今回、DNPと飛騨市はDNPが構築し運営する仮想空間(メタバース)を通じた行政DXサービス「メタバース役所」で、飛騨市の様々な取り組みを紹介する自治体職員交流会とメタバース移住婚イベントを開催しました。
岐阜県飛騨市では、「元気で あんきな 誇りの持てる ふるさと飛騨市」の実現に向け、書かない窓口・行かない窓口を目指しています。
本記事では、飛騨市役所職員の松井氏にお話しを伺い、「誰もが安心して生活できるための市役所になれば嬉しい」と語る想いや、メタバース役所の活用方法やオンライン会議ツールとの違いなど活用例を紹介します。
今生きづらい人にも行政サービスを受けてほしい
現在飛騨市では、多くの自治体と同様に、65歳以上の高齢者が4割を超え(飛騨市公式ウェブサイト. 「各町別人口・高齢化率」. 各町別人口・高齢化率 - 飛騨市公式ウェブサイト (city.hida.gifu.jp), (参照2024-08-27))、人口減少も問題となっていることから、移住定住のイベントや飛騨市を好きな方々が飛騨市との交流が叶うファンクラブを設立するなど、日ごろより関係人口の増加に向けて取り組んでいます。それだけでなく、市民も職員も使いやすい行政サービスを提供したいと考えており、心身の状態や、家庭環境で市役所に行くのが困難な方にメタバース活用ができると考えています。
メタバースは対面とオンラインの両方の良いところを兼ね揃える
松井氏はメタバース空間は対面ではないのに、オンライン会議ツールより空気感が伝わりやすく、コミュニケーションをとりやすいと続けました。
対面はオンラインと比べ、情報も多く、意思疎通が容易であることから話を理解しやすいですが、対話をするまでに移動を伴うなど、状況によってはコミュニケーションのハードルが高くなります。一方で、オンラインは物理的に離れていても対話することできる利便性があり、顔出ししたくない人はカメラをオフにして話すことも可能ですが、互いの細かな表情や雰囲気が伝わりにくいというデメリットもあります。
それらと比べて、DNPのメタバースは自分の分身であるアバターが頷いたり、身振り手振りをし、ガッツポーズやお辞儀などのアクションをすることで視覚的な情報が加えられ、コミュニケーションがとりやすく対面とオンラインの両方の良さを兼ね揃えています。
実際、飛騨市で行ったイベントのアンケートでは、参加者のほぼ全員が対面と同等のコミュニケーションが取れたと回答し、メタバースの良さを感じていただきました。
メタバース役所内で自治体職員向けと市民向けのイベントを開催
7月24日(水)に行われた交流会では9自治体が参加し、飛騨市の取り組みに関心を示しました。イベント中は「書かない窓口」「博物館の無人開館」「飛騨市ファンクラブ ヒダスケ!」の3つの講演が行われ、空間内で参加者は、講演に聞き入ったり、アバター同士で会話を楽しむなど、それぞれ自由な過ごし方をしていました。
また、7月26日(金)には「メタバース移住婚イベント」が開催され、音声やテキストチャット、20種類のアクション機能を使いながら、複数組の男女がアバター同士で会話をし、盛り上がりを見せました。
自宅から参加できる手軽さ
その際に行われたアンケートでは「今後メタバースのイベントがあれば参加してみたいか」という問いに対し、約9割が「参加してみたい」と回答しました。その理由については「家で気軽に参加できるから」という意見が多く挙がりました。
アバターを介することで、会話が苦手な人にとっても話しやすい環境に
メタバース空間は顔を出さなくても良いため、婚活はもちろんのこと、対面だと話しづらい悩みを相談することもできます。飛騨市には障がいのある方や生きづらさを感じる方の相談窓口がありますが、すぐに心を開けない相談者もいらっしゃいます。メタバース役所では、アバターの匿名性と自己開示が高まる効果によって、比較的早期から心を開き、話してくれるのではないかとメタバース役所に期待を寄せています。
メタバースは体験してみないとわからない
初めは松井氏もオンライン会議ツールと何が違うのかと半信半疑だったといいます。しかしながら、実際に空間の中に入るとイメージがガラッと変わったそうです。まずは体験してみる、そしてそこで対話をしてほしいと締めくくりました。
DNPでは「『メタバース役所』実証プラン」という無償のプランを新たに追加しました。
メタバース役所内で自治体職員の方によるイベントやセミナーをお試しいただくことができます。ぜひお問い合わせください。
本サイトの掲載情報については、企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。
提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。