2024年8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生したことを受け、気象庁は同日、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。臨時情報は南海トラフ地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると判断された際に出されるもので、政府が運用を開始してから初めての発表となりました。お盆休みの期間と重なったこともあり、企業や自治体では対応に追われました。8月15日に特別な注意の呼び掛けは終了しましたが、平時の備えや事前対策の重要性が改めて浮き彫りとなりました。MS&ADインターリスク総研では、巨大地震を含む自然災害リスクに備えるコンサルティングメニューを取りそろえており、企業や自治体の対策取組を支援することができます。
初の臨時情報
内閣府によると、臨時情報の発表の際は状況に応じて「キーワード」が付記されます。キーワードは専門家でつくる南海トラフ地震の評価検討会の調査結果を受けて決定されるもので、初の発表となった今回は「(巨大地震注意)」が付記されました。巨大地震注意が付記された場合の対応として、事前避難は伴わないものの、日頃からの地震への備えを再確認することと、地震発生時にはすぐに避難できる準備をすることが例示されています。
一方、南海トラフ沿いの想定震源域内のプレート境界でマグニチュード8.0以上の地震が発生する等した場合、キーワードには「(巨大地震警戒)」が付記されることになります。巨大地震警戒となった場合の対応として、巨大地震注意と同様、備えの再確認や避難準備に加え、地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民は1週間の事前避難を行う必要があるとされています。
こうした臨時情報に関し、内閣府が2023年に実施したアンケートでは、「知っている」と回答したのは被害想定地域の住民のうち28.7%で、認知度の低さが指摘されていました。
企業・自治体の対応
では、初の発表となった今回の臨時情報に対し、企業や自治体はどのような対応をしたのでしょうか。電力会社では本店に南海トラフ地震対策総本部、被害発生の恐れのある地域の支社、支店に対策本部を設置して緊急時の対応を確認する動きや、平時よりも待機要員を強化する動きがみられました。鉄道会社では一時的に特急列車の運転を取りやめたり、速度を落として運行したりする対策が行われました。一方、自治体では、お盆休みの期間で多くの観光客が予想される中、海水浴場を閉鎖する等の対応が講じられたほか、避難所を開設するところもありました。初の臨時情報の発表となったものの、事前準備等に基づいて迅速な対策を講じる企業、自治体もみられました。
ただ、臨時情報に対する計画や準備が十分ではない企業や自治体があることも懸念されています。特に中小企業では対策が遅れていることが危惧されます。今回の臨時情報に伴う注意の呼び掛けは終了しましたが、南海トラフ地震の可能性がなくなるわけではありません。今回の発表を受け、事前の対策取組をより一層進めることが求められると言えそうです。
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