公務員目線で“伝わる広報”の知恵を凝縮
2018年5月に「パッと伝わる! 公務員のデザイン術」 (学陽書房)を、2019年4月に「すぐに使える! 公務員のデザイン大全」(同)を、同年8月に「最強効率仕事術 公務員の速攻ライフハック」(同)、同年12月には「図解 公務員1年目の仕事術」(ナツメ社)を上梓しました。
そして今回5冊目となる「Officeで簡単! 公務員のための『1枚デザイン』作成術」 (学陽書房)を上梓させていただきました。
行政・自治体で使うパソコンのほとんどにMicrosoftのOfficeが導入されていますが、AdobeのIndesignやPhotoshop、illustratorなどは特別な部署でなければ入っていません。
そのため行政や自治体の現場ではチラシやポスター、通知書などを作るとき、ほとんどの職員は「Word」を使い、操作方法も分からないまま四苦八苦しながら作成しているのが現実です。
操作方法が分からないとどうなるのかというと、「あまりよいデザインじゃないな」と思っていても以前から使っているデザインの日程などだけ書き換えた、前例踏襲のデザインになってしまいがちです。
国や全国の自治体などで講師に招かれたとき「Officeしか入っていないので、専門的なソフトがなくても佐久間さんの作るチラシやポスター、通知書のようにデザインすることはできませんか」と講演後の質疑応答でよく聞かれてきました。
あまりにもよく聞かれるので、ひょっとしたら今までのノウハウを1冊の本にまとめたら、全国の自治体、行政、公務員の広報力、デザイン力の向上に繋がり、さらには伝わる住民サービスの向上になるのではないかと考え企画をし、1冊の本にギュッとまとめました。
本書も含め、今まで出版してきた本に共通することは、ノンプロの“公務員目線”で語られているということです。住民目線を常に意識し、現場の声、住民の声や反応を直接聞きながらチラシや通知書を作り、起案に添付して決裁をもらうというプロセスを知っているからこそ、皆さんの「痒い所に手が届く」内容に仕上がっていると思います。
◆購入者特典あり◆ 本書の4章で紹介しているチラシ・ポスター・通知書のデータを購入者特典としてダウンロードできるようになっています。ぜひご活用いただければと思います。
Officeを“使い倒す”
それでは目次を紹介します。
本書の流れ
①Officeの特徴をつかみ、それぞれのメリットを活かす
②基本的な操作を覚える
③細かなパーツの作り方と、行政や自治体に求められる社会的配慮にも考慮する
④WordとExcel、PowerPointで実際に成果物を作ってみる
本書は、このような流れになっています。
基礎から応用まで身につく“トラの巻“
次に、具体的にどのような内容か、少し本のなかみをお見せしながら解説していきます。
1章 作り始める前に! 基本デザイン&操作の基礎知識
まず1章では基本的な考えと操作方法を身に着けていきます。
2章 まずはこれだけ!Officeソフト基礎操作編
次に2章では痒い所に手が届く、より効果的な操作方法を学びます。
3章 こんなに変わる!Officeソフト応用操作編
3章では、何気なく作ってしまっている紙面に、ちょっとした「スパイス」をきかせると劇的に見た目も訴求力も向上するポイントを、操作手順を交えて丁寧に解説しています。
またディスレクシア(読み書きが苦手な学習障害)や色覚障害のある人への配慮として「ユニバーサルデザイン」がなぜ必要か、それをどのように落とし込めばよいのかなど、障害者差別解消法の合理的配慮に繋がるポイントも分かります。
4章 見よう見まねで完璧!Officeで作るデザイン実践編
最後となる4章では、1から3章で学んだテクニックを活用して、ひとつのチラシや通知書、ポスターを操作方法を交えて解説して形にしていきます。
この4章で私がOfficeで実際に作ったファイルは購入者特典でダウンロードができるようになっていますので、ぜひご活用いただければと思います。
コラム
章の前にコラムを書きました。ビフォーアフターのポイントを解説しています。
“センス”は関係ありません
「佐久間はセンスがあるから」
この言葉をよく言われてきましたが、そんなことは決してありません。
