※下記は自治体通信 Vol.24(2020年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
さまざまな情報や通知を住民に発送する自治体は、その規模の大小を問わず日々多くの郵便物を扱っている。そうしたなか、最近では郵便局で料金収納が厳格化され、自治体職員には郵便物のより正確な集計が求められるようになった。これに対し、加茂市(新潟県)では、この集計作業を自動化することで職員の負担を軽減している。総務課の有本氏に、その詳細を聞いた。
加茂市データ
人口:2万6,501人(令和2年3月末日現在) / 世帯数:1万225世帯(令和2年3月末日現在) / 予算規模:206億9,063万9,000円(令和2年度当初) / 面積:133.72km² / 概要:新潟県の中越地域に位置する。市の周囲三方を山に囲まれ、中心を横たわる加茂川などの景観や、延暦13年(794年)に京都の賀茂神社から分霊された青海神社があるといった歴史的なつながりから、「北越の小京都」と呼ばれる。春は約600匹の鯉のぼりが舞う加茂川や駅から近い加茂山公園、夏・秋は市内で開催される多くの祭やイベント、冬は親子で遊べるスキーガーデンがあり、一年中楽しめる。
割引適用は適正か、郵便物の束を目視で確認
―加茂市ではどのように郵便関連業務を行っていますか。
郵便物の料金を自動で算出し、消印と郵便料金を封筒に印字してくれる「郵便料金計器」で集計を行い、毎日200~300通を郵便局に手渡しています。
このうち、市内宛で100通を超えるものは各課が「郵便区内特別郵便物(※)」制度を適用し発送するものとして事前にまとめたうえで、総務課の職員が郵便料金計器に通しています。区内特別郵便物はほぼ毎日発生し、庁内から発送される郵便物全体の約8割を占めます。適用される割引料金は1通1通の重量によって変わってくるのですが、最近の郵便料金計器は、郵便物の重さを1通ずつ計測し、その重量帯に適した割引料金を印字してくれる機能もあり、当市も活用してきました。
※郵便区内特別郵便物:同一差出人による同一の郵便区内宛の郵便物で、同一の形状、同一の重量帯、100通以上差し出すなどの条件を満たした場合、割引料金が適用される郵便物
―区内特別郵便物が多いと便利な機能ですね。
ええ。郵便局で料金の適正収納が厳格化されているなか、重量の計測機能は必須だと感じています。しかし、以前使っていた機械では、その仕様に課題を感じていました。たとえば、すべての郵便物が1通「25g以内」の重量帯に収まると想定し、機械に通すとします。その際、25gを超すものがあると、「26g以上」の重量帯として割引料金が印字されてしまうのです。それでも、26g以上の郵便物が最終的に100通以上あれば区内特別郵便物の条件を満たせますが、そろわなければ、料金の印字は不正となってしまいます。そのため、区内特別郵便物を出す前は、違う料金が印字された郵便物が混在していないか、1通ずつ目視で確認する作業が生じていました。
―そうした課題にどのように対処しましたか。
昨年3月に、ピツニーボウズジャパンの郵便料金計器を導入したことで課題を解決できました。同社の機械では、郵便物の重量が事前に設定した数値を超えた場合には料金を印字せず、機械の稼働を止めてくれる「重量制限」機能があります。そのため、機械が自動で印字した郵便物についてはそのまま安心して郵便局に手渡せるようになりました。設定した重量を超えた郵便物については、通常の郵便物としてあらためて郵便料金計器を通して正規料金を印字すればよいのです。
同社の郵便料金計器はこのほか、郵便物に関するさまざまな業務を効率的に行える機能が充実しているので、非常に重宝しています。
郵便物を置くだけで、料金を簡単に確認
―ほかにどのような機能があるのでしょう。
たとえば、郵便物を外づけの電子スケール(計量器)に置くだけで料金をディスプレイに表示してくれる機能は、複雑な体系の料金を調べる際に役立っています。特に、昨年10月の郵便料金改定時には、新しい料金の情報を機械が自動でアップデートしてくれたので、速達や簡易書留などの料金を、郵便局のWebサイトで調べることなく、簡単に確認できました。
このほか、区内特別郵便物が適用されない市外向けの郵便物は、各課の担当者が郵便料金計器を使っていますが、担当者は予算科目にひもづいたバーコードを機械で読み取って使うことで、科目ごとの郵便物も簡単に集計できます。
―今後における郵便関連業務の方針を教えてください。
郵便料金計器を活用する作業を、庁内でさらに広めていきたいと考えています。一部の部署では、はじめから特定の印字が入った封筒を使っているといった事情から、手作業で郵便物を集計していることもあります。郵便料金の適正収納が厳格化されるなか、こうした郵便物も郵便料金計器を活用し、職員の負担を軽減しながら正確な処理を行えるよう、効率化を図っていきたいですね。
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