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市の“魅力が伝わる”Design戦略 #2(相模原市 シティプロモーション戦略課 ブランディング戦略担当 主任)
「さがみはらむすび」リニューアルの“裏側”

「相模原市シティプロモーションサイト」のデザイン戦略《前編》

    プロフィール
    相模原市シティプロモーション公式SNS「中の人」
    《本連載の著者紹介》
    相模原市 シティプロモーション戦略課 ブランディング戦略担当 主任
    相模原市シティプロモーション公式SNS「中の人」
    企画担当(兼)市公式SNS「相模原市シティプロモーション(@Sagamihara_PR)」運用者。2017年相模原市役所入庁。各種PR事業の企画、運営、ブランディングを担当する傍ら、市公式SNSを運用。過去には市の観光行事の開催支援や地場産スイーツの魅力発信事業、市公式観光ガイドブックの企画制作を担当。

    シティプロモーションで多様で斬新なコラボ展開等をしていることが自治体界隈で注目されている相模原市。同市の担当者で通称「相模原市シティプロモーション公式SNS『中の人』」に、どういった発想や方法論で一連の施策を展開しているのかを連載してもらいます。今回から2回連続でお届けするのは相模原市シティプロモーションサイト「さがみはらむすび」のリニューアルにおけるデザイン戦略。こんな深い工夫や熱い想いがあったんです!

    はじめに

    こんにちは。相模原市 市長公室 シティプロモーション戦略課 ブランディング戦略担当 主任「相模原市シティプロモーション」公式SNSの「中の人」です。

    前回(本連載#1「『本当の目的』を達成するためのデザインのあり方とは?」)は、これまでの経歴のほか、デザインのあり方に関する私の考えを紹介しました。今回は連載2回目ということで、昨年度リニューアルを担当した「相模原市シティプロモーションサイト『さがみはらむすび』」のデザイン戦略を紹介します。少しでも自治体職員の皆さまの日々の業務の参考になれば嬉しいです。

    相模原市シティプロモーションサイト「さがみはらむすび」とは?
    相模原市の公式シティプロモーションサイトのことです。
    相模原市の特色や観光、移住・定住のおすすめポイント、ふるさと納税などの紹介のほか、相模原市にゆかりのある「さがみはらチアリングパートナー(※)」の著名人から寄せられたメッセージを多数掲載し、様々な角度から市の魅力に触れていただけるようなサイト構成に仕上げています。

    ※「さがみはらチアリングパートナー」:「私が好きな相模原の魅力を伝えたい」「多くの方に知ってほしい」そんな想いを自分らしい表現方法で発信してくださる方のこと(個人、企業や団体、キャラクターなど)。この取組のデザイン戦略は次回の連載で紹介します。

    「さがみはらむすび」のトップページ

    思考を整理する戦略メモについて

    前回の記事でも触れましたが、事業を進める際やデザインを決める時には、小さな選択でも根拠を持つようにしています。行政の取組として、「ここ、どうしてこうしたの?」と尋ねられた際に自信を持って答えられることがとても重要だと考えているからです。

    下の画像は、「さがみはらむすび」のサイトリニューアルにあたり年度当初に作成した私の戦略メモの一部です。目的からメインターゲット、コンセプトのほか、プロモーション展開を含めたスケジュールまで、「なんとなく」で進めず思考を整理できるよう、このようにメモに落とし込み、意識合わせを行いました。どの事業でも、この工程を経てやっとスタートラインに立てると思っており、現在担当している他の事業でもこの工程を大切にしています。

    *注:画像は加工しています

    デザインや内容は私が担当しましたが、サイトの委託事業者及びスペシャルアンバサダーとしてトップページに登場した[Alexandros]さん側との調整は、当時一緒に担当していた先輩職員が担ってくれました。この先輩がいなければ、当時最も効果的なタイミングでサイトを公開することはできなかったと思うので、一緒に分担して担当できたことはとても有難かったと感じています。

    リニューアルのコンセプト

    ずばり、「『相模原って、どんなところ?』に自信を持って答えられるプロモサイト」です。

    皆さんは、テレビやWebメディアに観光スポットなどの名前が出た時、「どんなところだろう」「何があるんだろう」と思って検索したことはありませんか? そういった時に一番最初に出てくる玄関口のようなサイトにしたいという想いで制作しました。

    サイトの名称・ロゴマークについて

    サイトには、「ご覧になる全国の方と夜空に浮かぶ星座のようにつながりたい」「相模原市と『さがみはらチアリングパートナー』を組みひものようにむすぶサイトでありたい」という想いを込めて「さがみはらむすび」と名前を付けました。

    また、皆さんと相模原市の「スポット」「もの」「人」をむすぶことで、そのつながりは宇宙のように∞(無限大)に広がるはず…という世界観を作り、それをデザインに落とし込むため、相模原市のマスコットキャラクター「さがみん」(シルエットデザイン・ロゴ左下)が∞の形に結ばれた組みひもで宇宙まで想いを届けるようなデザインに仕上げました。

    相模原市シティプロモーションサイト「さがみはらむすび」のロゴマーク

    実は組みひもは相模原市の津久井地域を代表する伝統工芸品。そして、2つの星の付近に配置したのは、JAXA相模原キャンパスで開発・運用が行われている小惑星探査機「はやぶさ2」。このように、一貫して相模原市の特色をデザインに落とし込むことを意識しています。

    ちなみに「さがみはらむすび」のフォントは既存のものではありません。太さなど視認性の高さは残しつつ、宇宙や探査機などのメカニカルなイメージを加え、「むすび」で表現したい柔らかみが残るようなデザイン文字に仕上げました。
     
    ロゴマークをはじめ、サイト全体の基調カラーはくすみブルーで統一しています。青色といっても様々な青がありますが、ここ数年、若者の間でくすみ系カラーの流行が見られ、かつ相模原市のシティプロモーションのメインターゲットが20代から30代の若者であることを踏まえつつ、市がシティプロモーションの軸として掲げるテーマのひとつ「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」親和性も高いことから、この色を選択しました。

    (続く)

    ■ 相模原市シティプロモーション公式SNS一覧

    相模原市シティプロモーションのX(旧ツイッター、左)とInstagram(右)

    相模原市シティプロモーションのnote(左)とFacebook


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