地域創生Coデザイン研究所 (以下CoDIPS、NTT西日本100%子会社) は、R5年度に福井県坂井市で特別な体験が楽しめるアクティビティを地域事業者と造成し、観光を通じた地域経済の発展に取り組みました。
坂井市は、名勝「東尋坊」をはじめ、北陸地方に唯一現存する城郭である「丸岡城」、日本遺産にも認定されている北前船寄港地「三国湊」など歴史文化を伝える文化財や祭といった数多くの観光資源に恵まれています。
福井県内でもトップの観光客入込数を誇りますが、より経済波及効果を高めるために宿泊を伴う滞在型観光への転換が課題となっています。
今回、地域関係者(DMOや宿泊事業者等)との対話を通じて、宿泊や飲食による「旅行消費額の拡大」につながった、丸岡城と三国湊の2エリアでの取り組みをご紹介します。
現存天守を活用した全国的にも稀な観光アクティビティ造成
現存する12天守のひとつで国の重要文化財である「丸岡城天守」において、これまで実績のない夜間の天守内を占有した特別演出(城内のご案内、一筆啓上と軽飲食)、敷地内でのディナー提供という、全国的にも珍しい取組みを行い、観光需要の回復や地域活性化に向けたインバウンド促進の方向性について検証しました。
(「月待の宴 朧〜OBORO〜」開催のお知らせ – 丸岡城 公式サイト)
【参加者アンケートより】
・丸岡城天守を眺めながらの夕食は非常に特別感があり、また、日暮れから夕闇までの時間と風景の移り変わりを体験しながら、「一筆啓上」という初代丸岡藩主ゆかりの短い手紙をしたためる体験も価値が高いと評価されました。
【次年度への継続】
・今後も「月待の宴 ~朧 OBORO~」を最上位商品とし、新たな商品として、参加者アンケートで高い評価を得た“丸岡城天守からの夕景”や“一筆啓上体験”を中心 に内容を組み替えた『「一筆啓上」でお手紙体験プラン』が、4月6日(土)より実施されています。
三国湊における特徴ある歴史、文化、自然を体験できるアクティビティ造成
2024年1月にオーベルジュほまち 三國湊のオープンに伴い、観光コンテンツを造成支援しました。
【公式】オーベルジュほまち 三國湊 (homachi.jp)
夜間の神社貸し切りによる三国でしかできない特別な体験コンテンツや、北前船の代表的な寄港地として発展した町の奥深い歴史と美しい自然に育まれた町並みを感じながら三味線や提灯づくりができる町歩き体験、湊町特有の知恵を地域の人から学ぶ調理体験を造成しました。
① 三國神社 特別祈祷
厳かにライトアップされた三國神社で、特別祈祷と舞・雅楽をご堪能
② 町歩き体験
厳かにライトアップされた三國神社で、特別祈祷と舞・雅楽をご堪能
③ 北前船が繋いだ食の調理体験
地元食材(甘えび、がさえび)や季節の食材を使った調理体験
【今後の販売について】
地域の方々と共創し、モニターツアーや参加者ヒアリングを行い、ブラッシュアップしながら検証を行いました。今後は、「オーベルジュほまち 三國湊」にてツアー商品販売を行っています。
今後の展望
坂井市には、魅力ある観光資源がたくさんあり、今回の事業で観光客の宿泊を伴う坂井市“ならでは”のアクティビティを自治体や地域の観光事業者(宿泊、飲食店、イベント会社 等)と共に商品化し、持続可能な地域経済循環に寄与しました。
具体的な取り組みとして、地域事業者が持っていない要素については、地域外の事業者を活用し最適なアクティビティ実行体制を確立し、計画したアクティビティ要素(丸岡城のライトアップや音響演出等)のうち、技術に関して、県外専門業者とマッチングするとともに、観光コーディネーターとして運営支援を行いました。
地域関係者から「今まで丸岡城は、夜間にプロジェクションマッピング等で誘客をしてきたが、アクティビティの造成により宿泊代以外に、地元の特産品を用いたディナー提供等の機会が増えることで消費単価に上がった」とのお声を頂いています。
CoDIPSでは、アクティビティ造成を通じた観光まちづくりの知見(地域コミュニティの形成、地域観光事業者が中心の座組形成、ガイドまたは観光人材育成 等)は、他地域にもしていきたいと思います。
ぜひ1度、CoDIPSの担当者までご相談下さい。
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