―採用試験において、守口市が行った改革とはなんでしょうか。
従来の教養試験を廃止して「人物重視」の採用を実施したことです。具体的には応募者に「全員面接」でお会いしたうえで、特別な公務員試験対策をしていない方でも受験しやすい試験を導入しました。また、三次試験まで設け、すべてに面接を実施しました。市役所の仕事は市民との接点が多く、「人物」がなにより重要だからです。
―その改革の背景にはどのような理由があるのでしょうか。
守口市では時代にあった新しい施策をいままで以上のスピード感をもって提供したいと考えています。この考えに共感し、ともにがんばってくれる人材を求めています。求める人材を採用するためには、多様な人材に応募してもらうことが重要です。
そこで、多くの民間企業が実施している試験を導入しました。知識ではなく、公務員としての基本的な能力や事務処理能力、内面的な強さなどを総合的に測定できる試験です。
―試験を変えてどうでしたか。
例年に比べて活発で、魅力的な方が多かった印象があります。民間企業や他市ではなく、守口市を選んでくれた方が最後まで残ってくれました。今回採用した12人はどの部署でも自信を持って送り出すことができます。これからも優秀な人材を確保するためによりよい採用試験を検討していきます。
―越前市が年4回の通年採用を実施している理由はなんですか。
多様な人材を採用したいと考えているからです。私たちは公務員ではなく、市を代表する「サービス業」といった気持ちで仕事をしています。人物重視の選考をしているのもそういった理由からです。また、越前市では求める人材を獲得するために、試験時期を前倒しして採用を行っています。平成30年度は、1回目の試験を6月から4月へ前倒す予定です。
―選考はどのように行っているのでしょうか。
二次試験まで設け、一次試験で受験者の内面の能力を見きわめる適性検査を行っています。通年で採用試験を行っているとどうしても選考のものさしが必要になってきますので、適性検査の結果を基準としています。じつは適性検査を採用している理由がもうひとつあります。
―それはなんでしょうか。
ブレない組織をつくるためです。
越前市はいま大量退職期を迎えています。ここ数年、毎年30人ほどの人材を採用していますが、同数の職員も退職しています。庁内には600人ほど在職していますが、30人というと全体の5%、2年間で1割の職員が入れ替わることになります。そうなると組織がガラッと変わってしまう恐れがある。越前市が掲げる「サービス業」の基準を維持するためにも適性検査が役に立っています。