ヤマハ発動機製の無人ヘリコプター『FAZER(フェザー) R G2』を使います。衛星通信機能を搭載できるのが最大の特徴で、「圏外」というものがなく、理論上は地球上のどこからでも機体を操縦できます。最大積載重量は33㎏と大きく、カメラのほか、各種計測装置やウインチなど、さまざまな目的に合った機材や物資を搭載可能です。さらに、動力にはガソリンエンジンを採用しているため、飛行時間が100分と長く、衛星通信で操縦する場合、航続距離は90㎞に達します。ただし、『FAZER R G2』は非売品です。同機体の保有と運用はメーカーから数少ない企業にしか認められておらず、当社はその一社なのです。
放射線災害などの現場へも、安全な活動を支援できる
―その機体の保有と運用を認められているのはなぜですか。
JDRONEの複数の技術者が、ヤマハ発動機と長年にわたって無人ヘリを使った調査活動をともに展開してきた実績があるからです。特に『FAZER R G2』は、福島第一原子力発電所事故による放射性物質拡散状況の調査に活用されてきました。衛星通信機能を使った実用実績はまだありませんが、当社は今年1月、『FAZER R G2』を衛星通信で操縦し、東京都の荒川上空を飛行させ空撮映像をリアルタイムに地上に伝送する実証実験を行っています。離着陸時以外は現場から約270㎞離れた福島県南相馬市内から機体を操縦しました。機体は約14㎞にわたり飛行を続けましたが、その間、映像伝送は途切れることなく、衛星通信を使った無人ヘリの実用性を検証できました。
―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。
『FAZER R G2』は、放射性物質などによるNBC災害*の現場でも、安全な活動支援に貢献できると確信しています。当社では、万一の事態に備えたドローン活用で幅広く協力する「防災協定」の締結も提案できます。関心のある自治体のみなさんはご連絡ください。