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実費徴収に係る補足給付を行う事業・実施事例【自治体事例の教科書】

実費徴収に係る補足給付を行う事業・実施事例【自治体事例の教科書】

できる限り多くの子どもたちがしっかりと教育を受け、イベントなどにも参加できるように作られた実費徴収に係る補足給付を行う事業。対象となるものや条件が各地域によって異なりますが、積極的に取り入れる自治体が増えています。今回は本事業に取り組んでいる自治体において、どのようなものが対象となっているのか詳しく見てまいります。


【目次】
■東京都足立区
■埼玉県川口市
■岐阜県岐阜市
■愛知県春日井市
■埼玉県本庄市
■福島県福島市

東京都足立区

東京都足立区では保護者の世帯所得の状況などを踏まえて、特定教育や保育サービスを利用するにあたって保護者が支払う日用品や文房具その他の教育や保育に必要な物品の購入のために必要な費用、施設で実施される行事への参加に必要な費用などを助成しています。

この方策は平成27年度以降に行われており、量の見込みは令和2年度が1,129人、令和3年度が1,102人、令和4年度が1,073人、令和5年度が1,043人、令和6年度が1,014人です。確保策としては、幼稚園や保育所などに在園する子どもの保護者が、施設に対して支払うべき給食費や教材費等の実費の一部について、低所得世帯・多子世帯を対象に補助するものです。

埼玉県川口市

埼玉県川口市では幼稚園を利用する方を対象に、一定の条件に該当する場合に、幼稚園に支払う給食費のうち、副食費(おかず代等)部分に関して補助を実施しています。補助額は月額4,500円を上限に設定しました。ただし、月ごとに上限額と実際に支払った額(副食費分)を比較して少ないほうを実際の補助額とします。対象者となる要件は次のいずれかに該当することです。

年収360万円未満相当(同一世帯員の市民税所得割額の合計が77,101円未満)の世帯である場合が一つです。なお、未婚のひとり親の場合はこの条件に該当しなくても、補助の対象となるケースがあります。また、同一世帯内の小学校3年生以下の子どもについて、幼稚園を利用する子どもが第3子以降に該当する場合も補助対象です。補助を受けるには申請が必要となり、「川口市副食材料費に係る実費徴収補足給付事業費補助金交付申請書兼請求書」が用意されています。申請書兼請求書と領収証の写し(支払った給食費のうち副食費の額がわかるもの)を提出することが求められます。また、所得によって補助が受けられるケースについては、市民税所得割額がわかる書類(課税証明書等)も必要です。

岐阜県岐阜市

令和元年10月以前、3歳から5歳までの期間に保育所や認定こども園を利用する場合、副食費(おかず)は保育料に含まれ、主食費(ご飯やパン)のみ、保育料とは別に施設による徴収(保護者の負担)が必要でした。令和元年10月からの保育料無償化に伴い、3歳から5歳までの子どもについては副食費も施設徴収、つまり保護者負担となりました。そこで、岐阜県岐阜市では年収360万円未満相当の世帯や第3子以降となる場合に副食費の支払いを免除することとしました。支払いが免除となる対象者は、通園する施設を通じて案内しています。また、0歳から2歳までの子どもについては主食費・副食費とも保育料に含まれるため、免除の対象にはしていません。

愛知県春日井市

愛知県春日井市では実費徴収に係る補足給付を行う事業の一環として、一定の条件を満たす場合に給食費の減免を実施します。次のいずれかに該当する場合は、給食費のうち副食費が減免され、主食費のみの保護者負担となります。

保育園に通っている場合の減免対象
・保護者の市民税所得割額が57,700 円未満の世帯
・同一世帯で保育園・幼稚園等に在園している第3子以降の子ども
・ひとり親世帯等で対象保護者の市民税所得割額が 77,101円未満の世帯

幼稚園に通っている場合
・保護者の市民税所得割額が77,101円未満の世帯
・同一世帯で小学校3年生以下の子どもの中で第3子以降の子ども

これらの条件に該当する場合には、一定の申請・認定手続きを経て副食費の減免が実施されます。

埼玉県本庄市

幼稚園や保育所などを利用するにあたっては、施設により保育料の他に文房具や教材費など教育や保育に必要な費用や遠足などの行事に参加するための費用として保護者負担が生じることがあります。保護者の養育環境や家計状況などによって購入ができない、行事に参加できない子どもが出ないよう、保護者の世帯所得の状況などにより、保護者の負担軽減を図ることが必要です。

