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自著書評(イメージコンサルタント/元 東京都職員・古橋 香織)
公務員の1年目のスタートの切り方がすべてがわかる!

これだけは知っておきたい! 公務員1年目の超基本

プロフィール
古橋 香織
《今回の「自著書評」の著者紹介》
イメージコンサルタント/元 東京都職員
古橋 香織ふるはし かおり
早稲田大学を卒業後、2011年に東京都庁に入庁。主に都議会にて議会運営や議員接遇に従事。在職中に早稲田大学大学院政治学研究科公共経営専攻を修了。また、議員からネクタイのアドバイスを求められたことをきっかけに政治家や公務員の「装い」に関心を持ち、イメージコンサルティングを学ぶ。2020年1月に東京都を退職し独立。政治行政に特化したイメージコンサルのほか、身だしなみやマナーに関する研修を数多くの自治体で担当している。著書に『公務員男性の服~普通の服で好印象・信頼・清潔感は出せる』(ぎょうせい)がある。

こんにちは。ColorCommonsの古橋香織です。このたび学陽書房さんより拙著『これだけは知っておきたい! 公務員1年目の超基本』が発売になりました。公務員の仕事で、絶対に知っておきたいポイントがわかる! と銘打つ本著ですが、どんな人にどんなところで役立てて欲しいのか、本書の著者である私の思い等をお伝えしたいと思います。

少し毛色が異なる“公務員向け本”

まず私のプロフィールを紹介します。私は2011年東京都庁に入庁してから2020年に退職するまで、公務員として過ごしました。現在は、都庁在職中に学んだイメージコンサルティングの手法を活かし、政治家や自治体に向けて「身だしなみ・服装」「接遇・立ち居振る舞い」などの研修や規定改正のサポートを行っています。

今でこそこのような仕事をしていますが、私は都庁在職中、これといった実績もなく失敗ばかりの公務員でした。そういうわけで在職中の実績やノウハウを本にした公務員向けの書籍の著者のみなさんとは、少し毛色が異なると考えていただければと思います。

 本 書 の 目 次 
  • 第1部 これだけは知っておきたい!公務員の心構え公務員として一番大切なルールと心構え/公務員はどうして「服務の宣誓」をするの?/「 知らなかった」はアウト! 公務員の義務3選/気をつけて付き合いたい「利害関係者」/若手が気をつけたい事例(業務内)/若手が気をつけたい事例(業務外)/SNSは内容だけでなく投稿のタイミングにも注意!/これって違反? 不安になったらすべきこと/COLUMN 1 名もなき雑務とジェンダー
  • 第2章 職場からも住民からも信頼される!身だしなみ・服装のポイント公務員だって見た目が9割!/窓口業務の前に鏡で自分の姿をチェックしよう/「話しかけやすい人」が一番得をする!/オフィスカジュアルこそ着こなし方が大事!/いつまでも「リクスー」ではいけません/イマドキ公務員はネクタイをしない!?/知らないと恥ずかしい「作業服」事情/それでも服装に迷ったときはTPOに合わせよう/髪・爪・靴への気遣いで仕事がうまくいく/派手さは厳禁! 公務員メイクの心得/COLUMN 2 公務員のモーニングルーティン
  • 第3章 こまめに・正しく・簡潔に!報連相のコツ不祥事のきっかけは「報連相」の欠如/指示は待たずに取りに行こう!/相手に喜ばれる報連相の下準備のコツ/一目置かれる「報告」のポイント/安心を与える「連絡」の仕方/助言をもらえる「相談」の仕方/相手のタイプ別「報連相」攻略法/できる公務員の三種の神器ペン・メモ帳・ノート/COLUMN 3 聞き疲れ、感じていませんか?
  • 第4章 公務員の仕事の基本!文書・メール・チャットの作法公務員の文書の世界へようこそ!/まずは公文書に慣れることから始めよう/若手のための文書作成の心得/文書より頻出!? 公務員のメールの作法/プラスαの好印象メール術/情報漏洩を防ぐメールとFAXの心得/仕事のチャットならではのマナーと使い方/メール・チャット・電話は使い分けが肝心!/COLUMN 4 採用順位で公務員人生が決まる?
  • 第5章 あなたの対応で自治体の印象が決まる! 窓口・クレーム対応の基本自治体業務の最前線! 窓口業務の心がけ/窓口職員こそ第一印象がすべて/住民に満足感を与える窓口の振るまい3原則/知っておきたい公務員の電話事情/入庁後に苦労しない電話対応のコツ/信頼される電話対応のテクニック/好印象な話し方・聞き方のテクニック/これで安心! クレーム対応の基本/悪質なクレームにはチームで対処する/COLUMN 5 中二病ならぬ「二年目病」に注意
  • 第6章 いざというとき慌てない!来客対応と訪問マニュアル来庁者対応は若手が率先して動く/応接室、会議室の席次とお茶出しのマナー/そつなくこなす! 会議運営時の注意点/他自治体や民間企業への訪問時の注意点/住民宅への訪問時の注意点/訪問時の身だしなみチェック/移動時の注意点/意外と見られている! 名刺交換のマナー

出版の経緯をぶっちゃけます

思い返せば昨年の秋、私のウェブサイトに入った問合せから始まります。
 
新人公務員向けのビジネスマナーの本を出版できないでしょうか?
 
