積極的にDXを推し進める栃木県は、職員の業務効率改善と行政サービスの品質向上を目的に、『Azure OpenAI(ChatGPT)』を全庁導入。行政として必要なセキュリティ要件を満たす環境を約半年で整えました。安心できる利用環境の下で『Azure OpenAI(ChatGPT)』活用の幅を積極的に広げていく方針です。
業務効率効果を確かめるため『ChatGPT』の試験運用を実施
栃木県の行政改革ICT推進課は、職員の働き方改革などを推進する施策の一つとして生成AIの導入を検討。
生成AIは、『ChatGPT-3.5』(以下、『ChatGPT』)の登場以降、世間から大きく注目を集めており、全国の自治体でも導入が検討され始めていました。そうした中、栃木県は2023年4月下旬に、先陣を切って『ChatGPT』の試験運用を複数部局でスタートさせたのです。
本格導入を見据えてセキュアな利用環境を選択
試験運用実施後、一定の効果が期待できるという感触が得られため、栃木県は5月下旬に『ChatGPT』を実際の庁内業務に採り入れる方針を最終決定しました。
ただ、行政機関として生成AIを活用するためには、守るべきセキュリティ要件をクリアするとともに、県民に対して責任あるAIサービスであることが不可欠です。そこで、行政改革ICT課は導入実績のある大塚商会に相談。本格導入を前提とする二度目の試験運用時に、行政が守るべきセキュリティ要件を満たしながら『ChatGPT』を利用できる『Azure OpenAI(ChatGPT)』の全庁導入を決定しました。
作業時間の短縮を実感しさらに効果的な活用を目指す
二度目の試験運用は業務用端末を持つ全職員が対象。それぞれの業務で『ChatGPT』を利用したところ、業務効率の改善に一定の成果が表れました。「従来は1~2時間かかっていた作業が10分程度で済ませられるようになった」「作業時間が体感で3分の1程度に短縮された」という職員の声が出てきたのです。
二度の試験運用を終え、その後2カ月余りの構築期間を経て、栃木県は2023年9月8日に『Azure OpenAI(ChatGPT)』の本格運用を開始。効果的な活用を促すため、プロンプト例を作成するなど工夫を凝らしています。
将来は人口減少により職員確保が困難だと見込まれますが、生成AIの活用によって人員不足の課題をカバーしつつ、行政サービスの品質を向上していくことを目標としています。栃木県の先進的な取り組みは、他の自治体にとって『Azure OpenAI(ChatGPT)』の業務での効果的な活用モデルとして注目されそうです。
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