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地域ケア会議の実践事例(東京都国分寺市)【自治体事例の教科書】

地域ケア会議の実践事例(東京都国分寺市)【自治体事例の教科書】

地域ケア会議の実践例として、本記事では東京都国分寺市を取り上げます。高齢者の独居世帯の増加などの課題を抱えていた同市で、どのような取り組みを実施したのか探っていきます。

【目次】
■自治体概要(人口、高齢化率、地域包括支援センター設置数等)
■状況と課題
■具体的な取り組み内容

自治体概要(人口、高齢化率、地域包括支援センター設置数等)

国分寺市は東京都の中央部に位置している、人口約11万人ほどの自治体です。小金井市や府中市、国立市、立川市、小平市などと接しています。鉄道各線が走り、国分寺駅は多摩地域の交通の要です。住宅都市の特徴があり、水と緑に恵まれた文化都市でもあります。

また、高齢化率は20パーセントほどになります。地域包括支援センターの設置数は直営が1ヶ所、委託が6ヶ所です。(平成25年10月現在)

状況と課題

国分寺市にはもともと農家が多く、住んでいる土地に基づく縁故関係(地縁)ができている地域でもあります。それらの影響もあり、一戸建て住宅が目立つ地域です。現在は新興住宅やマンションも増えてきています。

一方で、高齢者の独居世帯が多く、所得の高い高齢者層も多い傾向があります。市内は国分寺崖線があるため、坂道が多くなっていて高齢者が出かけるのも困難なケースがあります。

介護保険創設時、介護保険事業所等は整備されておりませんでした。そのため、自治体が直営で居宅介護支援事務所を運営し、地域包括センターも直営で設置。その後、委託型で設置していくという行政主導となっていました。複合的なニーズを抱えていた背景や、多くの機関、多くの部署と連携が必要なケースの増加を課題としています。

具体的な取り組み内容

国分寺市の地域ケア会議の目標は、各圏域の個別事例の積み重ねと圏域を広げていきながら共通の課題を発見することです。構成は、市町村レベルで開催される「地域ケア会議」を親会議として、「小地域ケア会議」「個別支援会議」があります。小地域ケア会議は日常生活圏域レベル、個別支援会議は個人レベルで開催するものです。

さらに、「地域ケア会議権利擁護部会」「地域ケア会議介護予防部会」「地域ケア会議医療介護連携部会」の3つの部会を専門レベルの会議として位置付けました。親会議の地域ケア会議との連携が図られています。各種地域ケア会議の特徴は以下の通りです。

●個別支援会議
主催:地域包括支援センター
開催頻度:随時開催
参加者:随時選定
目的:個別事例の課題解決
目標:個別事例の背景を検証、地域における共通課題の共有
成果:関係者のスキルアップ、個別事例の背景にある課題の共有
課題:個別課題の解決に向かう検討の積み上げ、個別支援会議の機能の整理
地域ケア会議との関係:個別支援会議からの報告を重要視

●小地域ケア会議
主催:地域包括支援センター
開催頻度:年3回開催
参加者:随時選定
目的・目標:地域ケア会議と連動したテーマなどについて、課題解決の検討と共有
成果:地域において類似課題が発見された際の対応の平常化
課題:センター間の連携強化、管理者中心ではなくどの職員が担当しても開催できる仕組みづくり

●地域ケア会議
主催:保険者(自治体)
開催頻度:年3回開催
参加者:固定(介護保険課などの部署、地域包括支援センター、医師会、社会福祉協議会など)
目的・目標:保健、医療、福祉の関係機関の連携強化、地域課題の解決、サービスの相互調整
成果:テーマについてそれぞれの立場からの豊富な意見が出た、共通認識の向上

●専門レベル地域ケア会議
主催:保険者(いずれの部門も)
開催頻度:年3回開催
参加者:固定
目的・目標:顔の見える関係づくり、各種被害を未然に防止するネットワーク構築、消費者被害・成年後見制度の情報等を伝達する体制作り
成果:「地域ケア会議権利擁護部会」により関係者の顔が見える横断的な連携体制が実現、高齢者の担当だけではなく他の庁内部署や他機関との事業企画・運営、協力体制の実現、地域包括支援センターが抱える課題解決に向け、参加機関に協力や助言を得る機会を創出

以上のように、国分寺市では各種地域ケア会議が開かれて連携することで地域包括ケアシステムの実現に動きました。

<参照元>
東京都国分寺市_第2章地域ケア会議の実践事例_(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link3-0-03.pdf)

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