約1,400のアイテム数で、大きな注目を集める
―ふるさと納税についての取り組みを聞かせてください。
当市がふるさと納税を開始したのは、平成26年の10月から。目的は、それ以前から取り組んできた、移住定住のきっかけにつながるシティプロモーションの一環として。そして、いちばんの目的は市内の産業振興のためです。
当市では、焼津漁港を中心とした水産業・水産加工業が盛ん。そこでまずは「返礼品のバラエティを増やして、より多くのなかから選んでもらおう」と、地元の参加事業者を増やすことから始めました。
―最初から順調だったのですか。
いいえ、事業者を募るのは簡単ではありませんでした。ただ地道に声をかけていったことにより、当初は約30社だった参加事業者が現在では約170社。返礼品のアイテム数も約1,400種類で、質・量ともに全国でトップクラスだと自負しています。
26年度の寄附金は、半年間の取り組みながら約2億8,000万円。27年度は全国2位となる約38億円。そして、28年度は約51億円でした。やはり、参加事業者の協力のもと、戦略としてアイテム数を増やしていったことが、多くの方の支持を得られたのではないかと思っています。
総務省からの通知には、従っていく方針
―PRはどのように行っているのでしょう。
基本的に、ポータルサイト掲載によるPRを行っています。開始当初はひとつのサイト活用だけでしたが、平成27年の10月から『ふるなび』を併用しています。窓口を増やすことで、多くの人にPRするのが狙いです。また、ふるさと納税に興味がある高額納税者を対象とした、応援する自治体の選定から納税手続きを代行する『ふるなびプレミアム』というサービスがあることをうかがいました。「これまで当市が訴求できていなかった層の寄附者の方にアピールできるのでは」というのも、考えとしてありました。
―実際にどのような効果がありましたか。
寄附金が増えたぶん、新しくふるさと納税を始めた方に届いているというのは実感としてあります。また、当市は返礼品が多いため、納税者が選ぶのに迷うという側面もあります。そういう意味で、「代わりに選んでくれる」という“コンシェルジュサービス”は、当市の戦略にマッチしています。また、『ふるなび』は返礼品情報のアップロードも代行してもらえるので、事務的な面でも非常に助かっていますね。