東京オリンピック前に「この店知ってる」にしたい
―インバウンド戦略を聞かせてください。
本区は東京オリンピック・パラリンピックでは、カヌーのスラローム会場になるので、区内外から来る方を取り込むのが目標です。
たとえば、お土産として、区でつくられている伝統工芸品を販売したい。いま、新しいデザインの工芸品を生み出し、新しい販路を開拓する事業を推進していて、これとインバウンド戦略とを連動させたい。
また、区内の40軒ほどの銭湯をめぐるスタンプラリーを毎年実施していて、銭湯の活性化をはかっています。平成28年からは外国人もターゲットにピンバッジトレーディングも開催しています。海外にない銭湯という文化を体験してもらえるように、うまく呼び込みたいですね。
―平成28年10月、区内の飲食店を英語で紹介するユーチューブの動画シリーズをはじめました。
はい。東京オリンピック・パラリンピックの前にPRすることで「この店見たことがある」という人をつくり出すのがねらい。そのなかから、「ユーチューブで見た、この店をめざして来た」という人も出てくるでしょう。
また、地元に根づいている飲食店を選んで、1本約5分の動画を月3本ずつアップしています。1店舗に話題を集めるのではなく、「江戸川区の飲食店」に関心を集めるため、シリーズものにしました。
―制作を委託する会社を選定した経緯を教えてください。
プロポーザル方式で公募をかけ、最終的に4社のなかからジュピターテレコムに委託しました。「日本で翻訳家・タレントとして活躍する米国人、ダニエル・カール氏をリポーターに起用します」という提案。日本の飲食店のことを熟知するカール氏が「この店では、こういうふうにオーダーしましょう」などと英語で手引きするので、視聴者には大変わかりやすいと思います。
実際に試写を庁内で視聴したとき、「これは完成度が高い」との声が出ていました。たとえば天ぷらのカリッという音、そばの湯気の映し方などで、おいしさが伝わってきました。「さすがプロだな」と思いましたね。
多言語化を進めてアジアも取り込みたい
―今後、この試みをどう発展させていきますか。
まずは動画再生回数を増やしていきます。利用者数の多い施設にチラシを配布するなどして動画の存在を告知していきます。
ゆくゆくは中国語・韓国語を含めた多言語化を進めて、アジアからのインバウンドも取り込みたいですね。
▲URL:http://mannakanagawa.com/
神奈川県の中心部に位置する海老名市・座間市と本市が連携したエリアプロモーションを平成28年度から展開しています。内外のファン獲得をめざし、ひいてはエリア全体の活性化が目的です。
その取り組みのひとつが、ケーブルテレビのJ:COMへ委託した、3市エリアに住む人やそこで働く人が笑顔で登場し、地域の魅力や地域への想いなどを語ってもらう動画をつくり、内外にそれを発信していくプロジェクトです。この動画を活用し、“まんなかながわ”と名づけた3市エリアの認知度を高め、実際に訪れてもらうとともに、エリア市民の愛着や誇りといった郷土愛の醸成につなげたいですね。
市の魅力にじかに触れてもらい、市への好感度を高めるために、魅力発信プロモーション「みつけてあなたのさいたま市」を、東京スカイツリータウン内で開催しました。市長やさいたま市出身のタレント、さいたま市内で活躍する子育て中のパパ・ママを応援する方々とのスペシャルトークショーなどで、本市の魅力を伝えました。
会場の「J:COM Wonder Studio」には10代〜30代が多く訪れ(全体の52%)、若い層にアピールできました。会場に設置された巨大スクリーンの迫力ある映像が効果的でした。また、会場からの生放送番組「ご当地サタデー!」を通じ、来場者だけでなく、全国の視聴者にも市の魅力を発信できました。