差出人は学陽書房の編集者さんでした。ビジネスマナーというワードにビクビクしつつも、この提案を受けて「そろそろ2冊目書きたいなー」という感情が図らずもフツフツと湧いてきてしまった私は、お会いして話を聞いてみることにしたのです(ちなみに前著『公務員男性の服~普通の服で好印象・信頼・清潔感は出せる』は私が同書の版元のぎょうせいさんに持ち込んだ企画からはじまりました。持ち込み企画が書籍になることはかなりレアケースのようです)。
 
その後、企画について話を伺いました。編集さんが言うには「公務員の職場は民間とは異なる独特のルールや風習があり、これらを楽しく解説した書籍があればよいなと思っていた」というものです。この視点は確かに「なるほどな」と思いました。
 
私は大学卒業後に公務員になっているため、役所の文化以外を知りません。しかし、そんな私ですら、役所独特の雰囲気や作法に戸惑いを感じた時期がありました。その後、公務員を退職し、イメージコンサルタントとして仕事を進めていくなかで、「これまで自分が当たり前だと思っていた振る舞いや作法が、他の業界ではとても面白く感じられることがあるらしい」という発見がありました。
 
「古橋さんはもうすっかり民間人だけど、中身はまだまだ役所の人だね~」と良い意味で言われることも何度かあり、やはり私がいた役所の世界は、外部にはユニークに映るのだなと感じたものでした。
 
というわけで、企画当初は「マナー」という文言も推されていたのですが、私の「マナーにうるさい=失礼クリエイターみたいに思われるのがいやだ!」や「私はイメージコンサルタントなので、どこかに絶対に好印象という言葉を入れて欲しい!」などの要望(わがまま?)を汲んでもらった結果、「公務員1年目の教科書」と言える本書が生まれました。

自分の伸び代は自分で作る!

若手職員は「自分は他の同期と比べて仕事ができるのか?」「期待のルーキーとして評価されているのか?」などの周りの目も気にしがちな傾向があります。私も実際そうでした。
 
ですが実際のところ、若手のうちは「仕事ができる、できない」という物差しで評価されるのではなくて、「周囲に対して素直であるか」「与えられた仕事に対して真面目に向き合っているか」という姿勢の方が評価されます。「こいつ伸びるな」という伸び代の方が見られているのです。
 
公務員の世界は、誤字脱字や法令の解釈などのミスであれば、指摘やアドバイスをしやすい環境と言えます。しかし、マナーや接遇、コミュニケーションの取り方については、業界そのものがこれまで重視してこなかった分野ということもあり、自信を持って相手にアドバイスできる人はほとんどいません。
 
その結果、「私が言わなくても誰かが言ってくれるだろう」と放置されがちなのです。そして悲しいことに、その「言ってくれる誰か」が現れるかというと、現れないことがほとんどです。
 
「仕事はできるのに、挨拶ができない人」「コミュニケーションは上手なのに、文書は誤字脱字だらけの人」など、組織には様々な人がいます。それぞれが得意不得意を補い合った結果、仕事が回っていくのです。
 
若手職員は、これから様々な能力がどんどん伸びていく人たちです。よってコミュニケーションや応対の基礎などで「好印象な自分」を肉付けしていくことこそ、今後の公務員生活の土台になってくれるのです。

背伸びせずに「好印象な自分をつくる」ことが今後の公務員生活の土台

正解が曖昧なものこそ「超基本」が大事

今回、自著書評掲載の機会をいただいた自治体通信さんは、若手職員のほか、管理監督職に従事している職員の方も、多くご覧になっていると伺いました。私も含めて上の世代は、職場での振る舞いは「自分で学べ」と言われて育ってきた節があります。おそらく今の若手職員に対しても「自分で学んで欲しいから、あえて口出ししない」というスタンスをとっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

前述のように、若手のうちは仕事ができるか否かという視点よりも、挨拶や振る舞い、仕事への向き合い方などの視点で評価がなされることが多いです。ですが、このように正解が曖昧な領域を、上司や先輩をはじめとした周囲の職員が手取り足取りみっちり教えられるかというと、多くの自治体が「おおむね難しい」という結論に達するでしょう。

なぜかというと、多くの現場が抱えている「人とお金と時間」が足りない状況に陥っているからです。そんなときこそ、迷える若手にやさしく差し出したい1冊が、拙著『公務員1年目の超基本』だと私は考えます。

今の自治体を取り巻く環境は、これまでにないほど著しい変化をたどっています。スキルなのか能力なのか、専門性なのか、何をよりどころにすればいいかわからないという人も、多くいらっしゃいます。だからこそ、今一度、コミュニケーションの基礎に立ち返ってみませんか? 「好印象」こそ、不確実な時代を生きるこれからの公務員にとっての「切り札」となるのです。


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