2024年1月1日に起きた能登半島地震では、「鍵が開けられず避難所に入れない」「窓ガラスを割って避難所に入った」といった事例が複数報じられました。そのような状況の中で、RemoteLOCKの暗証番号を担当者と共有することで迅速な避難所開設を実現した高岡市に、RemoteLOCKの導入経緯と発災時の避難所の鍵の受け渡しについてお伺いしました。
<インタビュイー>
高岡市役所 教育委員会 生涯学習・スポーツ課 砂土居 将大様
(掲載内容は取材日:2024年3月25日時点の情報です)
―まずは、RemoteLOCKを導入された経緯および利用状況について教えて下さい。
高岡市では、市民が豊かさや利便性を実感できるデジタル社会の実現に向けて、「高岡市DX推進方針」が2022年3月に策定されました。
この中の施策の一つとして”電子申請対象手続きの拡大”を掲げ、体育施設の予約をはじめとする各種手続きの電子化を拡大することで非対面・非接触や時間・場所の制約を受けない環境を作り、市民の利便性の向上を目指しました。
デジタル技術を取り入れた施設管理について調べるなかで、公共施設に適用できる予約システム、ならびに予約システムと連動するスマートロックについて知りました。2022年度に予約システムを導入し、テニスコートや野球場などのオンライン予約・管理を始めました。
その後、対象施設を拡大する流れで市内2箇所のトレーニングセンター(小規模体育館)にスマートロックを導入することになりました。数社のスマートロックを検討した結果、価格優位性が高いRemoteLOCKを選びました。そして2023年度から予約システムと鍵を連携した運用を開始しました。
RemoteLOCKを導入する前は、施設の鍵は清掃を担う近隣住民に管理していただいていました。利用者は管理者の敷地内に設けられた保管場所から鍵を取り出し、使用後はまたその場所に返却する運用でした。面識のない利用者が管理者の敷地に入らざるを得ないため、セキュリティ面が課題となっていました。
現在は、山王トレーニングセンターおよび西五位トレーニングセンターの2箇所にRemoteLOCKを設置し、予約システムと連動した運用を行っています。
―前述のトレーニングセンターは2024年の能登地震で避難所になったと伺いました。その際はどのように鍵の受け渡しを行いましたか。
避難所開設の担当職員に電話で暗証番号を伝えて、避難所の入り口を解錠しました。
災害時の利用は想定していなかったのですが、導入当初から、常時利用可能なRemoteLOCKのパスワード(暗証番号)を関係する部課署で保有していました。地震が起きて避難所開設が要請されたタイミングで開設担当の職員に電話をし、暗証番号を伝えました。これまでRemoteLOCKを使ったことのない者でしたが、スムーズに操作・解錠できたと聞いています。
幸い高岡市では避難所開設時のトラブルはありませんでしたが、今後の災害に備えて、避難所の鍵に関しても今後検討を進める方針です。
―導入前にお持ちだった課題は解決できましたか。
はい。鍵を管理する近隣住民のお宅に施設利用者が出向く必要がなくなり、利便性と安全面の向上を図れました。
また、まれに夜間の規定時間外に利用されていると苦情が入るのですが、定期的に我々職員がRemoteLOCKの管理画面から利用履歴を確認し、規定時間を過ぎた時刻の退出履歴がないか、チェックをしています。必要に応じて該当する利用団体に注意を促すことができ、ルール遵守に役立っている面もあります。
―最後に今後の展望をお聞かせください。
まだ検討段階ですが、今後、予約システムとスマートロックで管理できる施設を増やしていきたいと考えています。
他の市内施設についてもスマートロックに代替し、デジタル化を進め、さらなる利便性向上につなげたいと考えています。
終わりに. RemoteLOCKチームより
今回は避難所開設について現場でのお話を直接お伺いすることができた非常に貴重な機会となりました。能登地震以降、避難所の鍵管理について全国の自治体様より多くの問い合わせをいただいており、避難所をいかに素早く開設するかの重要性を改めて痛感しています。高岡市様の先進的な取り組みが、日本各地の自治体における防災力の向上に少しでも役立つことを願っております。
お問い合わせ
株式会社構造計画研究所
RemoteLOCKチーム
TEL: 050-1807-1888
E-mail:remotelock-lgsales@kke.co.jp
https://remotelock.kke.co.jp/case/public-facilities/
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