2020年度から新たな放課後教育「のびるんdeスクール」をスタートさせた愛知県豊橋市は、毎月の申し込みや当日の欠席連絡をスムーズに行える基盤構築が急務の課題になっていました。そこで『kintone』で新プラットフォームを構築し、活用を開始。保護者の利便性向上と運営サイドの省力化の両面で大きな成果をあげています。
いち早く地域密着型の放課後教育を実践
愛知県豊橋市は、文部科学省と厚生労働省の連携による「新・放課後子ども総合プラン」に対応した豊橋市独自の取り組み「のびるんdeスクール」を2020年よりスタートしました。
「のびるんdeスクール」の体験学習は「スポーツ」「カルチャー」「アカデミー」の3ジャンルあり、地域の企業の社員が講師役を務めるなど、地域交流もできる仕掛けになっています。日替わりで提供されるメニューから児童が参加したい体験学習を自由に選んで申し込むことができ、日ごろ放課後児童クラブを利用している児童も申し込める取り組みです。
2020年、市内全52の小学校のうち、まず先行して二つの小学校で6月から「のびるんdeスクール」をスタートしました。しかし、実運用で直面したのは、紙をベースにした申し込み手順の見直しでした。予定表はコロナ禍のため手渡しできない、児童の保護者からの欠席連絡への対応も同市がまとめて全校分をメールで受け付けて各校にFAXで通知する必要があるなど、非常に大変な運用でした。
職員教育まで含めた総合力を高く評価
ちょうどそのころ、自治体の行政手続きのオンライン化が国から周知され始めた時期だったこともあり、管理業務の簡素化と保護者の利便性向上という二つの課題解決に向けて、電子化を本格的に考えることになりました。本プロジェクトを担当する教育委員会 教育部 生涯学習課と行政デジタル推進室がシステムの選定を行いました。
選定にあたって高い評価を得たのは、大塚商会の『kintone』の提案でした。『kintone』というツールの使いやすさに加え、特に高く評価されたのはサポート体制でした。職員が自分でプログラミングを行えることまで視野に入れた今回のプロポーザルはとても説得力があったため、採用となりました。
2023年4月から全小学校を対象に全面運用をスタート
2020年に市内二つの小学校からスタートした「のびるんdeスクール」ですが、その後2021年度には12校に対象を拡大。2022年度には市内52の全ての小学校で実施を開始しました。
今回のソリューションの最大のポイントは、閲覧者ごとに個別URLを用意することで、保護者がオンラインでスムーズにそれぞれの申し込みや欠席連絡を行えるようになった点です。保護者のメールアドレス(ID)でログインすれば、申し込み内容が即座に確認でき、キャンセルも行えます。また、兄弟姉妹がいる場合も一つのIDで管理できるため、使いやすさは大きく向上しました。
同市は今後全校展開にあたって、問い合わせに確実に対応できる体制の構築に力を入れています。2021年9月に12校の児童1,200名を対象に実施された以前の愛知県の電子申請・届出システムによる電子化では、月次予定表の出力、配付、回収、集計の省力化により、一人あたり14時間/月の工数削減が実現されています。52校を対象にした今回の取り組みでは、より大きな成果につながることができます。
一方、現場レベルの当日の出欠管理は、今も『kintone』で集計したデータをFAXで各校に配信するという紙での運用を継続していますが、将来的にはタブレットで管理できる体制に移行したい考えです。
豊橋市として全面的な電子化の仕組みを構築し、『のびるんdeスクール』と共に全国に発信することを今後の目標としています。
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