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【特別鼎談】インターネットにおける 偽・誤情報対策
AI技術の向上によりますます問われる情報の判断力

立ち止まり考えることを促す機能で、誤解を招く情報の共有・拡散を防げる

[提供] ByteDance株式会社 / TikTok Japan
立ち止まり考えることを促す機能で、誤解を招く情報の共有・拡散を防げる
この記事の配信元
ByteDance株式会社 / TikTok Japan
ByteDance株式会社 / TikTok Japan

※下記は自治体通信 特別号(2024年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

インターネットにおける誹謗中傷対策に続いて、本企画ではインターネットの偽・誤情報対策について考えていきたい。ここでは、ネット教育アナリストであり、偽・誤情報問題にも詳しい尾花氏、映像クリエイターであり映画感想のコンテンツをTikTokにて発信しているしんのすけ氏、さらには引き続き、TikTok Japanの金子氏を交えた特別鼎談を実施。それぞれの立場から対策を話してもらった。

インタビュー
尾花 紀子
ネット教育アナリスト
尾花 紀子おばな のりこ
昭和36年、東京都生まれ。昭和59年に日本アイ・ビー・エム株式会社入社。平成17年より独立し、ICTリテラシーに関する現状を分析する「ネット教育アナリスト」として講演や監修、アドバイスなどを行っている。
インタビュー
しんのすけ
映像クリエイター
しんのすけ
昭和63年、京都府生まれ。平成23年に京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)を卒業後、東映京都撮影所などで映像作家としてのキャリアを積み、令和元年からTikTokで活動開始。映画レビュージャンルを開拓し、人気を集めている。
インタビュー
金子 陽子
TikTok Japan(ByteDance株式会社)
公共政策本部 政策渉外担当部長
金子 陽子かねこ ようこ

「面白ければ嘘でもいい」という考えが存在している

―インターネット上の偽・誤情報をめぐる状況について、尾花さんの見解を聞かせてください。

尾花 ひとつの例として、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの研究データによると、一定数の人がネット上で偽・誤情報に接触しており、その情報を「正しい」と判断する傾向にあることがうかがえます(下図参照)。この研究データがアンケート対象者をスクリーニングしていることを前提として考えても、偽・誤情報が人に与える影響は大きいと捉える判断材料になるでしょう。近年はAI技術も飛躍的に進化しているため、情報に対する真偽の判断がより難しくなっており、今後は特に「ネット社会」を支えていく若者世代へのケアが重要になってくるだろうと考えています。

―しんのすけさんはどのような見解を持っていますか。

しんのすけ 偽・誤情報が拡散する背景として、悪意というより「面白ければ別に嘘でもいい」という考えがネット上で存在しているのだと思います。若い人ほどその傾向があると感じますね。また、誇張したほうが単純に情報として面白くて「バズりやすい」のも問題です。結果、誇張と偽・誤情報の線引きが限りなくあいまいになっているのだと思います。

パートナーと連携し、チェック機能を強化

―金子さんは、プラットフォーム事業者の立場として偽・誤情報をどのようにとらえていますか。

金子 「インターネットは無法地帯だ」といった言葉を聞くこともありますが、そうではないことを知ってもらいたいですね。TikTokには「コミュニティガイドライン」があり、利用するうえで守らなければならないルールを明記しています。そこでは、災害・医療・気候変動・科学・選挙など個人や社会に対して重大な影響を及ぼしうる偽・誤情報の投稿を禁止しています。情報の真偽を確認するために、50以上の言語をサポートする18のファクトチェックパートナーと提携しています。とはいえ「これはフィクションだ」とユーザーが理解したうえで、情報を楽しむ自由もあります。そのため、TikTokではユーザー自身が情報の信頼性について考えることを促す機能も提供しています。

―どのような機能でしょう。

金子 まずは、注意喚起を促すラベルの表示機能です。審査で最終的に正確なものかを検証できない場合、コンテンツに「信ぴょう性が低い」旨を記載した注意喚起のラベルが表示されるのです。また、ユーザーがその情報を他者に共有しようとした際、「本当にこの動画をシェアしますか」と通知し、シェアする前に考えることを促すほか、最初にコンテンツを制作した投稿者には、「信ぴょう性の低いコンテンツ」としてラベルが表示されたことが通知される仕組みです。さらに、誤解を招く可能性のある情報の拡散を防ぐために、事実関係の確認ができないコンテンツを「おすすめ」フィードに載せない場合もあります。

