スポーツツーリズムとは
観光庁の「スポーツツーリズム推進基本方針」ではスポーツツーリズムを以下で規定しています。
「スポーツを『観る』『する』ための旅行そのものや周辺地域観光に加え、スポーツを『支える』人々との交流、あるいは生涯スポーツの観点からビジネスなどの多目的での旅行者に対し、旅行先の地域でも主体的にスポーツに親しむことのできる環境の整備、国際競技大会の招致・開催、合宿の招致も包含した、複合的でこれまでにない『豊かな旅行スタイ ルの創造』を目指すもの」。
日本には多種多様のスポーツが存在します。“観戦スポーツ”のプロ野球やプロサッカーのJリーグには多くの観客が集まり、“参加スポーツ”のマラソンなどのスポーツ・イベントも各地で盛況です。プロスポーツにしろスポーツイベントにしろ、いずれも地域密着型が多く、チームや大会の運営を地域の市民・行政が支援し、盛り上げ、地域を活性化しています。
次に、公益社団法人スポーツ健康産業団体連合会と一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構(JSTA)が主催しているスポーツ振興賞の第6回(平成30年7月)の受賞プロジェクトから、自治体主体で行われた事例を紹介し、スポーツツーリズムを活性化するポイントはなにかを探ります。
事例①【国際雪合戦】壮瞥町(北海道)
壮瞥町(北海道)は雪合戦を遊びから国際的なスポーツへと育てました。
同町で雪合戦の大会が始まったのは約30年前。最初は雪遊びの一環でしたが、スポーツとしての雪合戦は、いまや世界各地で大会が開催される国際スポーツになっています。連盟・支部が全国に設立されているだけではなく、海外にも支部があるほどです。
競技人口はグローバルに拡大しており、壮瞥町の大会には、カナダ・フィンランド・中国など海外からの参加者も年々増加し、観光業など地域活性化に貢献しています。
事例②【パトラン】宗像市(福岡県)
宗像市(福岡県)から始まった「パトラン」は、ランニングで町中パトロールをするという、マラソンと防犯パトロールが融合した社会貢献型のスポーツ振興イベントです。パトランの取り組みは、いまや全国規模で広がっています。
宗像市のパトランでは1班7名前後の班に別れて、スローペースでジョギングしながら各班が街をパトロールし、出会う地域住民の人たちに積極的に声をかけながらジョギングします。地域を見回り、住民に声をかけることが抑止力となり犯罪防止の役目を果たしています。
事例③【ふるさと納税を活用】近江八幡市(滋賀県)
いまや全国的な知名度を誇る「琵琶湖トライアスロン」(大会主催者は商工会議所と第 3 セクターが連携して設立した「びわ湖トライアスロン㏌近江八幡実行委員会」)の競技会場となる近江八幡市(滋賀県)は、同トライアスロン大会を特定目的事業に認定し、平成29年より「ふるさと納税」を活用したエントリーを開始しました。
琵琶湖トライアスロンは平成25年から民間の有志・団体・企業が協力して実現に向けて動き出しました。その後、地元企業代表や各種地元団体と連携して実行委員会を結成。平成27年に国内初の試みとなる完全民間団体のみでのトライアスロン大会として開催されました。
全国各地からトライアスロンのアスリートが集結し、参加する選手のみならず、応援に来る家族や関係者などを介して近江八幡と琵琶湖の魅力を全国に発信してもらえることから、地域経済の活性化につながっています。また、パラトライアスロンも開催し、全国初となるパラジュニアの部門も同時に開かれています。
観光・商工関連ソリューションまとめ
観光・商工関連のソリューションをまとめています。是非、参考にしてください。
<参照元>
観光庁 スポーツ観光
観光庁 スポーツツーリズム推進基本方針
公益社団法人スポーツ健康産業団体連合会 第6回スポーツ振興賞 等