規則改正で、自治体が電子契約を締結する際、電子認証局*1の本人審査によって発行される電子証明書が必要な「当事者型署名」以外に、電子証明書が不要な「立会人型署名」も認められるようになったためです。そのため、自治体は契約の相手方に電子証明書を用意してもらう負担をかけずに済みます。現在、当社の電子契約システム『電子印鑑GMOサイン』の実証実験には、予定を大幅に上回る全国77自治体が参加中です。
―電子契約を導入する際に、重要なことはなんでしょう。
広く庁内で運用することを念頭に、適切なシステムを選定することです。そこには、3つのポイントがあると考えています。
まずは、「契約の安全性の担保」です。電子証明書が不要な「立会人型署名」の場合、契約の相手方の「本人確定」をしっかり行わなければ、契約は安全に進められません。その点、『電子印鑑GMOサイン』は、「立会人型署名」で契約を行う際、本人確定の手段として、一般的なメールアドレスによる確定以外にも、登記簿謄本や身分証明書などの画像を添付できる機能や、署名者のみが知るパスワード機能を提供しています。自治体の契約者審査情報や企業登録情報と組み合わせれば、電子証明書で本人確定を行う「当事者型署名」に近づけます。
―2つ目のポイントを教えてください。
「さまざまな署名方式を選択できるか」です。たとえば、契約にあたって、「高額の場合は安全性を重視して、『当事者型署名』がいい」「年1回の契約の場合、『立会人型署名』でスピーディに進めたい」といった考えがあるでしょう。双方の署名タイプを利用できる『電子印鑑GMOサイン』は、契約のさまざまな考え方に対応できます。さらに、たとえば、自治体は「当事者型署名」、契約の相手方は「立会人型署名」といったカタチで利用できる「ハイブリッド型署名」も用意しています。契約の相手方に、取引に対する安心感と利便性を提供できるため、電子契約のさらなる普及につながる署名タイプだと考えています。
契約締結の業務フローを、システム連携でスムーズに
―3つ目はなんでしょう。
「ほかのシステムとの連携」です。契約締結は、文書の準備、契約、管理の順に進めます。『電子印鑑GMOサイン』は、文書決裁のワークフローシステムや文書保管システム、AIを活用した契約書の自動読み取り機能などと連携させ、契約締結に関する業務をスムーズ化できます。
―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。
グループ内に電子認証局をもつ当社が、高いセキュリティ基準をベースに開発したのが『電子印鑑GMOサイン』です。年間数千件から数十万件におよぶとされる自治体の契約を電子化できれば、業務効率化の効果は非常に大きい。電子契約の推進は、自治体におけるデジタルシフトの起爆剤になるはずです。現在、実証実験も無料でサポートしています。ぜひご連絡ください。
佐藤 浩文 (さとう ひろふみ) プロフィール
平成19年、GMOグローバルサイン株式会社(現在はGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社の子会社)に入社後、営業を担当。令和2年から現職。
導入自治体/三条市
簡単に操作できるため、業務効率化の手応えをつかめた
三条市 総務部財務課 課長補佐 小林 秀明
[三条市] ■人口:9万4,930人(令和3年8月1日現在) ■世帯数:3万6,701世帯(令和3年8月1日現在) ■予算規模:674億2,690万円(令和3年度当初) ■面積:431.97km2 ■概要:新潟県のほぼ中央に位置する。平成17年5月、旧三条市と南蒲原郡栄町、同郡下田村の3市町村が合併し、現在の三条市が発足した。金属加工業が盛んで「金物のまち」と呼ばれる。
―電子契約システムを導入した経緯を教えてください。
今年1月の施行規則改正をきっかけに、検討を本格化しました。年間約2,000件の契約業務にかかる事務量を削減できれば、そのぶんのリソースを住民サービスの向上につなげられます。電子契約システムを提供している2社に協力してもらい、実証実験を行いました。
―実証実験の成果はいかがでしたか。
いずれのシステムも簡単に操作することができたため、業務効率化が図れる手応えをつかめました。また、契約の相手方である事業者からも、「問題なく操作できる」という反応をいただきました。最終的には5社のシステムを比較検討して、『電子印鑑GMOサイン』に決めて、4月から運用を始めています。費用負担が、一番軽かったことが決め手でした。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
設立 |
平成5年12月 |
資本金 |
9億1,690万円 |
売上高 |
133億3,200万円(令和2年12月期:連結) |
従業員数 |
963人(令和2年12月31日現在) |
事業内容 |
クラウド・ホスティングサービスおよびセキュリティサービスを中核とした、各種インターネットソリューションの開発・運用 |
URL |
https://www.gmogshd.com/ |
お問い合わせ電話番号 |
03-6415-7444 (平日10:00〜18:00) |
お問い合わせメールアドレス |
e-gov@gmogshd.com |
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