昨年度の状況をかえりみて、民間企業への委託を決意
―「ふるさと納税」の状況について教えてください。
おかげさまで焼津市は、平成27年度は38億円、平成28年度は51億2,000万円と多くの寄附金を全国のみなさまからいただきました。これも当市が掲げた産業振興の旗印のもと、集まっていただいた地元企業の協力があってこそだと思います。ただ、多くの寄附をいただくということは、多くの申し込みをいただいているということです。平成27年度は13万8,000件、平成28年度は23万2,000件。昨年度は焼津市の人口を上回る状況になりました。
―業務に支障は出ませんでしたか。
正直、人手がたりませんでした。というのも焼津市の返礼品はマグロやカツオなど海産物が多いこともあり、年末年始に家族で楽しみたいといった方が多いからでしょうか。どうしても11、12月に申し込みが集中します。とくに「ワンストップ特例制度」の申し込みに関していえば、昨年度は6万件、そのうち3万件が11、12月に集中。単純作業とはいえ、寄附者から送られてきた封筒の封を開け、申請書を取り出す、そして記入漏れがないかチェックする。これだけの作業だけでも5~ 10分ほどの時間がかかるので、3万通も来ると課だけでは対応できません。そのため全庁に協力をいただいて、ピーク時の12月中旬からは30人ほど増員して対応しました。
本年度に至っても同じ対応をするのかと悩みました。他部署は本来の業務があり、その時間を割いてまで協力をえるのは難しい。そういった経緯もあり、業務の一部を委託することにしたのです。
知名度アップの次は、来てもらう仕かけづくり
―負担軽減に期待するポイントはどこですか。
マイナンバーに関わる業務です。デリケートな情報のため、管理には、様々な制約があります。それもあり、6万件もの通知管理に限界を感じていました。そこで民間企業に委託。セキュリティ管理に関して、充実した施設があり、既に1500社以上でマイナンバー関連業務の提供実績があることが決め手でした。
―今後どのような業務に力を入れていきたいですか。
この2、3年は「ふるさと納税を通じて、焼津を知っていただくこと」に注力してきました。最終的には移住・定住も期待しますが、まずは焼津市に訪れてもらうための仕かけづくりができればと思っています。そのためにも返礼品の精査、商品開発、観光プロモーションなどを行っていきたいですね。