全国で進む廃校活用
少子化や市町村合併により全国で毎年約500校が廃校になるなか、そのまま放置していても維持管理コストがかかってしまう学校施設をいかに有効活用するかが地方自治体の大きな課題となっています。
令和3年に文部科学省が公開した資料「廃校活用の現状と可能性~文部科学省「みんなの廃校プロジェクト」~」(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001385947.pdf)によると、廃校になった学校施設のうち約75%は何らかの用途に活用されており、またその用途も、社会教育施設、博物館、介護施設といった公共性の高いものから、宿泊施設、貸しオフィス、食品工場まで非常に多様化しています。
今回はそういったオリジナリティ溢れる活用事例のひとつ『東神楽大学』を紹介いたします。
『東神楽大学』の取り組み
『東神楽大学』とは、北海道の東神楽町で株式会社AgriInnovationDesignが企画・運営する複合施設です。施設内にはコワーキングスペース、シェアキッチン、ゲストハウスや、売店、学食など多様なコンテンツがあり、大学利用者同士や入居企業と地元事業者・農業者との接点を生み出しています。
地域住民の声だけでなく、地域外から見た東神楽町の魅力・需要を汲み取った施設構成で、地方創生の拠点としての役割を担っています。
なお同施設は2021年に廃校になった旧忠栄小学校の用途転用として、プロポーザル方式で選定されています。
また、校舎入り口、体育館出入口、レンタルスペース入り口には暗証番号式のスマートロック「RemoteLOCK」が設置されています。予約時間のみ使える暗証番号を事前に通知することで、鍵管理の手間を減らし、限られた人手でも稼働時間を最大限確保することに成功しています。
まとめ
廃校活用は自治体にとって維持管理コストを縮減できるだけでなく、地域内外の交流・発信拠点の充実、雇用創出、また企業にとっては、少ない初期投資で事業をスタートできること、話題性、多拠点化によるBCP対策、といった複合的なメリットがあります。
一方で、地域からの積極的な要望がないこと、そもそも住民への意向調査ができていないことから、活用に向けた議論や公募がなされていないままの学校施設も多く存在します。
しかし学校は単なる大型施設としての価値にとどまらず、治安の維持や地域コミュニティの要としての役割も担っています。放置することで長期的な影響が出る前に、広くアイデアを募り、廃校施設を使い続ける仕組みづくりを用意することが重要です。
■お問い合わせ先
株式会社構造計画研究所
RemoteLOCK 自治体マーケティング担当
TEL: 050-1807-1888
E-mail: remotelock@kke.co.jp
ウェブサイト:https://remotelock.kke.co.jp/case/public-facilities/
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