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自治体職員のための「心の運転方法」#13(寝屋川市 職員・岡元 譲史)
「ハァ忙しい…」はチャンスタイム!

そして今日も、バットを振り続ける

    プロフィール
    岡元 譲史
    《本連載の著者紹介》
    寝屋川市 職員
    岡元 譲史おかもと じょうじ
    寝屋川市 教育委員会事務局 社会教育推進課長。1983年生まれ。2006年に同市入庁後、12年間にわたり、様々な債権の滞納整理に従事し、市税滞納額70%(約25億円)削減に貢献。2024年より現職。「滞納整理に価値を見出して伝えることで、受講者の不安や葛藤を取り除く」という独自スタイルによる研修を全国で実施し、9年間で延べ6,300人が参加。受講者が給食費の滞納ゼロを達成するなど、すぐに使えて再現性の高いノウハウを伝えている。執筆に「滞納整理のための空地・空家対策」(『税』2018年2月号)など。「地方公務員が本当にすごい! と思う地方公務員アワード2018」受賞。プライベートでは2男児の父。PTA会長を務めるなど地域の活動も行う。2021年5月21日に『現場のプロがやさしく書いた 自治体の滞納整理術』(学陽書房)を刊行。同書の印税は「全額、寝屋川市の発展のために使う」としている。

    寝屋川市(大阪)職員の岡元 譲史さんが滞納整理というハードな仕事を通じて得た経験、気づきなどをシェアする本連載。今回は自身に起きた大きな環境変化を振り返りながら、激務や失敗でもショゲないよう自分をキープする心の運転方法について。重要な場面や激務をまかされている自分をまずはホメましょう!

    私に起きた大きな変化

    前回の更新から、なんと約1年半もの月日が流れてしまいました!

    個人的な感覚としては“一瞬”なのですが、この間の変化は非常に大きく、慌ただしい日々を過ごす中で、連載もストップしてしまった次第です。

    連載の再スタートは、私に起きた変化の内容を共有するところから始めましょうか。

    ふたつの部署が合併した新設課の課長就任で超多忙に!

    まず、前回の更新(2022年12月26日)後、2023年8月1日付けの人事異動で「青少年課長」となり、留守家庭児童会(学童保育)や青少年健全育成、成人式やPTA支援など、青少年まわりの事業を担当することになりました。

    初めての課長職かつ年度途中での異動ということもあり、対応に必死で「気がつけば年度が終わっていた」というのが正直な感想です。

    そして、この2024年4月1日からは新設された社会教育推進課の課長に就任しています。

    もともと課長をしていた「青少年課」と、同部内の別課であった「社会教育課」とが合併し、所管範囲も大きく広がりました。青少年まわりの仕事に加え、生涯学習をはじめとした社会教育分野の業務も担当しています。実に、「盛りだくさん」ですね(笑)

    1年以内に2回役職が変わり、対応する業務も増え、そのほとんどが未経験の分野(!)であるという状況に戸惑っておりますが、そんな僕の都合に関係なく、もちろん事業は進みます。「おいおい、戸惑っている暇なんかねぇぞ」とばかりに、日々ありとあらゆる角度からボールが飛んでくるわけですね。

    “その打席”に立てていることを誇っていいんです

    こういう、めちゃくちゃ忙しい時に僕が意識しているのは「バッターボックスに立ち続ける」ということ。今の、この必死でバットを振っている経験値が、自身を成長させてくれるのだという感覚を持つようにしています。

    「なかなか、こんな貴重な経験はできないぞ」
    「大変かもしれないけれど、誰でもこの打席に立てるわけじゃないんだぞ」
    という捉え方ですね。経験を積み、レベルが上がれば上がるほど、大事な打順・打席を任されるようになりますから。

    もちろん、打席に立ったからといっていつも期待に応えられるわけではありません。あの大谷選手だって10回打席に立ったら7回くらいは失敗するわけですし。だけど、たとえ大事な場面で三振しても、まずはその打席に立てていることを誇りたい。ベストを尽くしたなら、たとえ批判されたり非難されたりしてもいい。

    確かに自分では力不足だったかもしれない。けれど、それでもその打席を勝ち取ったのは、紛れもない自分の力です。どうしてもダメならスタメンから外されるだけだし、そうなったとしても、またイチから鍛えて打席を獲得すればいい。

    そして、打席を譲り合うきらいがある公務員の世界では、打席の種類に選り好みさえしなければ、自分が望めば望むだけ打席に立つことができるのではないかと思います。なので、僕は公私問わず、「とにかく打席に立ち続けること」を心がけてきました。

    スーパープレーを起こせることだって!

    打席の数が多いと、時にはとてつもない剛速球投手や変化球投手のような、誰もが嫌がる課題の対応を強いられたり、調子がいいのにベンチから犠打のサインを出されたりするなど不本意な打席もあるかもしれません。

    それどころか、『いやいや、この位置に立ったら、明らかにデッドボールでしょ』という、損な役回りを任ぜられる場面もあるかもしれない。けれど、それでも立つ。バットを振る。

    すると時々、「明らかな死球を、ホームランにする」みたいなスーパープレーも起こります(笑)

    打席に立ち続けることからスーパープレーが起きる!

    人からしたらマグレかもしれないし、「ラッキーやな!」と言われるわけですが、自分では分かっています。『バットを振り続けたから、こういう奇跡が起きたのだ』と。

    有り難い話で、この4月から打席の数が少なく見積もっても昨年度比で1.5倍になりましたので、奇跡が起きる確率も高まりました! まぁ、もちろんデッドボールの回数も増えてはいますけど(笑)

    心身の健康に気を付け、バットを振り続けたいと思います。


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    ■ 岡元 譲史さんの著書紹介

    『~現場のプロがやさしく書いた~自治体の滞納整理術』(学陽書房)の表紙カバー

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