㈱地域創生Coデザイン研究所は、熊本県上天草市の「上天草市デジタル田園都市国家構想総合戦略」推進の取り組みに対し、ウェルビーイング指標を活用した住民参加型のまちづくりプログラムを伴走支援することで、地元高校生を主体とした、まちの現状の可視化、および政策アイデアの検討・創出を実施しました。本取り組みは、熊本大学の田中尚人准教授が座長として推進する「上天草市まち・ひと・しごと創生推進会議」の枠組みへの伴走支援として実施したもので、上天草市の良さや強みについて、データを活用した根拠ある政策アイデアとするためにウェルビーイング指標を活用しています。また、地元高校生や地域おこし協力隊等を含めた、地域のプレイヤーを交えて取り組むことで、まちづくりに資する地域コミュニティの形成にも貢献しました。
ウェルビーイング指標を活用した産官学連携でのまちづくり政策の検討
本取り組みは、「上天草市デジタル田園都市国家構想総合戦略」に基づき、産官学連携したまちづくり政策アイデアを創出するために、自治体職員に加え、高校生や地域おこし協力隊等の地域のプレイヤーを巻き込んだワークショップを全3回(戦略検討チーム2回、市制施行20周年記念 官民共創戦略ピッチ(上天草市まち・ひと・しごと創生推進会議)1回)の構成で進めました。ワークショップの中では、上天草市の良さや強みを活かすためにウェルビーイング指標を活用し、地域の実態を可視化し分析を行うことで、データに基づいた政策アイデアの提案を検討しました。
ウェルビーイング指標とは?
ウェルビーイング(地域幸福度)指標とは、客観指標(オープンデータによる客観データ)と主観指標(アンケートによる主観データ)をバランスよく活用し、市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-being)」を数値化・可視化したものです。市民一人ひとりが「デジタル化・スマート化は自分にとってどういう意味があるか」を理解するためにも、デジタル化・スマート化に伴う心豊かな暮らしの変化を可視化することをめざしています。
また、デジタル田園都市国家構想では、めざす「心ゆたかな暮らし」(Well-Being)と「持続可能な環境・社会・経済」(Sustainability)の実現に向けた取組において、行政だけでなく産官学、市民を含めた様々なプレイヤーの協力を引き出すツールとして活用されています。
参考URL:https://www.sci-japan.or.jp/LWCI/index.html
ウェルビーイング指標を活用して上天草市の良さ・強みを認識
7月および8月に開催された「戦略検討チーム」での施策検討にあたり、事前に上天草市職員ならびに上天草市内中学生および上天草高校生にウェルビーイングアンケートを実施し、収集したアンケートデータをもとに現状を可視化しました。客観指標と主観指標の相関分析にて上天草市の良さや強みを認識した上で、戦略検討チームにおいて上天草市職員、地域おこし協力隊、地元高校生等とグループワークを行い、具体的な施策を検討しました。
上天草市の良さ・強みを活かした具体的政策の検討・発表
最終回である9月24日(火)の「市制施行20周年記念 官民共創戦略ピッチ(令和6年度第2回上天草市まち・ひと・しごと創生推進会議)」では、「戦略検討チーム」の各3チームにて検討した施策案をデザイン化し、地元高校生がそれぞれのテーマに応じた検討内容について政策提案を行いました。その後、上天草市長をはじめとする有識者および高校生にてパネルディスカッションを行い、今後の上天草市における地方創生の実現に向けた取り組みについて、意見交換を実施しました。
上天草市は、デジタル田園都市国家構想総合戦略の推進に向け、地方創生の取り組みに若者の視点を反映させることにも力を入れています。今後も㈱地域創生Coデザイン研究所は、地域の課題に対し、ウェルビーイング指標を活用した各種デジタル施策の支援をおこなってまいります。
デジタルを活用した地方創生の取組みに若者の意見を取り入れる
―今回の取り組みに着手した経緯および今後の計画を教えてください。
今年の5月に、人口戦略会議が、「人口が減少し、将来的に消滅する可能性がある自治体」を発表しており、熊本県内では、上天草市を含めて18市町村が含まれていました。大きな衝撃を受けたニュースでした。このニュースを受け、「子育て・教育・産業・防災など行政サービスの質を向上させ、既に住んでおられる方、新しく住まれる方、市外から遊びに来られた方が、住んでよかった・来てよかったと実感していただける、また、今後、上天草市を創り・暮らしていく若者世代が暮らし続けたいと思ってもらえる上天草市を創りたい」と強く思いました。
これまでも、上天草市はまちづくりについての取り組みを進めてきたところでありますが、デジタルの進化・変化や多様性・価値観の変化が激しい時代でもあり、市民の意見、特に若者世代の意見を取り入れる必要があると感じていました。そのような中、地域創生Coデザイン研究所の方から、Well-beingのデータを活用したまちづくりの取り組みについて提案をいただき、データを使って分かりやすく、かつ根拠立てた、今までにない取り組みができると期待して、地元の高校生を主体としたワークショップを実施しました。今回の取り組みで、データの活用方法についても理解できましたし、加えて地元の高校生からは「今まで当たり前と思っていたことが、実は上天草市の価値ある資源だということが分かった」と発言が出る等、世代を超えたつながりだけでなく、次の世代にとっても良い経験になったと思っています。
これからも、同様の取り組みを継続して、地域のつながりを作り続け、地域みんなでの取り組みを進めていきたいと思っています。
高校生の視点で上天草市の将来のまちづくりを考える
―今回の取り組みに参加した感想を教えてください。
・上天草市の課題や長所などをいろんな人と話し合ったり、発表し合ったりしながら新たな発見や考え方を学ぶことができました。地方創生という言葉に少し不安があったけど、立案する私達がまず「楽しそう!」と感じることが大切なんだと学びました。
・上天草市についてこれまで以上に深く考えることができました。市役所の方々や地域おこし協力隊の方たちと関わることができてとても楽しかったです。いろんな視点の考え方があって新発見がたくさんありました。とっても楽しくていい経験になりました!!!
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