自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 先進事例
  3. 大阪・関西万博で世界へアピール!地方自治体の新たな未来が見えてくる
先進事例2023.10.18

大阪・関西万博で世界へアピール!地方自治体の新たな未来が見えてくる

[提供] 株式会社JTB
この記事の配信元

2025年4月から開催される、「2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」。昨今、さまざまなメディアでその様子が取り上げられており、期待も高まっています。

国家プロジェクトであり、万博に参加することで、地域の魅力を世界にPRするきっかけにもつながるので、地方自治体の関わり方も注目されています。

そこで今回は、株式会社JTBコミュニケーションデザインの局長である渡部氏へ、「万博と地方自治体の関わり方」についてお話を伺いました。万博への参加を考えている地方自治体の担当者様の参考になれば幸いです。

プロフィール
渡部 英之 氏
株式会社JTBコミュニケーションデザイン
エリアマネジメント部 プロデュース局長
渡部 英之 氏
1992年入社。広告営業やマーケティング等の業務を経て、2018年よりRWC2019やTokyo2020等のスポーツビジネスに携わる。2019年に株式会社JTBへ出向しTokyo2020のスポンサーアクティベーションを担当。2022年に大阪・関西万博の営業統括として帰任し、2023年4月より現職。

1 万博と日本の歩み

万博は、世界中の人々が来場する国家プロジェクトであり、人類共通の課題を解決する場です。長い歴史がありますが、近年、その役割は変化しているそうです。

渡部氏
「20世紀の万博は、国威発揚や産業見本市の役割を果たしていました。国の新しい文化やテクノロジーの発信が重視され、社会へ浸透するきっかけにもなっていました。しかし、21世紀に入ると、地球的課題の解決や人類社会の持続的な発展がテーマになっています。」

日本では、1970年にはじめて開催された大阪万博以来、5つの万博が行われてきました。大阪万博では「日本のお祭り」をPRするプログラムが実施され、石見神楽などの伝統文化が世界に広まりました。また2005年の愛知万博では、岡山県の児島が日本のジーンズ発祥の地として、世界で知られるきっかけになりました。

このように、万博の在り方や役割は時代とともに変化してきました。地域が世界に向けて存在感を示す絶好の機会にもなっています。

2 未来社会をつくる、大阪・関西万博

ここからは、2025年の大阪・関西万博の概要やテーマを紹介していきます。

名称

2025年日本国際博覧会(略称:大阪・関西万博概要)

日時

2025年4月13日~10月13日

開催場所

大阪 夢洲(大阪府大阪市此花区)

参加表明国・地域

153か国・地域※

参加表明国際機関

8国際機関※

想定来場者数

約2820万人

※2023年3月24日時点

大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」です。

具体的には、「人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を、国際社会が共創していくことを推し進めるもの」としています。

近年は、社会における多様性が重視されるようになりました。加えて、テクノロジーや医療などさまざまな分野の革新により、世界は目まぐるしく変化しています。多様性や革新に目を向け、世界がひとつになって社会の課題を解決すること、がポイントになっています。

3 地域社会と万博の関わり方

冒頭で紹介しましたが、万博は国全体だけでなく、地域社会にとっても重要な役割を果たしています。ここからは、具体的な関わり方を紹介していきます。

01 自由度が高い、自治体参加催事

関わり方の1つ目は、都道府県などが中心となって実施する自治体参加催事です。自治体参加催事の特徴は以下の点にあるようです。

渡部氏
「全体のテーマやコンセプトに合わせて、地方自治体が自分たちの手法や表現によってアピールをすることができます。都道府県が単体で行うだけではなく、関西や関東などの地方区分でまとまって実施することで、より効果的なPRにつながるでしょう。」

自由度があることによって、オリジナリティのあるプレゼンテーションができる。さらに、近隣の地方自治体と連携することで、エリアを面で捉えて複数の魅力を届けることができます。

02 共通テーマの中でアピールする、テーマウィーク

2つ目が、テーマウィークです。テーマウィークは、世界が半年間の長きにわたり同じ場所に集う万博の特性を活かし、地球的規模の課題の解決に向けて英知を持ち寄り、対話による解決策を探るものです。1週間ごとに地球的課題をテーマに設定し、主催者だけでなく、公式参加国、政府・自治体、共創事業参加者、出展企業等の万博参加者、及び全国の自治体や産業界等が集結。皆が集い「対話プログラム」と「ビジネス交流」などが実施されます。

渡部氏
「テーマウィークは、地球規模の課題やテーマに合わせて、世界へのアピールすることができます。課題に対して、地方自治体が持つ情報や魅力、強みを合致させることで、地域の存在感を示すことができるでしょう。」

万博は、世界と地方自治体がつながる場。自治体参加催事とテーマウィーク、それぞれを活用することで、まずは、世界中から訪れる来場者に効果的に地方自治体の存在を知ってもらう。そして、興味をもった方がそれぞれの土地に足を運ぶきっかけになるのではないでしょうか。

4 バーチャル万博で広がる可能性

大阪・関西万博では、リアル会場に加えて、オンライン上のバーチャル会場も用意される予定です。
催事参加を行う自治体は、バーチャル万博への出展チャンスもあります。世界と地方自治体の距離が一気に縮まります。

