少子高齢化や人口減少、自治体の財政難が進む地方において、電気や水道、交通など公共サービスの提供を安定した収支で維持していくことが喫緊の課題となっている。
そんな中、注目されているのが「シュタットベルケ」。
シュタットベルケ(Stadtwerke)とは、ドイツ語で「街の事業」を意味し、自治体所有で設立する地域密着型の公益企業であり、電気・ガス、水道、交通、廃棄物収集などの公共インフラを整備・運営し、地域住民の生活を支える存在として、ドイツ各地で重要な役割を果たしている。
この「シュタットベルケ」の日本版ビジネスモデルが、これらの課題に光を当てようとしている…。
7月18日(木)・19日(金)に開催されるケーブルコンベンション2024関連イベント「ケーブル技術ショー2024」は、すでにオンライン展示会が6月3日(月)から開催されている。※8月31日(土)まで。
今回の開催コンセプトは、「Let’s join DX with Cable TV!」。“ケーブルテレビで地域共創・地域DXを推進しよう”という意味が込められている。自治体と連携した地域DXで地域課題を解決していく、というケーブルテレビの新しい事業の推進は、今回のケーブル技術ショーの大きな目標だ。
そこでケーブル技術ショーでは、自治体とケーブルテレビが連携した地域DXの注目事例などを講演やセミナーで次々と取り上げていく予定である。
配信中のオンライン限定プレミアムセミナーでは、第二弾として、広島修道大学の助教の白石智宙氏が、「日本版シュタットベルケとしてのケーブルテレビ」と題し、地方創生のヒントとして、公共サービス・インフラ×ケーブルテレビの可能性を語っている。
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ケーブルテレビが切り開く日本版シュタットベルケの可能性
シュタットベルケには、以下の3つの要件がある。
- 生存配慮事業の統合的供給:地域住民の生活に不可欠なサービスを供給する
- 自治体直営または公有である:自治体が事業運営に関与する
- 自治体財政への貢献:収益を地域に還元する
なぜ日本版シュタットベルケが注目されているのか?
エネルギー事業を中心に、地域課題解決と地域経済活性化を両立するシュタットベルケのビジネスモデルは、日本でも様々な分野で応用可能だと考えられている。
そこで、近年、特に注目されているのが、自治体新電力のような地域エネルギー事業であるが、ケーブルテレビ事業にも可能性がある。
ケーブルテレビは、もともと地域密着型の事業であり、自治体との連携も強いことから、シュタットベルケの理念と親和性が高い。
鳥取県西部地域及び周辺町村における取り組み
実際、鳥取県西部地域では、ケーブルテレビ会社「中海テレビ放送」が、地元企業5社と自治体が出資して設立した地域新電力会社と協力しながら、地域活性化に大きく貢献している。
- 地域に根ざした事業展開:ケーブルテレビは、地域に根ざした事業展開を行っており、地域住民の信頼が厚く、ニーズを把握しやすいという強みがある。
- 通信インフラの活用:ケーブルテレビは、光ファイバーケーブルなどの通信インフラを保有しており、これを活用して、エネルギー、水道、交通などの他の公益事業と連携することが可能。
- 地域経済への貢献:ケーブルテレビは、地域住民の生活を支えるインフラ事業であり、地域経済への貢献度が高い。
日本版シュタットベルケとしてのケーブルテレビの可能性
日本版シュタットベルケとしてのケーブルテレビは、自治体との連携強化、経営の透明性確保などの課題を克服し、地域住民の生活を支える新たな地域インフラ事業として発展していくことが期待される。
自治体関係者にとって、日本版シュタットベルケとしてのケーブルテレビは、地域活性化の強力なツールとなるでしょう。ケーブルテレビ会社との連携を深め、地域に密着した事業展開を行うことで、持続可能な地域社会の実現に向けて大きく貢献していくことができます。
地域経済の活性化や地方創生に関心のある方は、ぜひ、ケーブル技術ショーのプレミアムセミナー「日本版シュタットベルケとしてのケーブルテレビ」をご視聴ください。
私たちが住んでいる街の地域課題解決や地域活性化のヒントが見つかるかもしれません。
オンライン展示会・限定配信:プレミアムセミナー第二弾 ご視聴のご案内
日本版シュタットベルケとしてのケーブルテレビ
各種の公共サービスを安定した収益で補填しながら住民に提供する事業体として、ドイツのシュタットベルケのモデルが期待されています。
そのドイツでは、公共サービスの担い手として多くの成功事例が報告されています。
一方、日本でもシュタットベルケが持つ可能性が注目されていますが、その実現は発展途上と言えるでしょう。
そんな中、ケーブルテレビ事業者が日本版のシュタットベルケとして地域での役割を果たしている事例も生まれつつあります。
地域で放送・通信などの公共サービスを展開してきたケーブルテレビは、エネルギーや公共交通などの他の公共サービスの提供において連携が期待されます。
このような日本版シュタットベルケのモデルとしてのケーブルテレビの可能性と課題について、月刊ニューメディア 編集長 渡辺 元 編集長がコーディネーターとして、シュタットベルケ研究者の広島修道大学 助教 白石 智宙と、鳥取県米子市の中海テレビ放送の事例を交えながら議論します。
人口減少時代の地域社会・地域経済の維持に取り組む自治体関係者と、地域における新しい事業を模索するケーブルテレビ事業者の双方を対象にしたセッションです。
講師プロフィール
広島修道大学 助教 白石 智宙
https://shu-lab.shudo-u.ac.jp/shuhp/KgApp?kyoinId=ymmsgegeggy
地域経済、地方財政、そして地域づくりの視点から、持続可能な社会の実現に向けて研究と教育に尽力。専門分野は財政学、地域経済学、自然資源管理論であり、主な研究テーマは林野の産業利用と保全、木質バイオマスエネルギーの利用促進など。2016年から2021年まで京都大学大学院経済学研究科に在籍し、現在は広島修道大学で教育・研究に従事。近年は地域主導のエネルギー事業における日独比較や半自然草原の保全に関する研究に焦点。
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