デジタル技術の発展に伴い、地方自治体にもデジタル化の波が広がっています。
デジタル庁が推進するデジタル田園都市国家構想推進交付金(デジ田交付金)は、自治体におけるデジタル実装を支援し、地域の課題解決や魅力向上を図るための重要な助成制度です。この記事では、先日発表された採択結果「デジタル田園都市国家構想交付金 デジタル実装タイプの採択結果について」を紐解き、デジ田交付金制度を有効に活用して事業を成功させるためのポイントを解説します。
採択結果の概要と具体例
下のグラフは、令和3年度から5年度までのデジ田交付金デジタル実装タイプの採択件数を表したものです。令和3年度は500件ほどだった採択事業は、令和4年度は3倍以上、令和5年度は約5倍に伸びており、デジタル化の取組は着実に広がっています。
TYPE1の取組として、令和5年度は2,401件もの事業が採択されました。その事業分野のうち、最も多いのは「行政サービス」です。窓口入力支援システムやオンライン申請、コンビニ交付等、住民の利便性向上に資するデジタルを活用した行政サービス改善の取組が該当し、781件が採択されました。これまで紙ベースで非効率的だった手続きや業務をデジタル化することで、来庁を不要にしたり業務の効率化を図ることができ、住民、職員ともにデジタル化の恩恵を享受できる取組です。
次いで多いのは「住民サービス」です。SNS等を活用した住民等向けポータルによる情報発信、公共施設のオンライン予約やスマートロック等、地域の暮らしを便利にする、デジタルを活用した住民サービス提供の取組が該当し、令和5年度は計403事業が採択されました。その中でも「公共施設利便性向上」の取組は計121事業が採択されています。その背景には、対面での手続きが必要とされる従来の公共施設の運用方法が多くの自治体にとって課題として認識されていることに加え、優良モデルとなるような先進事例が豊富にあるといった点が挙げられます。
公共施設利便性向上のための事業とは
ここから、「公共施設利便性向上」のための事業についてご説明します。
公民館や集会所、学校体育館や社会体育施設などの公共施設の貸し出しは、これまで窓口や管理人に電話などで空き情報を問い合わせ、支払いや鍵の受け渡しのために窓口に出向かなければならないなど、管理者も利用者も時間と手間がかかる運用が一般的でした。予約システムやスマートロックを導入して公共施設管理をDX化することで、いつでもどこでもオンラインで予約や決済ができるようになるとともに、鍵の受け渡しを自動化し、利用者は便利に、管理者は効率的に施設の貸し借りを行えるようになります。
ご参考までに、デジタル庁が発行した採択事例集に掲載された公共施設利便性向上に関する課題や効果、およびサービス概要を以下にご紹介します。
上の図にあるように、公共施設の利便性向上を図ることで、住民サービスの向上はもちろん、自治体職員や施設管理者の業務効率化を実現することができます。
事業成功のためのポイントと成功事例
では、取組を実施するにあたり、留意すべき点やポイントは何でしょうか。
上の図には、主なKPIとして「予約システムの導入施設数」「オンライン予約の利用件数」「スマートロックの整備件数」「施設利用者の満足度」が挙げられています。これらのKPIは、自治体の規模や施政方針、施設の利用状況その他公共施設を取り巻く状況を把握し、各自治体様ごとに検討する必要があります。過去に成功を収めた自治体様の例を振り返ると、スモールスタートで事業に取り組み、効果を確認した上で導入を本格化し、運用効果の最大化を図る、といったアプローチを取られている傾向がうかがえます。
スモールスタートで効果を検証するためにオススメなのが「実証実験」です。
新しい技術やシステムの導入を試験的に行う実証実験は、地域の課題解決やサービスの向上を図ることができる有用なアプローチで、以下のメリットが挙げられます。
<実証実験のメリット>
・課題解決:地域特有の問題をデジタル技術や新しい手法で解決する。
・効果検証:新しい技術やシステムの有効性を確認する。
・リスク低減:本格導入前に潜在的な問題点を発見し、リスクを低減する。
構造計画研究所では、予約システムおよびスマートロック製品本体を無償提供し*、施設予約管理のオンライン化や入室管理の自動化を試験的に導入いただける実証実験を行っています。
*ドアへの取付施工費、現地調査や設置日程の施工調整等、弊社以外の業者様にお支払いいただく費用は自治体様でご負担ください。
実証実験の枠組みを利用し、モデルケースとして数カ所の施設を対象に予約システムおよびスマートロックを試験導入することで、運用上の課題が明確になるとともに、本格導入に向けたデータや知見を得ることができ、成功への道筋を描くことができます。
実際に弊社とともに実証実験を行い、その後本格導入をされた自治体の声を以下にご紹介します。
●RemoteLOCKを活用した、「地域に根付く」公共施設管理のスマート化 ―佐賀県有田町の官民連携から見る、自治体DXの進め方とは?―
「いきなり全施設で本格運用となると、予算面でもハードルが高く住民の方々の理解も得られにくい。まずはスモールスタートで実証実験という形から始めてみようと。ただ、課題が明確だったのでうまくいく確信はありました」(本文より)詳細を読む
●DXで住民の利便性アップと省力化を実現。茨城県小美玉市 公共施設の予約・貸出をオンライン化
「実施前は、色々な方が使う施設なので高齢の方も扱えるかという不安をもっていましたが、いざ実証実験が始まってみれば杞憂におわり、予約を含めてスムーズに使って頂けました。また、マンモス校の利用で、管理者側の学校の先生方の負担を大きく減らせたことも、横展開検討時の後押しになりました」(本文より)詳細を読む
実証実験の詳細はこちらからご確認いただけます。
【2024年度自治体向け実証実験モニター募集】無償で施設管理のスマート化を実現できる、まちかぎリモート&RemoteLOCK
まとめ
デジタル技術の発展は地方自治体にも大きな変革をもたらしています。デジタル庁が推進するデジ田交付金は、地方のデジタル実装を支援し、地域課題の解決や魅力向上を目指すための重要な資金源です。
令和5年度のデジ田交付金事業として、121件の公共施設利便性向上のための事業が採択されました。予約システムやスマートロックを導入して施設管理をDX化することで、住民の利便性を高め、自治体職員の業務効率化を実現できます。
事業成功のためには、実証実験の枠組みを利用し、スモールスタートで事業の効果を検証してリスクを低減しながら本格導入に向けた準備を進めるアプローチが有効です。実証実験を通じて比較的小さな規模で事業を実際に行い検証することで、地域特有の課題を解決し、本格導入成功の道筋を描くことができます。
公共施設の利便性向上に関する実証実験の詳細に関しては、下記までお問い合わせください。
お問い合わせ先
株式会社構造計画研究所
RemoteLOCK 自治体マーケティング担当
TEL: 050-1807-1888
E-mail: remotelock-lgsales@kke.co.jp
ウェブサイト:https://remotelock.kke.co.jp/case/public-facilities/
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