―総務課で行っていた郵便関連業務を教えてください。
毎日15時までに庁内すべての部署から集まってくる郵便物を、手作業で集計していました。集計作業では、郵便物の通数や形状、重さ、特別料金の適用などを確認し、各部署がまとめた伝票に記載されている内容と突き合わせます。
郵便物と差出票は、16時までに郵便局へ持ち込まなければいけません。総務課には住民からの問い合わせがつねに集中するため、発送物が多い時期には、それぞれの対応で手一杯になっていました。とはいえ、郵便局へのもち込みにリミットがあり、集計に余分な時間はかけられないため、伝票の内容が正しいと信じて確認を一部省略することもありました。
―伝票や差出票に誤りがあった場合はどうなるのですか。
郵便局から差出票の訂正が求められるため、職員はあらためて発送物をすべてもち帰り、場合によっては伝票を書いた部署の職員にも再度確認してもらう手間が生じてしまっていました。
そこで、これらの発送物の集計にかかわる業務負担を軽減するために、当市では平成27年に、ピツニーボウズジャパンの郵便料金計器を導入することにしたのです。
―郵便料金計器とはどのような機械なのでしょう。
郵便局の承認のもと、封筒に郵便料金と消印を印刷できる機械です。つまり、郵便料金計器に発送物を通せば、切手を貼らなくてもそのまま郵便物として送ることができるのです。さらに、発送物の形状や重さなどから郵便料金も自動で算出してくれます。
そのため、郵便料金計器を使えば、それまで職員が行っていた、通数や料金の確認や、差出票の作成は不要になるのです。
9割以上の発送物で集計作業が不要になった
―どのような効果を実感していますか。
職員が行う作業は、郵便料金計器を通さない少数の発送物を手作業で集計することと、郵便物の郵便局へのもち込みだけになりました。郵便料金計器を通せる9割以上の発送物では、集計が不要になりました。手作業の集計が必要な発送物はありますが、通数が限られるため、確認作業に余裕が生まれ、集計が正確に。差出票の訂正を郵便局から求められることはなくなりました。
ほかにも、郵便料金などのデータは予算科目と紐づけて郵便料金計器内に履歴として残せるため、庁内で郵便物の記録を管理する作業も省力化。職員は業務の負担が大幅に軽減され、各種相談対応といったコア業務に専念できるようになりました。
―今後の活用方針を聞かせてください。
発送物を郵便料金計器に通す作業は、それぞれの部署の職員にまかせるようになりましたが、使い方も簡単なため、スムーズに運用できています。ピツニーボウズジャパンの郵便料金計器には画像や文字を封筒にカラー印刷できる機能もついているので、今後は、大切な文書が入った封筒を目立たせたり、市のイベントをPRするといった活用も検討しています。