大阪府池田市は、2023年7月3日に革新的なステップを踏み出しました。LINE公式アカウントのリニューアルとして「GovTechプログラム for Smart City」を導入したことにより、自治体の情報発信が大きく進化したのです。この変革の舞台裏には、どのような課題があったのでしょうか。
今回、池田市の職員にインタビューを行い、導入によって実際に変わったことや、職員たちが感じている実感、新しい情報発信の利便性、そして未来への展望について詳しく伺いました。
ウォンバットのまちにDX化の変革が起こる!
―まず、池田市のことや、所属部署について教えていただけますか?
小早川さん:池田市は大阪府北部に位置するまちで、人口は10万人くらいです。特徴として、大阪都心と鉄道で結ばれ、また、大阪国際空港や高速道路のインターチェンジも立地する交通利便性の高さを持ちながら、五月山や猪名川といった豊かな自然にも恵まれています。また、この五月山の麓には五月山動物園があり、ここには、世界一長生きとしてギネス世界記録に認定されたウォンバットをはじめとする動物たちが暮らしており、最近では「ウォンバットと暮らすまちいけだ」としてのまちの魅力発信にも力を入れています。
所属部署の紹介ですが、私は広報広聴課に所属しております。広報広聴課の主な業務としては、広報誌、SNS、ホームページなどの情報発信を行う広報業務と、市民相談や情報公開などを行う広聴業務があります。私は主に広報業務を担当しております。
川本さん:自分が所属する行政管理課の主な業務としては、文書管理、郵便、組織管理、そして情報通信技術の活用などがあります。
メッセージ配信と問合せ対応の難しさ
―「GovTechプログラム for Smart City」の導入前に、池田市としてどのような課題や問題点がありましたか?
小早川さん:導入前は、子育て情報や特定の方を対象にしたセミナーなど、全市民が対象ではないメッセージ配信は、ブロックされるのをさけるために、タイムライン配信のみでした。そのため、子育て情報や特定の情報を求めている方に対して、メッセージ配信できていないことが課題でした。
川本さん:ほかにも、LINEを活用して解決したかった課題としましては、市民からの問合せ対応のサービス向上であったり、効率化などがありました。
―では、「GovTechプログラム for Smart City」の導入を決定された理由を教えてください
川本さん:導入したかったセグメント配信ができるほか、ごみ分別チャットボットや道路などの損傷通報の機能を使える上、コストも検討した中では安価でした。また、多くの自治体で導入実績があったことも、決定した理由ですね。
適切なアドバイスで円滑に構築作業が進んだ
―公開までの構築作業はスムーズでしたか? よかった点や大変だったことを教えてください
川本さん:構築作業は非常にスムーズにできました。はじめに導入する機能について確認し、その後は定例的なミーティングで作業の進捗管理をしていましたが、その都度、プレイネクストラボさんから進めるべき段階であったり、時期を相談できたのはよかったですね。大変だったのは庁内の各担当課との調整です。
持続的な改善で利用者の満足を追求したい
―導入されてから、以前まで抱えていた課題や問題点は解決されましたか?
小早川さん:まず、セグメント配信が可能になったことにより、以前はタイムラインでしか配信できなかった内容が、メッセージ配信できるようになったことによって、配信に関する課題が解決されました。
川本さん:その他のチャットボット機能については、運用開始からまだ1ヶ月程度しか経っていないので、どの程度の成果が得られているかは測れていないというのが正直なところです。
―例えば「ごみ分別チャットボット機能」は、いかがですか?
川本さん:これについては現時点でも、トークのログを見ると、かなり多くの方にご利用いただいているようで、導入してよかったと今でも思ってます。一方で、実装後1週間時点では4割くらいのキーワードに対応できてなかったので、まだまだ改善の余地があると思っています。すでにシナリオのアップデートを一度行っているのですが、今後も答えられるごみの種類を増やしていって、より役立つものにしていきたいです。
―「損傷報告機能」は、いかがでしたか?
川本さん:この機能については、今のところそれほどの効果を出せていないというのが本音ですね。導入後1ヶ月ぐらいなのですが、通報自体は数件ぐらいしかなくて。また、電話や来庁による従来通りの通報件数も、減っているわけでもないんです。今後はこの機能をもっと活用していただくために、友だち登録数の増加や便利さの周知が課題になってくるかなと思っています。
多彩な機能の魅力で市民と職員の期待に応える
―友だち登録を増やす施策は、何か実施されていますか?
小早川さん:数年前は広報誌やホームページ等で友だち登録募集をしておりましたが、現在はちょっと止まっていました。広報誌9月号で「LINE機能拡充」の記事を掲載予定です。その後の展開についてはまだちょっと検討段階ですね。
―住民や職員の方々から、GovTechプログラム for Smart Cityに対する反応や感想はありましたか?
小早川さん:セグメント配信に関しては、市民や職員から「正直、受信設定やセグメントの意味が分からない」という反応が多いです。ホームページ等でも概要を紹介していますが、今後は市民さんも職員も慣れていって、さらに浸透していければと思ってます。
川本さん:その他にも職員から「LINEでこんな機能も追加できないか」といった相談も寄せられるようになってきました。今後の展開について、庁内の職員から期待感が高まっているように感じています。
丁寧な対応で安心できるサポート体制
―ところで、プレイネクストラボのサポート体制はいかがですか? 構築作業や運営中に、便利だと感じられた点はございますか?
川本さん:よかったです。定例的なミーティングもあってよかったのですが、それ以外にも日頃の細かい相談についても、問いかけたらすぐにお返しいただけるような感じだったので、その点はすごく助かりました。
―今後、チャットボット機能など、どのような新しい活用法を予定されていますか?
川本さん:チャットボットについては、特に問合せ対応が多い分野でのニーズが感じられるため、今後の拡充を検討しています。具体的な計画はまだ決まっていませんが、現在は職員からの活用アイデアも募集中です。職員たちが感じる不便さや、より効率的にできる方法などの意見を取り入れ、それをもとにサービスを向上させていく予定です。
住民の属性を設定できる「セグメント配信」などにより、情報の周知が向上した池田市。重要な情報を届け、住民の生活の質を向上させる一方で、自治体と住民のコミュニケーションを活性化し、より良い暮らしを実現します。
情報発信に課題を抱える自治体や病院、教育機関などの担当者の方々は、ぜひプレイネクストラボにお問い合わせください。多彩な導入事例から得られた知識と経験を持つ弊社スタッフが、皆様の課題に合わせた解決策をご提案いたします。LINEを活用した情報発信で、住民に寄り添ったスマートシティの実現を一緒に進めてみませんか?
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