

学校施設を学校教育に支障のない範囲で貸し出す「学校開放事業」は、日本全国の小中学校で実施されています。文化活動やスポーツを行う場として学校の施設をリーズナブルに提供することができるこの事業は、地域の交流を促し、心身の健康促進を図ることができます。
文化庁は「地域での文化活動を推進するための「学校施設開放の方針」について」の文書を、スポーツ庁では「学校体育施設の有効活用に関する手引き」を公開するなどして推進を働きかけており、学校開放が豊かなくらしを築くための重要な施策の一つとして位置付けられていることがうかがえます。
多くの住民に活用してもらうことでその効果を最大化できる学校開放事業ですが、従来の運営方法には解決すべき課題が山積し、利用率向上の足かせとなっています。この記事では、学校開放の運営にまつわる課題とその解決策を紐解きます。
「利用者も管理者ももっと便利でスマートな学校開放にしたい」
「学校開放の利用を促進して、住民の健康づくりに貢献したい」
とお考えの自治体職員や教職員のみなさまはぜひご一読ください。
調査結果に見る学校開放事業の課題
学校開放事業にはどんな課題があるのでしょうか。学校開放の促進を提唱するスポーツ庁による調査結果では、学校体育施設開放の課題は「管理に関する課題」と「費用に関する課題」の二つに分類されています。
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(出典:学校体育施設の有効活用について ~学校体育施設の有効活用に関する手引きの解説等~
令和3年2月 スポーツ庁 https://www.mext.go.jp/sports/content/20210311-spt_stiiki_000012759-6.pdf)
課題として最も多く挙げられたのは「利用予約・調整手続きの改善」で、なんと回答者の半数近くが”課題がある”と答えています。
従来の運営方法を採用している多くの自治体で、施設予約をする際、どの学校施設がいつ空いているのか、利用者はそれぞれの学校に問い合わせないと分からなかったり、予約や支払いのため複数の窓口に出向く必要があったりします。また、予約に関する問い合わせや利用申込み、紙の予定表の管理等は全て教職員に委ねられているケースも多く見受けられ、それはそのまま2番目の課題「開放校の負担軽減」となって表れています。
また、調査結果で3つ目に高い回答率である「鍵の管理者の確保」については、高齢化や人口減少に伴い、近隣住民から鍵管理の担い手を確保することが難しくなっていたり、財政難のため鍵の管理を担う職員やスタッフの配置が難しかったりといった現状が挙げられます。
このように、従来の学校開放の運営方法では時代の潮流に対応しきれていない状況がこの調査結果で浮き彫りになっています。
学校開放事業に効果を発揮するデジタル技術2選
では、旧態依然とした学校開放事業の運営はどのように改善できるのでしょうか。昨今の学校開放の取り組みで効果を発揮している主要なデジタル技術を2つご紹介します。
■ デジタル技術その1:予約システム
これまでは各学校に電話や対面で空き状況を確認し予約を行っていたところを、予約システムを導入することで、インターネットでいつでもどこでも、空き状況の確認から予約、支払いまで対応することができるようになります。オンラインで空き状況を可視化し、紙での対応を減らすことで、管理者や教職員の負担軽減はもちろん、住民の利便性向上を実現できます。
構造計画研究所が提供する公共施設の予約システム「まちかぎリモート」は、神戸市や川崎市、その他の学校開放事業で導入され、運営のスマート化に貢献しています。
▶まちかぎリモートの詳細はこちら:https://machikagi-remote.kke.co.jp/
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■ デジタル技術その2:スマートロック
インターネットにつながる鍵、スマートロックなら、物理鍵の代わりに暗証番号などの認証コードを利用者ごとに発行することができ、入室管理を遠隔化できます。GIGAスクール構想が全国に浸透し、インターネット環境が整備されたため、導入がしやすくなった技術の一つです。解錠用の認証コードは、24時間365日いつでも使えるものでも、予約した日時のみ有効な期限付きのものでも、自由に設定・発行できます。メールなどで認証コードを伝えることができるため、わざわざ鍵の受け取りや返却のために窓口や管理者のところに出向く必要がなくなります。不正コピーや紛失のリスクが減り、セキュリティ向上に寄与します。
構造計画研究所の提供するスマートロック「RemoteLOCK」は、沖縄から北海道まで、学校体育施設や公民館、集会所など数多くの公共施設の入室管理に使われており、自治体向けスマートロックのスタンダードです。
▶RemoteLOCKの詳細はこちら:https://remotelock.kke.co.jp/case/public-facilities/
▲ 小美玉市の学校に設置されたRemoteLOCK
学校開放、DX化のメリット
では、これらのデジタル技術をともに導入することで、学校開放事業にどのような変革をもたらすことができるのでしょうか。予約システムと施設の入室管理システムとなるスマートロックが連動することで、次に述べるようなメリットを実現できます。
● 予約状況の可視化
インターネットで各施設の予約状況をいつでもどこからでも確認することができるようになり、窓口に出向く必要がなくなります。
● 手続きの簡素化
インターネットで空き状況の確認から予約、支払いまでできるようになり、手続きの簡素化を実現します。
● 施設利用率の向上
予約しやすく、キーレスでスマートに利用できるサービスを提供することで、満足度アップとリピート率の増加に寄与し、利用率向上を図ることができます。
● 業務負担の軽減
予約受付はオンラインで対応。予約システムと連動したスマートロックなら鍵の発行も自動化できます。窓口業務や電話対応から解放されることにより、業務効率の改善と人的リソースの再編が可能になります。施設を省人/無人運営することで人手不足問題の解消に寄与します。
● 管理コストの削減
管理人が常駐している施設では、鍵対応からの解放と人員調整によるコストの削減が可能です。鍵の紛失による交換費用も発生しませんし、人件費を増やすことなく夜間利用枠を設けることが可能です。
● セキュリティの向上
有効期限付きの認証コードが鍵の代わりとなるため、予約時間外の不正利用を防ぎます。また、スマートロックの管理画面上で解錠履歴を確認できるため、誰がいつどのロックを解錠したかを把握でき、セキュリティ向上を実現します。
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▲予約から鍵まで連動、予約システム「まちかぎリモート」とスマートロック「RemoteLOCK」の運用イメージ
学校開放をDX化、省力化と利便性向上を実現した事例
前述のデジタル技術を実際に導入し、学校開放事業の運営をデジタルの力で改革した事例をご紹介します。
■ 事例その1
兵庫県神戸市様
神戸市教育委員会様では、子どもたちの体力・運動能力向上、市民の健康増進、開かれた親しみやすい学校づくりを目的として、中学校体育館の夜間開放を実施しています。インターネット予約システムまちかぎリモートから簡単に施設予約ができ、予約システムと連動するRemoteLOCKで鍵の受け渡しをオンライン化することで、夜間の利用枠でも予約しやすく、利用しやすい運営方法を確立しました。

