地域課題×企業のチカラを掛け合わせるワークショップ「第6回 デジマ式 plus」を開催!
2022年7月1日に、自治体が抱える地域課題をテーマに、企業のチカラで解決に向けた新規事業を創出していくためのワークショップ「デジマ式 plus」を開催しました。
今回の「デジマ式 plus」はこれまでと異なり一般社団法人情報サービス産業協会(以下、JISA)が主催となりデジマ式 plusがサポートしました。
現在、JISAは情報サービス産業が力を結集してデジタルの力で社会課題の解決に貢献することは業界の使命と考えて、個社を超えて複数の企業がアイデアや知恵を提供しながら社会課題解決を目指す「JISA 版はやぶさプロジェクト 」の企画に取り組んでいます。
その取り組みのひとつとして、長崎県の地方自治体(長崎市、雲仙市)の地域課題解決に資する新規事業プランをJISA 会員企業が創造し、実証実験(PoC)を行うプロジェクトとして立ち上げるためデジマ式plusをご活用いただくこととなりました。
いよいよスタート
今回は長崎市と雲仙市の2市連携によるプレゼンテーションを行っていただきました。
長崎市と雲仙市のご担当者さま自らがプレゼンテーションを行い、新規事業アイデアを創出しようとしている4つの企業の参加者に課題を解決したいという想いを伝えます。
その想いを受けて、参加企業は地域課題にどのように向き合っていくのか、地域課題の解決プランを考え、そして実現へ。4時間のワークショップがはじまります。
そしてプレゼンテーションのテーマは、ここ数年注目を浴びている「働き方」について。
テーマタイトルは、ずばり「コロナ渦で加速する「新しい働き方」を企業向けに定着させ、その結果、地方への関係人口流入を増加させるために何ができるか?」でした。
この解決に向けて参加した企業が以下の4社です。デジマ式plusは各社3名ずつチームとして参加します。
また今回は次のとおり多くの見学者に来ていただきました。
ワークショップの構成は、プロローグ、本編、エピローグの3つ。それでは、ひとつずつレポートしていきます。
1.プロローグ〜ガイダンスと相互理解へ
開始の挨拶は、JISA 企画・広報委員会 委員長 尾本 昇氏より「JISA 版はやぶさプロジェクト 」と「デジマ式plus」についてご説明いただきました。
そしてオープニングがはじまります。
司会は、デジマ式plus運営事務局の松元と甲斐です。まずはガイダンスを行っていきます。
さらにワークショップの場の一体感とワークショップへの集中力を高めるためのアイスブレイクを行いました。リラックスした雰囲気を作り出すとともに参加者それぞれの個性を出していくことで、参加企業同士のコミュニケーションも生み出していきます。
次に参加企業が自社紹介の形で各社の新規事業ミッションを共有していきます。新規事業創造のミッションを共通点として各社の理解を深めていきます。
2.本編〜プレゼンテーションから課題解決へ
その後本編に進み、まずは発表者である長崎市 商工部 産業雇用政策課 立地創業係 山田貫才さんと雲仙市 観光商工部 観光物産課 黒原廉さんの若いお二人によるプレゼンテーションです。
長崎における人口減少スピードは顕著で、直近5年で6.4万人も減少しています。特に「外部からの流入減」を起因とする人口減少が課題です。
一方、企業ではリモートワークやワーケーションなど地域とつながる「あたらしい働き方」が求められており課題となっています。
この双方の課題を「関係人口を増加」させることで解決できないかというプレゼンテーションでした。
また課題の発表とともに、
・オープンイノベーション型新規事業創出支援チームNAIGAICREWがあること
・茂木バレー、雲仙BASEといった地域の内外を繋ぐ施設があること
・域外からのワーケーションに対する補助金が整備されていること
・起業や大学など、産学との連携を活発に行っていること
などなど
長崎市と雲仙市の2市が、企業の新規事業をしっかりと応援する体制や仕組みなどをご紹介いただきました。
プレゼンテーションの後は、さっそく参加者のワークがはじまります。
まずはプレゼンテーションで聞いた内容と配布資料をもとに、参加者はそれぞれの経験や知識をもとに、プレゼンターである自治体とは異なる視点や切り口で課題を深堀します。
得られている情報は少ないながらも「あたらしい働き方」の課題をあらためて考えることで、その運営課題が自分のことのようになっていきます。デジマ式 plusの「自分ごと」化のプロセスです。
深堀をしていくうちに参加者の頭の中にはさまざまな疑問が沸いてきます。それらの疑問があるとアイデアの創出の際に心理的な大きなブレーキになります。
そこで掲示板型のQAサービスを用いて全員から疑問を募った上で、時間をかけて自治体と参加企業の全員で質疑応答を行います。
質疑応答を終えると疑問が解消されると共に全員の理解レベルが揃いより話しやすい状態が生まれます。
続いてデジマ式 plusではプレゼンテーションで出てきた課題をそのまま考えるのではなく、参加企業がそれぞれの切り口で課題を再設定することができます。そうすることで課題は自社のこととして捉えなおされ、自社にとって解決を目指しやすいものになります。
その後、参加企業各社が再設定した課題を発表し共有します。
