《本連載の著者紹介》
相模原市 シティプロモーション戦略課 ブランディング戦略担当 主任
相模原市シティプロモーション公式SNS「中の人」
企画担当(兼)市公式SNS「相模原市シティプロモーション(@Sagamihara_PR)」運用者。2017年相模原市役所入庁。各種PR事業の企画、運営、ブランディングを担当する傍ら、市公式SNSを運用。過去には市の観光行事の開催支援や地場産スイーツの魅力発信事業、市公式観光ガイドブックの企画制作を担当。
相模原市シティプロモーションサイト「さがみはらむすび」と同時にリリースした「さがみはらチアリングパートナー」の『ノベルティキット』に込めたデザイン戦略と想いをお伝えする本シリーズのPart.3。今回は、同キットの専用ケースに入っているカード、ステッカーに込めた想いとデザイン戦略等について。キットを手にした人に「してもらいたい行動」を起こしてもらうための“仕掛け”とは?
1種類のカードと2種類のステッカー
さがみはらチアリングパートナー「ノベルティキット」の専用ケースを開くと、その中には1種類のカードと2種類のステッカーが入っています(下画像参照)。
◎証(あかし)カード
マットな質感で高級感を出し、長く持っていただけるよう紙を厚くしています。右上にロット番号を入れているのですが、実は「Lot 001」は初版限定。増刷する時には「Lot 002」にします。その時、いわゆる古参の方々が「私はLot 001で…」と話したくなるようなものにしたいという想いを込めました。
◎ステッカー(防水)
カードとステッカー、どちらもポイントカードと同じサイズにしています。最初は名刺サイズにしようと思ったのですが、名刺がお財布に入りにくかった経験から、ポイントカードと同じサイズにすれば、お財布にも名刺ケースにも入れてもらえると思い、このサイズを選択しました。このサイズのカードは幅広く流通しているので、お手持ちのカードのスリーブとしても、このステッカーを使っていただけるのではと思いました。
◎むすびステッカー(防水)
さがみんを大きくデザインしたこちらのステッカー。実は、お渡しする「あなた」が使うことをメインに想定したものではなく、「あなた」の身近な方やご友人に、「あなた」の「さがみはらチアリングパートナー」の活動のひとつとして相模原の魅力を広めていただきたくて作ったものになります。なので、2人用ということで、これだけは2枚入れています。
中身を全部裏返すと、実はここにもポイントがありまして、証(あかし)カード、カード型のステッカーには、それぞれが何であるかの説明を記載(下画像参照)。専用ケースにセットしていますが、いずれはカード、ステッカーをバラバラに保存することになったりすると思います。そのときに、「これなんだっけ?」とならないようそれぞれに記載しました。
「むすびステッカー」の裏面には、サイトを見た方が、サイトを通して「さがみはらチアリングパートナー」のお申し出をしてくれたら、と思い相模原市シティプロモーションサイト「さがみはらむすび」のことを大きく記載しました。
希望する企業・団体には「大判ステッカー」も
希望する企業や団体などには、掲出用の大判ステッカー(防水・A5サイズ)もお渡ししています(下画像参照)。
このサイズは、以前、相模原市が新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策にご協力いただいている市内事業者と市民の皆さんへの感謝と、経済の活性化に向けて実施した「さがみはらサンキューキャンペーン」(終了済み)の店舗掲出用ステッカーと同じサイズ。
当時この事業の広報担当もしており、このサイズが大きすぎず小さすぎず、事業者さんたちに好評だったので同じサイズにしました。また、もし以前のキャンペーンのステッカーを貼ったままの事業者さんがいたら、貼り替えてもらう機会にもなるかなと思いました。
あえて、派手に主張しないデザインとトーンにしていることから、お店の雰囲気を邪魔しない範囲で、「地域貢献してます」といったお店のPRも兼ねて活用いただけたらと考えています。
最後に
3回に渡って「さがみはらチアリングパートナー」のノベルティキットのデザインなどに込めた意味や制作のコンセプトなどについて紹介させていただきました。
以前の記事の繰り返しになりますが、きれいなデザイン、かっこいいデザインは無限にあると思っており、すべて正解だと思っています。しかしながら、最終的になぜそのデザインを選んだのかについて、私は、どんなに細かい点でも、担当者としての根拠があってしかるべきと思っています。なんとなくで終わらせず、「こう考えたのでこうしました」と胸を張って言える決定プロセスをこれからも心掛けていきたいと感じました。
連載のオファーをいただき、当時を振り返りながら執筆したことで、私自身が大切にしていたのもの、そして、これからも大切にしたいことが何なのか改めて気付くきっかけになりました。
この度は、本連載をご覧いただきありがとうございました。少しでも全国の自治体職員の皆さまに気付きがあり、少しでも担当される事業のお役に立てましたら、大変うれしく思います。
全国の自治体の事業がいっそう魅力的に展開されることを願っています。
ありがとうございました。
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