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書類の電子化に伴うPDFの利活用

行政文書の急速な電子化を見すえ、適切なPDFの利用環境を整備せよ

[提供] 株式会社スカイコム
行政文書の急速な電子化を見すえ、適切なPDFの利用環境を整備せよ
この記事の配信元
株式会社スカイコム
株式会社スカイコム

民間企業の取り組み

書類の電子化に伴うPDFの利活用

行政文書の急速な電子化を見すえ、適切なPDFの利用環境を整備せよ

株式会社スカイコム
営業本部 営業部 統括部長 國井 武
営業本部 広報部 部長 東 英樹
[提供] 株式会社スカイコム

※下記は自治体通信 Vol.42(2022年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

住民サービスの向上や職員の業務効率化を図るべく、行政では書類の電子化が進められている。そうしたなか、PDF関連の製品・サービスを広く提供するスカイコムの國井氏は、「自治体はPDFを安心・安全に活用できる体制を早急に整える必要がある」と指摘する。書類の電子化に伴い、なぜPDFの環境を整備する必要があるのか。同社の東氏も交えて詳細を聞いた。

株式会社スカイコム
営業本部 営業部 統括部長
國井 武 くにい たけし
株式会社スカイコム
営業本部 広報部 部長
東 英樹 あずま ひでき

行政文書のフォーマットには、PDFが採用される見込み

―行政文書の電子化をめぐる状況について教えてください。

國井 昨年7月には総務省が「自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書」を公表するなど、国をあげて推進しており、自治体においても急速に進んでいます。たとえば、住民からの行政への各種申請にかかわる部分については、すでに電子化がかなり進められています。それにくわえて、官庁・自治体が交付する文書についても電子化を進めようとする動きが始まろうとしているのが、現在の状況です。

―なぜ行政の交付文書の電子化が進められているのでしょう。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止と新たな生活様式の確立のために、行政手続きにおける書面規制および押印、対面規制についての抜本的な見直しが急務となっているからです。近いうちに、行政による交付文書の電子化に関するガイドラインがデジタル庁から公表される見込みですが、そのなかに交付文書はPDFで作成するという規定が盛り込まれると、我々は予想しています。そのため、すべての自治体が、PDFを用いて書類の確認や作成、交付を安心・安全に行うことができる体制を一刻も早く整備する必要に迫られることになるでしょう。

電子署名やタイムスタンプを、内部に格納して真正性を証明

―PDFが電子交付のフォーマットに選ばれると考える理由はなんですか。

國井 まず、書類が作成された当時のままであることを保証する仕組みとして、電子署名やタイムスタンプ*1を付与する必要があるのですが、PDFではそれらをファイルの内部に格納する形で付与できるからです。MicrosoftのWordやExcelでも電子署名やタイムスタンプの付与は可能ですが、ファイル内に格納できないので、電子署名やタイムスタンプのファイルを別途管理する必要があります。そのため、改ざん検知と真正性の証明については、PDFのほうが利便性と確実性の観点で勝ります。

 PDFは、平成20年にISO規格となったことで将来にわたって安心して利用できる電子文書フォーマットとなり、国内外・官民問わず、さまざまな分野での利用が加速しています。たとえば、すでに茨城県はPDFに電子署名とタイムスタンプを付与する形で、知事名の文書の電子交付を行っています。なお、PDFの閲覧や編集のためのソフトウェアは数多くありますが、今後自治体は、特に安心・安全に利活用できる製品の導入・利用を検討する必要があると考えます。

―PDFソフトウェアを選ぶ際のポイントはなんでしょうか。

國井 第一に、PDFの最新のISO規格「ISO32000-2」に準拠した作成・編集ができるソフトウェアを使用することです。その理由は、ISOに準拠していないDriver*2で作成されたPDFファイルは、Viewer*3によって適切に表示されない可能性があること。さらに、ファイル編集や電子署名の付与を行った際にデータが破損したり、ファイルを開けなくなったりするリスクがあるからです。ただし、「ISO32000-2」に準拠していたとしても、ソフトウェアが情報セキュリティ面にリスクを抱えているケースが存在します。

―どのようなリスクが存在するのでしょう。

國井 「ISO32000-2」ではJavaScriptやFlashの動作などを許容していますが、これがセキュリティホールになり、PDFファイルを開くと悪意のあるプログラムが起動し、使用端末がウイルスに感染するリスクがあることを理解しておく必要があります。

―ほかに注意するべきことはありますか。

 行政文書を電子交付する際は、真正性を担保するために「政府認証基盤(GPKI)」もしくは「地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)」の認証を得る必要があるという点です。我々が提供するPDFソフトウェア『SkyPDF』ならば、「ISO32000-2」に準拠しながら、セキュリティの脆弱性がある機能を徹底的に排除しつつ、「GPKI」および「LGPKI」に対応。つまり、これまでに示した3つのポイントを満たしているのです。