そこで、埼玉県本庄市では日用品・文房具等の購入費用、行事への参加費用の実費負担がある場合に、一定の条件を満たす方に補助を実施しています。補助金額は月額2,500円を上限とし、月ごとに施設に実費で支払った金額が対象です。給食費は補助の対象に含んでいません。補助の対象となるのは、次の条件を満たす人です。

認可保育所、認定こども園、地域型保育事業を行う事業所などに子どもが通園している市内在住者であり、生活保護世帯又は住民税非課税世帯のうち一定の条件を満たす世帯です。住民税非課税世帯に求められる一定の条件は以下の通りです。

・母子家庭及び父子家庭で現に児童を扶養している
・身体障害者手帳の交付を受けた人がいる世帯
・療育手帳の交付を受けた人がいる世帯
・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた人がいる世帯
・特別児童扶養手当の支給対象児がいる世帯
・障害基礎年金等の受給者がいる世帯

福島県福島市

福島県福島市では市内に在住する生活保護世帯(利用者負担額一覧表におけるA階層)などの世帯の子どもが認可保育施設や幼稚園で教育・保育を利用する際に、保護者の方が施設・事業所に支払う日用品、文房具などの購入費用や遠足など行事への参加費用など実費徴収費の一部を補助する事業を実施しています。また、幼稚園や認定こども園を利用の1号認定の方については、給食費のうち、副食材料費についてのみ補助が行われます。

1号認定の方の副食材料費については月あたり4,500 円×対象月数となり、年額 54,000円が補助対象です。また、1号・2号・3号認定の方の教材費・行事費等の補助額については、月2,500円を上限に対象月数分、年額で最大30,000円の補助が受けられます。なお、補助金の上限額より実費徴収費が低い場合には、実費徴収費が補足給付補助金の上限となります。

補助を受けるには事前の手続きが必要となり、福島市幼稚園・保育課で対応しています。福島市では保護者にわかりやすいよう、補足給付対象項目の具体例を掲げています。補足給付の対象となるのは園で使うスモック、帽子、制服・体操着などの着衣をはじめ、通園かばん類、ネームプレートや氏名ゴム印も対象です。教材や絵本、お道具箱、スケッチブック、粘土、画具、のり、ハサミ、出席帳など幼稚園や保育園などの授業において通常必要となる道具類や文房具などの購入費用も対象になります。また、観劇などの園外保育や行事の開催に関する費用、たとえば、動物園や遊園地などの入場料や演劇などの観劇料、会場まで移動する交通費も対象です。保険料などの共済掛金も補助対象となっています。ただし、補助の対象となる品目であっても、入園前に徴収される費用や保護者の方から販売業者へ直接支払いするものは補助の対象となりません。すなわち、福島市の場合は補助の対象品目につき、入園後に園などの通園施設に対して直接支払われた費用のみを補助対象としています。

なお、福島市では補足給付の対象とならないものの具体例についても紹介しています。3歳児以上の主食代をはじめ、延長保育料、一時預かり保育料は実費徴収に係る補足給付を行う事業における補助対象外です。入園式や卒園式、遠足や運動会などの記念写真やアルバム代、DVDの代金や保護者会の会費なども補助の対象にはなりません。

<参照元>
東京都足立区_足立区子ども・子育て支援事業計画_(https://www.city.adachi.tokyo.jp/kodomokate/ku/kuse/documents/zenpen.pdf
埼玉県川口市_川口市子ども・子育て支援事業計画_(https://www.city.kawaguchi.lg.jp/material/files/group/45/keikakusyo.pdf
岐阜県岐阜市_第4章子ども・子育て支援の取り組み _(https://www.city.gifu.lg.jp/secure/37712/4syou.xdw.pdf
愛知県春日井市_子ども・子育て支援制度について _(https://www.city.kasugai.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/562/siryou01_siennseidonituite.pdf
埼玉県本庄市_本庄市ホームページ_(http://www.city.honjo.lg.jp/soshiki/hoken/kosodate/tantoujouhou/1503455064250.html
福島県福島市_福島市ホームページ_(https://www.city.fukushima.fukushima.jp/youho-kyuufu/zippityousyuu.html

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