- 株式会社愛媛CATV様
- 商品・サービス:エリアデータ利活用サービス
KEY POINTS
●民間主導によるスマートシティの推進
●汎用性と共有性に着目
株式会社愛媛CATVは、令和4年度の総務省のスマートシティ推進事業※1に採択され、ローカル5Gや画像AIの先進ICT・IoT技術を用いたスマートシティプラットフォームを構築した。
地域密着のケーブルテレビ事業者として、地域のにぎわい創出や生産性向上、地域DXの推進による地域活性化に取り組んでいる。このたびのシステム構築の背景と経緯・特長等について、愛媛CATV 専務取締役 白石成人様にお話をうかがった。(文中敬称略)
※1:総務省「令和4年度 地域課題解決のためのスマートシティ推進事業」
地域密着のケーブルテレビ事業者の役割
─貴社についてご紹介ください。
白石:弊社は、愛媛県松山市と近隣市町ならびに愛南町をサービスエリアとしたケーブルテレビ局です。総延長約7,100kmに及ぶ伝送路を敷設し、自主制作の地域情報番組や多チャンネル放送、 高速インターネット、固定電話サービスなどのほか、MVNOサービスを合わせて約16万世帯の皆様に提供しています。
また、地域のDXを推進するため、地域内外の様々な事業者と連携をさせていただいており、インテック社とも2021年に協業させていただきました。
─貴社は 4.7GHz 帯ローカル5Gを先駆的に活用されていますが背景を教えてください。
白石:ケーブルテレビ事業者は、各地域における通信インフラ事業者として、地域にお住まいの方々に有益な情報をお届けできるよう、地域コンテンツの拡充や光回線や地域BWA等、各通信インフラを整備してきました。ローカル5Gは、これまで以上により詳細な情報を地域の関係者で共有できる技術であるため、地域での活用を推進しています。
─今回、総務省のスマートシティ推進事業への応募に至ったきっかけをあらためて教えてください。
白石:各地域では、労働人口が減少することで、様々なサービスの維持・存続が難しくなってきています。サービスを維持・存続するためには、より少ない人員でサービスを提供できる仕組みが必要になります。我々は、地域内の様々なロケーションに点在している「人」や「車」に着目しました。「人」や「車」などの状況は、現場に足を運ばないと分かりません。これを離れたところからリアルタイムに把握できる仕組みがあれば、情報連携の手間暇が解消され、サービスの維持に貢献できると考えました。このような仕組みを構築するため、総務省事業の力添えをいただくととしました。
─地域におけるスマートシティ推進の課題は何でしょうか。
白石:従来のパブリックデータの公開・流通を主目的とするスマートシティでは、運営者側の負担が大きく継続することが困難でした。継続的に推進するためには地域のステークホルダーが自律的にDXに取り組むことができる、受益者負担型のビジネスモデルを想定した仕組みづくりが重要と考えております。
民間主導によるスマートシティの推進
課題:推進における座組作り
─今回の総務省事業※前述 におけるシステム構築パートナーに、インテックを選んでいただいた背景ですが、スマートシティ推進に向けて、どのような課題を抱えていましたか。
白石:弊社は地域内での無線サービスをはじめとする通信インフラに強みを持っていますが、ICT構築する上で通信インフラだけではなく、上位のアプリケーションまで視野に入れたICTを構築できるパートナーが必要であると考えました。
─そこでインテックにご相談をいただいたわけですね。
白石:はい、その通りです。インテック社の幅広い知見や技術力、富山をはじめとするスマートシティ分野の取り組み実績に着目しました。特に各地域の「維持費」の課題についても、スモールスタートにより各地域が本当に求める課題に優先して対応している点を高く評価しました。
POINT:多くの利用者が共同利用できる
─今回、工夫されたポイントはどのような点でしょうか。
白石:地域の多くの方々に様々なシチュエーションで、利用していただけるよう「汎用性」と「共有性」を考慮した仕組みとしました。
汎用性とは、画像AI技術を用いることで「視覚」をデータ化することができ、これまで高価な専用センサーでしか実現できなかった情報を取得することができます。そのため、既設のカメラや量販店で購入可能なWebカメラで代替することができ、様々なロケーションで設置し利用できるようになります。
共有性とは、地域の情報を流通させて広域に活用するために、国が定めるアーキテクチャに準拠した仕様としました。汎用性と共有性により安価にシステム構築が可能となり、費用対効果に優れた仕組みにすることができました。
【システム構成イメージ図】
効果:様々な用途に活用
─構築したシステムについて、どのような成果がありましたか。
白石:今回構築したシステムは、商店街や商業施設、観光地、工場など様々な場所で有効活用できることを確認しました。汎用的なカメラにおいても、AI画像解析を行い、リアルタイムな情報が取得できることにより、各現場での課題解決につながることが確認できました。今後はさらに地域内での利用者を増やしていきたいと考えています。
─具体的には、今後どのような活用を考えていますか。
白石:現在企画しているものは、収集した地域の情報を弊社が提供するケーブルテレビの専用チャンネルで、地域住民に公開していきたいと考えています。例えば、商店街や観光地の人流情報や駐車場の満空車情報・混雑状況などです。地域住民へ情報提供することで日々の生活や行動への気づきに活用してもらいたいと考えています。また、地域の民間事業者と連携し、専用チャンネルでの企業PRやCMの配信なども想定しています。弊社としても配信に伴う広告収入や、ケーブルテレビ事業としての付加価値の向上に繋がるなど、地域住民・地域民間事業者・弊社の三方良しとなる活用を企画しております。
産学官民が一体となって地域DXを推進
─今後、貴社の目指す地域DXについて教えてください。
白石:都市部や大都市圏への人口集中が長年続いた結果、地方の人口減少・高齢化は進み、各種格差や産業・交通インフラの衰退などの様々な問題が顕在化しています。これらの問題解決に向けては、地域内の資源を有効活用し、地域の産学官民が一体となった取り組みが不可欠です。
弊社は通信インフラとコンテンツの両方の知見を活かし、愛媛県内のにぎわいの創出、生産性向上など、地域DXの担い手として地域活性化に貢献することを目指します。
インテック社には、今後とも永く弊社のパートナーとしてビジネスを支えてくれることを期待しています。
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