5 地域の課題を明確にする

では、地方自治体が万博に参加をする場合には、どんなことからはじめるべきでしょうか。企画・制作等に悩むケースは多いようですが、渡部氏から具体的なポイントを挙げていただきました。

渡部氏
「まず、はじめにするべきことは、地域の課題を整理することです。自分たちの地域にはどんな課題感があるのか、万博に参加することでどう解決できそうか。それらを整理することで、関わり方が明確になっていきます。

たとえば、近年は関係人口・交流人口・定住人口を増やし、いかに地域活性化につなげていくかは、日本各地の課題になっているでしょう。万博に来場いただいた方に、地域に足を運んでもらう・周遊してもらうことができれば、解決の糸口になるかもしれません。」

解決のアプローチの仕方は自治体によって異なります。場合によっては、適切なソリューションを持っている第三者が関わることで、スピーディーに的確なアプローチが可能になるでしょう。

6 いかに地方自治体の魅力を伝えるか

課題を整理した後は、内容を具体化していきます。自治体参加催事やテーマウィークへ参加し、地域の魅力を世界の人にどう伝えるか。そして、知ってもらうか。この2つが、とても重要なポイントになるようです。

渡部氏
「日本各地の地方自治体には、それぞれの魅力がすでに存在しています。その魅力に加え、万博という場を活用して、地域に訪問してもらうための付加価値を持たせましょう。
たとえば、近年は、日光MaaSのようなDXを取り入れたサービスが全国で実施されており、人と観光資源をつなげるきっかけになっています。地域におけるテクノロジーの活用は、利便性の向上や付加価値の提供になります。
万博に訪れる人は、催事などを通じて未来への期待を抱くでしょう。そんな未来志向の人々に対して、いかに魅力を伝えるか。そのひと工夫が大切です。」

日光MaaS

来場者に注目してもらうために、いかに付加価値を付けられるかがポイントになります。

7 リアルとオンラインで多角的に伝える

魅力を伝えるうえでは、伝え方にもポイントがあるようです。

渡部氏
「リアルとオンラインをいかに融合するかも大事なポイントになるでしょう。催事やテーマウィークへの参加はリアルな魅力を伝える場としてとても重要です。加えて、地域とつながる道筋を描く必要があります。
たとえば、大阪・関西万博では、「万博+観光ポータルサイト」を設け、地域の観光商品と万博の来場者をつなぐ仕組みを検討しています。この仕組みを通じて地域の商材やサービスを提供することで、来場者と地方自治体が更なる接点を持つことができるでしょう。」

自治体催事やテーマウィークの参加によりリアルで魅力を発信する。オンラインでつながる。双方のアプローチが重要なポイントになります。

JTBでは、Tourism Platform Gateway(TPG)と呼ばれる観光型MaaSの仕組みを自治体やDMOに提供しています。25年に向け、オンラインで地域の魅力を届ける手段として、このようなDX化を進めることも重要です。

Tourism Platform Gateway™️

8 万博後の未来を見据えて

大阪・関西万博は、国内で開催される万博としては2005年の愛・地球博以来20年ぶりの一大イベントであり、地方自治体のみなさまも並々ならぬ思いのもとで準備を進められるでしょう。渡部氏に、準備を進めるうえでのポイントを聞きました。

渡部氏
「参加することがゴールではありません。先に述べたように、地域の課題解決にいかに貢献しているかを検証し、未来につなげていく必要があります。」

地域課題は、万博だけで解決するものではありません。例えば地域の交流人口や関係人口の拡大を目指す場合はインバウンド市場等もしっかりと捉えて万博参加を設計する必要があります。開催後も提供できるサステナブルツーリズムやアドベンチャーツーリズムなどと連携し交流創造をしていくことで、中長期的な視点での課題解決につながるでしょう。

大阪・関西万博の催事の詳細については、万博協会HPをご参照ください。https://www.expo2025.or.jp/news/news-20230314-02/

9 まとめ

渡部氏のお話を通じて、万博と地方自治体の関わりが、鮮明に見えてきました。課題の整理からスタートし、課題解決のための施策を、地域の魅力と共に、多角的に伝えていく。そして、万博に参加して終わりではなく、未来につなげることを常に意識し、中長期な視点で参加する。これら一連の流れは、同じ悩みを抱えた地域同士はもちろん、外部のパートナー企業も含めて、皆で手を取り合うことが大切です。それぞれが連携することで、世界とつながるきっかけが生まれていきます。結果、地方自治体の新しい未来がつくられるのではないでしょうか。

JTBでは、万博参画の目的・実現したい内容・催事展開にあたってのポイント、スケジュール等のフレーム作成のお手伝いをしております。ご興味のある方は、JTB各支店 自治体担当者にご相談ください。

株式会社JTB
設立1912年
資本金1億円
代表者名代表取締役社長執行役員 山北 栄二郎
本社所在地

〒140-0002
東京都品川区東品川二丁目3番11号 JTBビル

事業内容

旅行を基盤としたツーリズム事業を中心に、地方創生にまつわるエリアソリューション事業、企業・地方自治体・教育機関に向けたビジネスソリューション事業を展開しています。

URLhttps://www.jtbbwt.com/government/

本サイトの掲載情報については、企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。

提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。

電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
自治体通信 事例ライブラリー
公務員のキャリアデザイン 自治体と民間企業の双方を知るイシンが、幅広い視点でキャリア相談にのります!