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民間企業の取り組み
J‐クレジット制度の活用

森林・林業DXで地域の資源を甦らせ、新たな価値「J‐クレジット」の創出を

[提供] 株式会社地域創生Coデザイン研究所
森林・林業DXで地域の資源を甦らせ、新たな価値「J‐クレジット」の創出を
この記事の配信元
株式会社地域創生Coデザイン研究所
株式会社地域創生Coデザイン研究所

※下記は自治体通信 Vol.56(2024年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、各自治体が取り組みを進めるなか、環境保全と経済効果の観点から、「J‐クレジット制度*」に注目する自治体は増えている。一方で、煩雑な手続きなどから、活用へのハードルを指摘する声もある。これに対し、「専門家による伴走支援の活用が有効」と語るのが、自治体へのJ‐クレジット導入支援を手がけるNTT西日本グループの地域創生Coデザイン研究所の西村氏だ。制度活用に向けたポイントについて、同社の吉田氏とともに話を聞いた。

*J‐クレジット制度 : 省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO₂等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO₂等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度

インタビュー
西村 陵
株式会社地域創生Coデザイン研究所
研究主任 リードCoクリエイター
西村 陵にしむら りょう
平成2年、兵庫県生まれ。平成24年4月に西日本電信電話株式会社に入社。自治体や企業のカーボンニュートラルに関わる業務などを経験。現在は、地域の脱炭素化や企業のカーボン・オフセットに関する業務に従事。
インタビュー
吉田 聡
株式会社地域創生Coデザイン研究所
研究主任 リードCoクリエイター
吉田 聡よしだ さとし
昭和49年、京都府生まれ。自治体勤務を経て、令和4年2月に西日本電信電話株式会社に入社。現在は、地域のパートナーと地域の脱炭素化や企業のカーボン・オフセットに関する業務に従事。

制度は魅力的ではあるものの、活用には高いハードルも

―J‐クレジット制度に関心を持つ自治体が増えていると聞きます。

西村 域内の森林資源が新たな財源になりうる魅力的な制度として、自治体の関心は高まっています。令和5年5月の「GX推進法」成立にくわえ、同11月には東京証券取引所にカーボン・クレジット市場が開設されるなどJ‐クレジット取引が加速すると見込まれることも背景にあります。

 一方で、森林由来のJ‐クレジット創出には二の足を踏んでいる自治体も多いと聞きます。

吉田 J‐クレジットの信頼性を高める目的から制度が複雑なうえ、活用には専門的な知識が必要となります。対象森林の選定やCO₂吸収量の算出、プロジェクト申請など、手続きに多くの時間や手間を要することも事実です。また、創出したクレジットをうまく販売できず、在庫として抱えることに対する懸念もあります。これら一連の業務を多忙な職員が担うのは難しく、活用のハードルが高いと感じる自治体も少なくないようです。

―どうすればよいのでしょう。

西村 外部の知見を活用することが有効です。特に、きめ細かな伴走支援があれば、課題が異なるどのような自治体でもJ‐クレジット制度の活用が可能になるはずです。当社では、森林管理でのデータ活用を後押しし、林業経営の高度化や地域の脱炭素化を支援する「森林・林業DX」を提供していますが、その一環として、自治体におけるJ‐クレジット制度の活用を伴走支援しています。

「森林・林業DX」を通じて、持続可能な森林経営を支援

―どのような支援をしていますか。

吉田 当社では、J‐クレジット制度における主要3工程に合わせて支援サービスを用意し、これらを一気通貫で提供しています。プロジェクト申請においては、航空・ドローンレーザー測量などで取得した森林データを計測・解析。それらの情報から、J‐クレジット制度に基づいて森林のCO₂吸収量を正確に算出し、計画書作成を支援します。その後、これらのデータをもとに「モニタリング」を行い、審査機関による認証を得て、クレジット創出を実現します。

西村 創出後の流通では、30府県に支店を構えるNTT西日本グループのつながりを活かし、地域の金融機関などとの連携により脱炭素化に取り組む地域内企業などへの販路もあらかじめ確保します。また、クレジットは地域外にも流通させ、企業などのカーボンオフセットを促進することで、地域の自然資本を循環させた持続的な脱炭素社会の実現に貢献します。

―導入事例はありますか。

吉田 地域産業である林業の活性化に注力する太良町(佐賀県)では、プロジェクト申請からクレジット流通までの一気通貫の支援を手がける予定です。各自治体の事情に合わせて一部工程のみの支援も行っており、京丹波町(京都府)のようにクレジット創出までを支援している例もあります。そのほか、人工衛星・航空・ドローンを使った「森林情報の視える化」に取り組んだ事例など、多くの自治体で森林・林業DXが進行中です。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

西村 当社では、J‐クレジットの創出に関心のある自治体には、J‐クレジット事業の概算の収支シミュレーションを含めてご提案しています。さらに、クレジット制度の導入にとどまらず、豊かな森づくりに向けた新たな資金還流の仕組みをともにつくることで、持続可能な森林経営を実現する支援を幅広く展開しています。ぜひお問い合わせください。

「J‐クレジット創出支援」 活用自治体
インタビュー
岡元 真美
京丹波町
産業建設部 農林振興課 農林振興係 主事
岡元 真美おかもと まみ

地域の実情を理解した支援を評価

森林面積が町の82%を占める当町にとって、森林の有効活用は大切な取り組みです。クレジット対象の森林選定などでの、地域の実情を理解した支援内容を評価しました。今回は創出までの支援を依頼しましたが、流通支援も可能とのことで、安心して推進できます。


インタビュー
木原 武士
太良町
農林水産課 林政係 係長
木原 武士きはら たけし

継続的で丁寧なサポートに期待

当町と鹿島市では、広域連携SDGs推進協議会を発足。「多良岳200年の森」構想を掲げ、環境調和と地域産業の活性化につながる持続可能な森林づくりをめざし、支援を依頼しました。J‐クレジット創出への継続的で丁寧な支援、流通では多様な販売手法による対応を期待します。


株式会社地域創生Coデザイン研究所
株式会社地域創生Coデザイン研究所
設立

令和3年7月

資本金

1億円

従業員数

52人(令和5年7月現在)

事業内容

地域課題解決コンサルティング、自治体・国に対する政策策定支援、地域データを活用したデジタルデータビジネス、上記に付帯又は関連する一切の事業など

URL

https://codips.jp/

お問い合わせ先
vitamin-a@west.ntt.co.jp

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