ケーブルテレビ業界で国内最大の展示会「ケーブル技術ショー2025」が、「自治体+ケーブルテレビ」のイベントに進化して2025年7月に都内で開催される。
近年、自治体が地域DXのインフラ構築や運営などの業務を地元ケーブルテレビ事業者に委託する成功事例が全国で増えている。ケーブルテレビ業界でも、地域DX事業への取り組みに業界を挙げて力を入れている。このような動向を受けて、次回のケーブル技術ショーは自治体関係者向けの展示やセミナー、ケーブルテレビ事業者と自治体の来場者、出展者が意見交換や交流を深めるための交流イベントなどを大幅に強化する。
開催日は2025年7月24日(木)・25日(金)、会場は東京国際フォーラム。オンライン展示は6月24日(火)~ 9月10日(水)までの予定だ。ケーブルコンベンション2025も同日、東京国際フォーラムで開催される。ケーブルコンベンションのアーカイブ配信は8月1日(金)~ 9 月30日(火)まで行われる。
両イベントの主催は、(一社)日本ケーブルテレビ連盟、(一社)日本CATV 技術協会、(一社)衛星放送協会。参加は無料※で、事前登録制となっている。
今回はケーブルテレビ事業者と自治体の来場者、出展者が意見交換や交流を深めるための新施策を行うなど、ケーブルテレビ事業者の地域DX 事業を支援する機能を強化する。ケーブル技術ショーとケーブルコンベンションの連携も進める。
自治体関係者必見のイベントに進化するケーブル技術ショー2025の見どころを紹介する。
※ケーブルコンベンションは一部有料
(取材・文:渡辺 元・月刊ニューメディア編集部)
自治体との連携強化の場も
ケーブルテレビ業界は2024年1月の能登半島地震や同年秋の九州地方の豪雨災害などで、地域住民に避難場所などの情報を伝達し、地域社会を支援する役割を果たしたことで、その重要性が改めて認識された。ケーブルテレビは災害対策に留まらず、自治体と連携して地域課題の解決に取り組むキープレイヤーとしても期待されている。
ケーブルテレビ事業者が日本ケーブルテレビ連盟の提言する「2030ケーブルビジョン」のアクションプランに基づき、防災や地域課題の解決、テレビやインターネットサービスを提供するメディア・インフラ事業者としての役割を引き続き果たしていくために、ケーブル技術ショー2025は業界の先進事例や最新技術、ソリューションを共有する場となる。また、自治体など地域課題に取り組むステークホルダー、ケーブルテレビ事業者、出展企業が地域のニーズや技術、ソリューションについて情報交換を行い、3者をマッチングさせる場も提供する。ケーブル技術ショー2025は、地域課題の解決を進め、地域社会の発展に貢献するキープレイヤーとしてのケーブルテレビ業界をさらに強化することを目指している。
最新技術やソリューションの展示を通じて、業界全体の技術革新を促し、未来のサービスやビジネスモデルの方向性を提案する。また、地域DXや地域サービスに関する情報発信を行う。具体的には、地域DXに対応した技術として、スマートシティ技術、IoT、5Gネットワーク、地域情報配信システムなどを紹介し、ケーブルテレビ事業者が自治体や企業と連携し地域DXを実現するためのソリューションを展示する。さらに、地域の人口減少や高齢化などの課題に対応する遠隔医療サービス、地域情報共有プラットフォーム、防災情報の迅速な提供サービスなど、ケーブルテレビのインフラを活用した地域解決策や導入事例を紹介する。自治体とケーブルテレビ事業者、技術提供企業が連携を強化する場も提供する。
コンベンションと一層連携
ケーブル技術ショー2025の新たな特徴として、ケーブルコンベンション2025との一体的な運営が挙げられる。2023年から両イベントは来場者データベースを統一し、来場者の利便性を向上させてきたが、2025年はさらに連携を強化する。会場間の誘導施策などを展開することで、両イベントのシナジー効果を高め、ケーブルテレビ事業者や自治体の来場者と出展者の双方にとっての併催効果を最大化させる。
ケーブル技術ショー2025の開催テーマは「POTENTIAL ! 」、ケーブルコンベンション2025 は「PASSION ! 」と決まった。POTENTIAL とPASSIONで自治体などと地域社会の発展に取り組むという、これからのケーブルテレビ業界の姿をテーマに掲げた。
生成AIで高精度レコメンド
ケーブル技術ショー2025では、主催者テーマ展示「2030ケーブルビジョン/CATVが目指す未来像」も開催される。この企画展では、地域DXの推進に役立つ技術やソリューションを来場者が実際に体験できる。これにより、自治体などの来場者にケーブルテレビ業界と連携することで活用できる地域DX関連技術やソリューションの実力を確認してもらう。出展者のプロモーション活動を支援するとともに、ケーブルテレビ業界のブランディングにも寄与する企画だ。
自治体職員の来場者向けには、情報発信をさらに拡充する。地域DX事例を紹介するオープンセミナーや、地域DXやIoTシステムのデモ展示を実施するほか、自治体とケーブルテレビ事業者との交流会も開催される予定だ。
AIの大幅な導入も新たな取り組みだ。生成AIビジネスマッチングシステムを導入し、生成AIとAIチャットボットを組み合わせることで、キーワードマッチングでは実現できない高精度なレコメンドサービスを自治体などの来場者に提供する。
11月29日(金)から出展者募集も開始された。新たな形へと進化するケーブル技術ショー2025に注目したい。