この共有では、各社ごとに課題の捉え方に特色が出ます。これは自治体にとっても、参加している各社おのおのにとっても新鮮な気づきを得られます。この気づきがこの後のワークにもインスピレーションをもたらします。
次は、自分たちで再設定した課題を解決するために自社で「できること」を考えていきます。そして各社ごとに、自社で「できること」を整理、選別、アイデアを深めて、ひとつの「サービス」としてブラッシュアップしていきます。さらにそのサービスが普及するストーリまでを考えます。
サービス検討の最終フェーズでは、このワークショップ後すぐにはじめることができるファーストステップを考えます。このワークショップで事業プランを考えて終わりではなく、実現へとすぐに行動できるように準備するためです。
以上で本編が終了となります。
3.エピローグ〜新しい事業プランを発表
いよいよ、エピローグ。事業プランを長崎市と雲仙市へ発表する時間です。
「あたらしい働き方」という課題を「自分ごと」のように考えた参加企業各社は、それぞれ課題を解決するための事業プランについて説明しました。
それぞれの企業が「自分ごと」として再考した課題を解決するために保有するアセット・リソースを用いた事業プランが発表されました
発表後は長崎市 山田さんと雲仙市 黒原さんからは、
「各企業の皆さまが、われわれの地域の課題を本気で考える姿勢に感動しました。また、発表された事業プランも自分たちでは考えたこともなかったようなことでぜひ一緒に実現したい」と総評をいただきました。
次は実現へ
デジマ式 plusは、ここで終わりではありません。
参加各社のアイデアは実現の可能性を探るべく次のステップへと進んでいくことになっています。
4.参加したみなさまからの声
【開催レポート】雲仙市より
● IT企業と共に地域課題を考える デジマ式plusに参加してきました! | その他の取り組み | 雲仙温泉の取り組み | 全員集合! 雲仙ポータル
【アンケートより】参加企業の皆さまからの声
● それぞれの観点でアイデアが出て良かった。
● 久しぶりのリアルワークショップという事もありますが、大変、面白かったです。
● なかなかサービスが固まらず難しかったが、満足している。
● 長崎、雲仙と、実際の職員からの課題がわかりやすく興味深かった。また、各企業の特色が感じられて面白かった
● 楽しかったです!ここからが正念場!
● 普段考えないような課題に対して色々とアプローチを考えたことは、楽しい反面とても難しかったです。自社・自部署のアセットで考え過ぎたので、今回のテーマに当てはまるのがなかなか大変でした。
【アンケートより】見学の皆さまからの声
● 地域課題を自治体がプレゼン、それを受けて企業が課題解決法を考える、という場のコンセプトが素晴らしく、このような場を設けているデジマ式さんに感銘を覚えました。
● 自治体の方に具体的に課題を提示いただき、それを民間会社が解決策を議論することの意義が大変参考になった
● 運営がとても良いと思いました。
● 長崎市、雲仙市の方もおっしゃっていた用に、企業様ならでは視点や自分達だけでは出てこないようなアイデアが幾つもでてきて、とても有意義な機会になったと感じました。自分達でもこういう場を設けていけたらとおもいます。
アンケート内容や当日の気づきを含めて、「デジマ式 plus」はさらにバージョンアップしていきます。
5.デジマ式plusのご紹介
ご興味のある企業さま、自治体担当者さまへ
本ワークショップへのお問い合わせはこちら
メールのみでのお問い合わせとなります。
デジマ式plus運営事務局 松元 / 甲斐
Email:dejima-shiki@ctc-g.co.jp
◆デジマ式plusとは?
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、新規事業・イノベーション創出にチャレンジする企業の方々がオープンイノベーションを実現するための場である「Innovation Space DEJIMA 」(東京都東五反田)を運営しています。
Innovation Space DEJIMAでは、全国各地の共創・協働を支援してきた株式会社イー・エージェンシーとCTCの2社(デジマ式plus運営事務局)で、地域課題解決のためのビジネス創出プログラムであるデジマ式plusを定期的に実施しています。
自治体と企業をつなぎ地域発のビジネスを創出する本プログラムは、ビジネス案を考えるワークショップと自治体と企業が連携しビジネスを共創するアフターフォローで構成されています。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
設立 |
1979年7月11日 |
所在地 |
〒105-6950 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー |
資本金 |
21,763百万円 |
従業員数 |
単体 4,594名、CTCグループ 9,333名(2021年4月1日現在) |
事業内容 |
コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、情報処理サービス、科学・工学系情報サービス、サポート、その他 |
URL |
https://www.ctc-g.co.jp/
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