私は今ではこのような本を出版させていただけるようになりましたが、もともとはデザインの「で」の字も知らない、ただの素人でした。だからこそ「チラシやポスター、通知書を上手に作れない」「なぜ、上手に作れないのか、その理由も良く分からない」という思いが痛いほどわかるのです。
『どうしたら住民にわかりやすく伝わるようになるのか』
この想いをずっと持ち続けた結果、デザインの本を読んだり、フォントを学んだり、ナッジ理論(脚注参照)で工夫をしたり、ユニバーサルデザインの資格を取得するなどを自発的に行うようになり、その積み重ねがあるからこそ何冊も本を世に出すことができたのだと考えています。
(脚注)ナッジ理論:小さなきっかけを与えて、人々の行動変容を促す行動経済学で用いられる理論。企業のマーケティング戦略や欧米では公共政策にも応用されている。ナッジ(nudge)とは「ヒジでちょんと突く」という意味。
何かを作ること、仕事をするうえで重要なのは下準備です。特にコンセプトをしっかりと決めてから動かないと、途中で軌道修正がたくさん入って結果的に時間をロスしてしまったり、作ること、やることが目的になってしまいます。
作ることは目的ではなく手段です。ぜひ本書が皆さんの業務の中で活かされることを心から願っています。
* * *
新型コロナウイルスにより、世界中が危機に陥っています。こういう時こそ住民にしっかりと伝わる情報伝達が必要であり、チラシや通知書などにほんの少しの手間暇をかけるだけで劇的に訴求力が上がります。
最後になりますが、本書を出版するにあたり、三芳町の職員はじめ町民の皆さん、全国の公務員の仲間、アップフロントのスタッフの皆さん、そして今回もお忙しいなか帯にご協力いただいたJuice=Juceの金澤朋子さんとスタッフの皆さんに多大なご協力をいただきましたことに感謝申し上げます。
本書の収益の一部は、三芳町(埼玉)と「国境なき医師団」の新型コロナウイルス感染症危機対応募金に寄付させていただきます。
本書を最後まで読んでいただいた皆さんにとって「住民に伝わるデザイン」をつくるヒントとなり、ほんの少しでも「伝えるチカラ」の向上につながれば、と心から願っています。
佐久間 智之(さくま ともゆき)さんのプロフィール
PRDESIGN JAPAN株式会社 代表取締役
中野区広報アドバイザー
元三芳町(埼玉)職員
1976年10月21日生まれ、東京都出身。ヴィジュアル系バンドを経て2002年に三芳町に入庁。独学でデザインを学び、印刷以外全て手作りで町の広報紙「広報みよし」を手掛け、広報コンクールで内閣総理大臣賞を受賞。2019年地方公務員アワード受賞。2020年2月退職。自治体の広報支援などを行うためPRDESIGN JAPAN株式会社を三芳町に設立。同年4月より中野区(東京)広報アドバイザー。自治体の職員研修講師・広報PRデザインアドバイザー、デザイナーやライター(LOCAL LETTER)として活動中。「広報はラブレター」の想いを胸に、日本を変える公務員、人、コトを写真と共に届けている。著書に「公務員1年目の仕事術」(ナツメ社)、「公務員の速効ライフハック」(学陽書房)、「パッと伝わる公務員のデザイン術」(同、Kindle版)、「公務員のデザイン大全」(同)。写真家としても金澤朋子写真集「#いいね三芳町」を出版。地域フォトグラファーやライブフォトグラファーとしても活動中。「Officeで簡単! 公務員のための『1枚デザイン』作成術」(学陽書房)を令和2年4月23日に刊行する。
<PRDESIGN JAPAN株式会社のサイト>
PRDESIGN JAPAN株式会社
https://prdesign-japan.co.jp/
<連絡先>
tsakuma@prdesign-japan.co.jp
お知らせ
佐久間さん著「Officeで簡単! 公務員のための『1枚デザイン』作成術」が学陽書房より令和2年4月23日に刊行されます。Amazonで予約受付中。
Officeで簡単! 公務員のための「1枚デザイン」作成術
~内容紹介~
住民に伝わる良い資料やチラシを作ろうにも、特別な知識もソフトもないから無理…そう思っていませんか? 公務員なら必ず使う3つのOfficeソフトの使い方から紐解いた、「伝わる一枚紙デザイン」のノウハウ本!