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先進事例2020.06.29

子育て支援の認知拡大は利用シーンが豊富で喜ばれる贈呈品を【中野区の取組事例】

子育て支援の認知拡大は利用シーンが豊富で喜ばれる贈呈品を【中野区の取組事例】

東京都中野区 の取り組み

子育て支援の認知拡大は利用シーンが豊富で喜ばれる贈呈品を【中野区の取組事例】

地域支えあい推進部 トータルケア調整担当課長 北部すこやか福祉センター 所長 小山 真実

全国で進行する少子化への対策として多くの自治体が住民の子育て支援に力を入れている。そうしたなか、中野区(東京都)は、子育てに特化した贈呈品の配布を通じ、支援サービスの認知度向上に成功している。贈呈品配布の詳細やその効果について、北部すこやか福祉センター所長の小山氏に聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.18(2019年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

東京都中野区データ

人口: 33万3,950人(令和元年5月1日現在) 世帯数: 20万7,116世帯(令和元年5月1日現在) 予算規模: 2,269億5,500万円(令和元年度当初) 面積: 15.59km² 概要: 東京23区の西方に位置し、東は新宿・豊島、西は杉並、南は渋谷、北は練馬の各区に接している。地名の由来は、武蔵野台地の真ん中に位置しているためといわれ、中野の名は、和歌山県の熊野那智大社に伝わる貞治元年(1362年)の古文書に初めて登場する。新宿へのアクセスの良さなどから戦前から住宅地として発展し、人口密度の高さは東京23区のなかでも上位を占める。

―中野区ではどのような子育て支援に取り組んでいるのでしょう。

妊娠期から産後育児期の各ステージにおける妊産婦を支援するトータルケア事業を、東京都の補助事業を活用して実施しています。

トータルケア事業の一環として始めた支援のなかでも特に力を入れているのは、妊婦を対象とした保健師などによる面接です。区ではもともと、生後4ヵ月以内の赤ちゃんがいる母親を対象に、助産師などによる全戸訪問を行ってきました。しかし、ハイリスク児や乳幼児の疾病を予防するには、専門家による出産前の面接が欠かせません。そこで、すべての妊婦を対象とした面接を新たに始めたのです。

―取り組みを知ってもらうためにどのような工夫をしましたか。

妊婦面接に関心をもってもらうために、面接に来た方には、妊娠・子育てを応援するギフト券として、全国の百貨店や玩具店などで利用できる『こども商品券』を配布しています。同商品券は、おもちゃやベビー用品などのほか、マタニティタクシーといった妊娠・育児を支えるさまざまなサービスと交換できるのが特徴です。

配布する贈呈品の選定にあたっては、母子手帳用のカバーやカタログギフト、一時保育のサービス利用券なども候補にのぼりましたが、もらってうれしいと思うギフトは人それぞれ。妊娠期から産後育児期までの多様なニーズに応えられるようにするため、『こども商品券』の採用を決めました。

―区民の反響はいかがでしょう。

期待通り、幅広い商品やサービスと交換できることから好評をえています。交換対象となる商品やサービスはここ数年も増えており、区民からは「予防接種にも使えるようになったのはうれしい」といった声が寄せられています。

商品券の配布をきっかけに、面接の認知度も高まり、出産した人の数に対する面接を受けた人の数の比率は平成28年度で87%、平成29年度で91%と年々上昇しています。さらに、妊婦面接を機に産後うつ対策など別の支援利用につなげられたケースも出てきています。

区民が福祉センターの取り組みを知るきっかけに

―今後の子育て支援の方針を聞かせてください。

中野区の各すこやか福祉センターではトータルケア事業として、虐待の未然防止や障害福祉にかんする支援も行っており、妊娠・出産育児期に限らず、困ったときに相談できる身近な窓口となることをめざしています。これから子育てを行う区民と私たちが早期に出会うきっかけづくりとして、今後も『こども商品券』の活用を検討していきたいですね。

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