國井 また、行政にて電子交付される文書のPDFファイルには、「PDF/A」の適用が標準化されることと思います。「PDF/A」は、ISOのなかでも長期保存に特化した規格で、環境に依存せずつねに正しい表示になるよう、フォントの埋め込みや暗号化の禁止などが定められています。「PDF/A」には複数の種類があり、最新のISO規格をベースとして定義されているのが「PDF/A-4」です。今後日本において、行政文書に使用される「長期署名(PAdES)」は「PDF/A-4」が前提となるでしょう。なお当社は、他メーカーに先駆けていち早く『SkyPDF』を「PDF/A-4」対応としました。

純国産メーカーならではの、柔軟・迅速な対応で信頼獲得

―そのほかに特徴があれば教えてください。

國井 問い合わせへの素早い対応を含め、導入後も国内のメーカーならではの近い距離感でサポートできる点です。その理由は、当社がPDFのコアとなるViewer、Driver、SDK*4のすべてに関する技術を有しているからです。たとえば、修正に時間がかかる不具合が起こった場合でも、社内で検証を行い、迅速に一時的な対処方法をお伝えすることができます。PDFに関する技術を網羅した純国産メーカーとしての信頼感があるからこそ、民間だけでなく行政でも、さまざまな場面で利用されているのです。

―どのようなシーンで使われているのでしょうか。

 たとえば、確定申告などを行える「国税連携Viewer」や、住民票などをコンビニで取得できる「コンビニ交付システム」、災害発生時の業務を支援する「被災者支援システム」などに『SkyPDF』の技術を採用いただいています。くわえて、当社では行政文書の電子交付が普及した際にかかる住民の負担を軽減するサービスの提供にも取り組んでいます。

行政文書の電子交付普及には、PDFの検証サービスが必須

―どのようなサービスでしょう。

國井 自治体から交付文書をPDFファイルで受け取った住民は、そこに付与された署名の真正性を自分で検証する必要があります。しかし、検証には、専用ソフトウェアをインストールしたり、パソコンに煩雑な設定が必要だったりして非常に手間がかかります。そもそも、一定のITリテラシーがなければ、検証自体が困難です。そこで、我々は電子署名やタイムスタンプの検証をWeb上で手軽に行うことができる『SkyPDF 検証サービス』を用意しました。

―具体的に教えてください。

 サービスサイトにアクセスし、検証したいPDFファイルをそのサイト上でドラッグ&ドロップすれば、すぐに検証結果が表示されるというサービスです。アカウント登録やアプリのインストールは不要で、だれでも無料で使えます。また、利用時にアップロードしたPDFファイルは閲覧終了後に自動で削除されるので、情報セキュリティの面でも安心です。こういった検証サービスを活用すれば、住民が安心して行政文書の電子交付を利用できるだけでなく、自治体への問い合わせが減り、職員の負担軽減にもつながるでしょう。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

國井 住民から自治体への各種申請手続きの電子化は進み始めていますが、自治体から住民への通知や受領確認などの電子化についてはこれからです。まずは、これをしっかり支援していきます。くわえて新たな住民サービスや自治体業務の仕組みを生み出すための実証実験などにも積極的に協力していきたいと考えており、その実績も多数あります。我々がどういった支援ができるかを知ってもらうためにも、まずは気軽にご相談いただきたいです。

國井 武 (くにい たけし) プロフィール
昭和38年、神奈川県生まれ。医療システム会社、大手SIerを経て、平成17年に株式会社スカイコムに入社。平成30年より現職。
東 英樹 (あずま ひでき) プロフィール
昭和46年、北海道生まれ。平成25年に株式会社スカイコムに入社。営業推進部 部長を経て、令和2年より現職。

株式会社スカイコム
設立 平成9年6月
資本金 1億円
従業員数 80人
事業内容 ソフトウェアプロダクトの開発・販売(SkyPDFシリーズ/SkyAgentシリーズ/SkyPASシリーズ)、システムインテグレーション、コンサルティング、保守サービス
URL https://www.skycom.jp/
お問い合わせ電話番号 03-5289-0788 (平日 9:00~17:30)
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*1:※タイムスタンプ : 刻印されている時刻以前にその電子文書が存在していたことと、その時刻以降に当該文書が改ざんされていないことを証明するもの

*2:※Driver : PDFファイルを作成する仮想プリンタドライバー

*3:※Viewer: PDFファイルを閲覧・編集するソフトウェア

*4:※SDK : 「Software Development Kit」の略で、特定のソフトウェアを開発する際に必要なプログラムや技術文書をまとめたソフトウェア開発キット

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