 さらに、AIが生成したコンテンツに対するラベル付けの推奨も行っています。これはクリエイターが「AI生成」とコンテンツにラベル付けを行い、そのコンテンツがAIによって生成されたものであることをコミュニティに通知できる機能です。昨年TikTokで新しく提供開始したもので、動画プラットフォームとしては初めての試み*でした。

*初めての試み : TikTok Japan調べ

立ち止まって情報の真偽を、判断することが重要

―尾花さんとしんのすけさんは、TikTokのこのような機能をいかに評価しますか。

尾花 そもそも投稿や拡散をする際、多くの方々は「これって偽・誤情報かも」などといちいち疑ったり深く考えたりはしないはず。ですから、情報の真偽を判断するきっかけを提供する仕組みはとても役立つと思います。

しんのすけ 私も、情報が本当かどうかの判断材料を提供することは大切だと思います。以前、大きな地震が起こった際、「これは人工地震だ」という偽情報が拡散されました。その際、学習系のコンテンツを制作している友人のクリエイターが普段投稿しているように「人工地震というのはありえない」と理路整然と伝えることで、ある程度収まったんです。第三者が根拠のある発信をすることで「むやみやたらと信じたらいけないんだな」とユーザーが立ち止まって判断することは重要でしょうね。

各関係者の協力を仰ぎながら、対策を考えていきたい

―尾花さんは今後どのような偽・誤情報対策を行っていけばいいと考えますか。

尾花 ユーザーが自ら情報発信・拡散する前に「この情報は偽・誤情報かもしれない」という「気づき」を与えることが重要です。また、自分が発信した情報を誰かが勝手に加工し拡散させるケースも起こりえます。その場合、元の投稿がなければ加工を暴く手段がなくなるので、安易に消さずプラットフォーム上に残すほうが安全。このような時代に添った新たな対策を青少年が知るためには、学校教育のなかで繰り返し学ばせることが重要です。さらに、「AI生成」ラベル付きコンテンツを「この人の技術とセンスはすごい」と評価するような文化が根づけば、ラベルがプラスに働くでしょう。

―しんのすけさんの意見はいかがでしょう。

しんのすけ 後に炎上することを防ぐためにも「バズれば多少嘘でもいい」ではなく、真実を発信したほうがいいことを投稿者に知ってほしいですね。また、私はSF映画が好きなのですが、そんな映像制作が今の技術なら誰でも可能だということをインプットしておけば「これは加工映像かもしれない」という判断ができます。さらに、「人工地震」の事例のように「この情報ならこの人に聞けばいい」と、各分野のクリエイターをプラットフォームなどが選出するのも1つの手だと思います。

―金子さんは2人の話を聞いていかがでしょう。

金子 プラットフォーム事業者も機能開発や啓発活動を通じ、ユーザーが信頼できる情報に触れる機会を増やしたり、ユーザーが立ち止まって情報の信頼性を判断したりできる環境をつくることが重要だと思います。これからも、関係者のみなさまと連携して偽・誤情報への対策を進めたいと思います。

尾花氏、しんのすけ氏が提言
偽・誤情報への対策法

ユーザーが情報発信・拡散する前に「この情報は偽・誤情報かもしれない」という「気づき」を与えることが重要。

「ネット上に元データがあれば加工は暴ける」というような時代に添った対策を、学校教育のなかで繰り返し学ばせる必要がある。

「AI生成」ラベル付きコンテンツを目にして、「この人の技術とセンスはすごい」と評価するような文化が根づけばいい。

「バズれば多少嘘でもいい」ではなく、本当のことを発信したほうがいいということを投稿者に知ってほしい。

たとえばSF映画のような映像制作が、今の技術なら誰でも可能であることを あらかじめインプットしておくべき。

「この情報ならこの人に聞けばいい」など、各分野のクリエイターを選出しておくのもひとつの手段。

ByteDance株式会社 / TikTok Japan
ByteDance株式会社 / TikTok Japan
設立

平成28年8月

事業内容

ショートムービープラットフォームTikTokの運営、B2B製品の事業展開

URL

https://www.bytedance.com/ja/

サービスURL

https://www.tiktok.com/

お問い合わせ先
jpn_gr@bytedance.com
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