経済産業省が考える太陽光発電とは
太陽光発電は、これからの再生可能エネルギーを担うとして経済産業省が期待をかけている発電方法です。太陽発電の仕組みは、簡単にいうと、太陽の光をシリコン半導体などに当てることで電気に変換します。太陽光発電の導入は国内外で始まっていて、2016年度の日本における導入量は、3,910万kWと、ドイツや中国とともに、世界トップクラスの仲間入りをしています。
太陽光発電の主な特長
太陽光発電のエネルギー源は太陽光ですので、屋根や壁など、日の当たるところならどこでも設置できる利便性があります。この点も設置しやすさを後押ししています。山間部や離島など送電設備を設置しにくい遠隔地にも電気を送ることを可能にします。
FIT制度について
日本は2010年頃から太陽光発電の導入が増え始め、2012年に急増しています。その背景には、2009年11月に始まった『余剰電力買取制度』があります。
余剰電力買取制度は、太陽光発電を取り入れた住宅や事業所を対象に、電力会社が買い取るというもので、買取価格は政府が設定しました。余剰電力買取制度は2012年まで実施され、その後『固定価格買取制度(FIT制度)』に移行します。2009年から2019年までの10年間、固定価格での買取が行われました。
太陽光発電を導入することによって得られるメリット
太陽光発電を導入する家庭や事業所等には「売電収入」が発生することがメリットのひとつです。
固定価格買取は終了したものの、FIT制度自体は残っていますので、今後も利益を出すことは十分可能です。
自家発電した電気は使用可能であるため、光熱費を抑えることも可能です。太陽光発電に加えて蓄電池も設置しておくと、昼間は蓄電池にためた電気を使い、夜は電力会社の電気を使用するなど、使い分けができ、よりコストカットが望めます。
太陽パネルの寿命は、メーカーによって異なりますが、およそ17~20年といわれています。
太陽光発電を導入することによって生じるデメリット
設置することでメリットがたくさん得られる太陽光発電ですが、デメリットがないわけではありません。
たとえば、太陽光という自然エネルギーを使用している以上、発電量は天候によって左右されます。
また、太陽光発電を設置する際に初期費用がかかるほか、太陽パネルはメンテナンスが容易といっても、パネルや周辺機器の修理など、その都度メンテナンス費用がかかります。
太陽光発電の今後
太陽光発電のさらなる拡大を考慮した場合、天候によって発電出力が大きく変わるなどの課題を克服する必要が出てきます。こうした技術開発に加え、導入コストを抑える対策も重要です。
クリーンなエネルギーである太陽光は、個人レベルだけでなく、自治体レベル、そして政府レベルで利用が推進され、今後もますます需要が増えていくと考えられます。今後の流れに合わせた対応が、行政に求められます。
太陽光発電に対する自治体の取り組みは必須
太陽光発電は、メガソーラーに代表されるように、森林を伐採して設置されることもあります。山林や工業団地、ゴルフ場跡地など、立地条件によって災害のリスクや廃棄物の処理、動物の生態系への影響など考慮する必要が出てきます。環境レベルでの検討が必要になる場合、自治体は制度を整えておく必要があるでしょう。
一部では、太陽光発電事業をめぐる住民と事業者間のトラブルが起きています。メガソーラーの設置は、太陽光を効率よく得られるというメリットがありますが、景観保全や自然環境、安全性などの面でリスクが生じる可能性が出てきます。それを防ぐためにも、自治体の対応は不可欠です。
太陽光発電事業の活発化とともに、多くの自治体で、環境保全を目的とした条例が制定されました。その他ガイドラインを設置して、事業所に環境配慮を求めているケースもあります。