(出典:神戸市教育委員会WEBサイトhttps://www.city.kobe.lg.jp/a61516/kosodate/lifelong/kaihou/kaihou_ict.html)
■ 事例その2:
茨城県小美玉市様
廃校を含む体育館施設の開放を実現するため、予約システムとスマートロックを導入。利用者からは「以前は利用の際に学校や施設に申込みに行く必要があったのが、自宅からできて便利になった」、施設管理にあたる学校側からは「鍵の受け渡しや電話対応などの業務の負担が大幅に軽減され本来業務に集中できるようになった」、予約を統括する行政側からは「ペーパーレス化により事務的な負担が軽減された上、事務上の人的ミスの心配や鍵の紛失の不安もなくなった」と、それぞれの立場から評価の声が寄せられています。

(出典:自治体通信オンライン https://www.jt-tsushin.jp/article/kke-interview-omitama-202104)
DXによる課題解決をデジ田交付金がバックアップ
「デジタル技術を導入するメリットはわかったが、予算はどうすべきか?」とお悩みの自治体担当者にオススメなのが、デジタル田園都市国家構想推進交付金(以下、デジ田交付金)です。デジ田交付金は、デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上に向けた取組を行う地方公共団体を支援するための交付金です。
実際に、交付金を利用して学校開放事業にデジタル技術を取り入れ、学校開放を便利かつスマートに革新する自治体が全国で増えています。デジタル庁が公開している交付金採択対象の資料を見ると、令和5年度だけでも交付対象事業として以下が記載されています。
● 都道府県 市区町村 事業名 採択額(千円)
● 群馬県 みどり市 スマートロックを活用した新たな学校体育施設開放事業 1,831
● 福井県 鯖江市 開放学校リモートキー化事業 4,000
● 長野県 須坂市 施設予約システム及びスマートロックシステム導入事業 12,875
● 滋賀県 長浜市 デジタル技術を活用した学校体育館等利便性向上事業 15,832
● 鳥取県 米子市 学校開放事業のオンライン利用予約および遠隔鍵管理 8,337
(出典:デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)の交付対象事業の決定について 令和5年3月10日
内閣府地方創生推進室 デジタル庁 https://www.chisou.go.jp/sousei/about/mirai/pdf/dejidenkoufukin_saitaku.pdf )
なお、2023年11月29日の国会で令和5年度の補正予算としてデジタル⽥園都市国家構想交付⾦予算735億円が決定しました。今後、交付金事業の募集開始が見込まれますので、デジ田交付金を活用して学校開放の運営をスマート化したいと考えている自治体担当者のみなさまはぜひご活用ください。
学校開放事業のデジタル化を徹底解説するWebセミナー
学校開放のデジタル化についてさらに詳しく知りたい方は、Webセミナー「ここまで変わる!学校開放をアナログからデジタルへ」を視聴いただけます。
本セミナーでは、多くの自治体で鍵管理の課題解決や実証実験による検証を支援/コンサル/アドバイスしてきた経験豊富なコンサルタント、RemoteLOCK自治体チームの岡田が、最新の事例とともに学校開放のデジタル化について徹底解説します。
視聴のお申込みは下のボタンからどうぞ。

※ 同業社および競合にあたる企業の方のお申込みはお断りしております。
本記事とWebセミナーの内容を参考にしていただき、全国の学校開放事業が便利にスマートに運営されるようになること、それによって住民みなさんの暮らしがより一層豊かで健康になることを願っております。
お問い合わせ先
株式会社構造計画研究所
RemoteLOCK 自治体マーケティング担当
TEL: 050-1807-1888
E-mail: remotelock@kke.co.jp
ウェブサイト:https://remotelock.kke.co.jp/case/public-facilities/
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■【セミナーレポート】目指せスマート運営!学校開放におけるICT化のポイント

設立 | 1959年5月6日 |
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資本金 | 10億1020万円 |
代表者名 | 代表取締役社長 湯口 達夫 |
本社所在地 | 〒164-0012 |
事業内容 | 構造計画研究所は、建物の構造設計業務から、構築物を取り巻く自然現象の解析やシミュレーション業務、情報通信分野でのソフトウェア開発、製造分野へのCAD/CAEのソフトウェア販売やカスタマイズ、そして人間の意思決定支援分野でのコンサルティングなどを提供しております。「大学、研究機関と実業界をブリッジする Professional Design & Engineering Firm」を標榜する当社は、今後も工学知をベースにした有用な技術を活用し、社会の諸問題の解決に挑むことで、より賢慮に満ちた未来社会を創造してまいります。 |
URL | https://www.kke.co.jp/ |
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