深夜のモバイル端末紛失時も、即座に対応するサービスで安心感
(CLOMO MDM / アイキューブドシステムズ)

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国が推進するクラウドバイデフォルトの考えにもとづき、各自治体が業務のクラウド化を進めるうえで、スマホやタブレットなどのモバイル端末の活用が増えている。同時に、モバイル端末の紛失時に強固なロックをかけて、情報漏えいリスクを低減するMDM*サービスも注目を浴びている。同サービスを導入した横須賀市上下水道局(神奈川県)によれば、情報セキュリティの強化とともに業務効率化も図れているそうだ。導入までの経緯と効果について、同局の有馬氏と太田氏に聞いた。
*MDM : モバイルデバイス管理の略称。遠隔でアプリケーションのインストールや端末の機能制限をかけられる点が大きな特徴


端末紛失時の対応を想定した管理ができていなかった
―横須賀市上下水道局がMDMサービスを導入した経緯を聞かせてください。
有馬 当市では、コロナ禍発生以降、全庁的にリモートワークの推進を図ってきました。一方で、従前のネットワーク環境では、一部の職員が、通信エリアの関係で自宅からLGWANに接続できない事象が発生したため、NECネッツエスアイ社が提供する『リモートデスクトップ for LGWAN』というLGWAN-ASP*サービスを令和4年に導入しました。そのサービスに対応した端末の運用を開始した際、NECネッツエスアイ社から情報セキュリティを向上させる提案があり、遠隔操作で端末を管理できるMDMサービスの導入に向けた検討に入りました。
―どのような提案だったのでしょう。
太田 当時はモバイル端末の管理を各課に一任していたため、管理方法が一元化されていなかったうえ、なかには、管理の状態に問題がある部署もありました。そのため、紛失などの事態が発生したときの対応マニュアルもなく、端末を拾得した第三者への情報漏えいリスクが懸念されました。また、当局の職員は24時間365日体制でスマホなどの端末を使って庁外での職務にあたっています。万が一、深夜などに端末を紛失すると、局内の端末管理者が勤務していないために即時対応ができず、さらに情報漏えいリスクが高まることが危惧されていました。
有馬 こうした問題をクリアするため、「紛失時に遠隔操作で端末のロックや初期化ができること」と「24時間365日、局職員に代わって端末の紛失対策ができること」の2点を重視して、アイキューブドシステムズ社が提供するMDMサービス『CLOMO MDM』についての提案がありました。令和5年11月からのトライアル導入期間を経て、翌年3月より本格導入にいたりました。
*LGWAN-ASP : LGWANネットワークのなかで、アプリケーションやホスティング、通信などの活用を支援するサービスのこと

能登地震の救援時には、迅速なアプリ配布ができた
―導入後の効果はいかがですか。
太田 幸いにも、まだ紛失の事案は発生していませんが、深夜でも当事者の職員が直接アイキューブドシステムズ社の緊急連絡窓口に連絡することで、即座に紛失した端末のロックや初期化ができるという点は、職員にとっての大きな安心感につながっています。ISMAPも取得しており、国が求めるセキュリティガイドラインを十分に満たしていることも管理者である当課にとっては安心できる要素の1つですね。
有馬 加えて、すべての端末を同一の画面で管理できる環境になっているため、管理業務の負担軽減にもつながっています。
―どういうことでしょう。
有馬 当局にある約60台の端末は、PCにWindows、スマホにAndroid、タブレットにiOSなど異なるOSを搭載していますが、これらすべての端末を1つの画面で管理することができます。遠隔で複数の端末の設定を変更できるので、仮に運用の変更があってもすぐに対応できます。さらに、『CLOMO MDM』では、通常は各端末で必要になる「Apple Account(以前のApple ID)」や「Googleアカウント」の管理が不要になるうえ、遠隔で端末にアプリをインストールできる点も、出先での業務が多い当局にとって大きなメリットになっています。
太田 先般に発生した能登地震の支援のために当局の職員を派遣した際には、現場に到着した職員から「いま搭載しているアプリでは道がわかりづらい」と指摘がありました。そこで、より使い勝手の良いアプリを管理画面から選択、配信し、現場の職員がすぐに活用して役立ちました。こうした事例から、業務効率化にも大きく貢献できるサービスだと実感しています。
―今後、MDMサービスをどのように活用していくのか方針を教えてください。
有馬 今後は、国が提唱するクラウドバイデフォルトのもと、自治体業務のクラウド化が加速することは明らかです。そのなかで、庁内外で活用する端末を、管理者が一元管理できるMDMサービスは不可欠な「インフラ」になると考えています。MDMサービスを基礎として、多様な業務のクラウド化をより進展させていきたいですね。


―MDMサービスに関心を寄せる自治体は増えていますか。
はい、増えています。各自治体では、令和7年度末に迫ったガバメントクラウドへの移行とともに、多様な業務で官民連携によるクラウド活用を模索する動きが強まっています。特に、庁外業務が多い水道局や消防局のほか、保育園などが活用するモバイル端末に、民間が提供するアプリを搭載して業務効率化を図る例は、日を追うごとに増しています。一方、そうしたアプリ活用によって、モバイル端末には機微な情報が残されることが多く、仮に庁外で紛失した場合は、情報漏えいリスクが高まります。こうした問題を解決するため、紛失時に端末を遠隔でロックや初期化ができるMDMサービスが注目されているのです。
―導入を検討する際、どのような点を重視すると良いでしょうか。
まず、MDMサービスがISMAPを取得しているかを確認することが重要です。ISMAPは、政府機関や企業がクラウドサービスを安全に利用するための評価制度であり、信頼性の指標となります。また、業務DXの推進に伴い、マルチOS対応も重要なポイントです。各OSメーカーの公式認定を取得しているかを確認することで、製品の品質や信頼性を判断しやすくなります。例えば、Androidの場合は、Google社の厳格な審査項目を通過し、ビジネス用途で使用するための端末の厳しい要件を満たした証である「Android Enterprise Recommended」の認定を受けたMDMを選定するのが最適です。
さらに、導入時および導入後のサポート体制も考慮すべきポイントです。自治体では端末管理に割ける人材などのリソースが限られることが多いため、手厚いカスタマーサポートを提供する当社の『CLOMO MDM』をおすすめしています。
―今後の自治体への支援方針を教えてください。
当社の『CLOMO MDM』なら、基本機能の紛失対策やアプリ管理機能を高いレベルで実現したうえで、業務効率化も図れます。当社は自治体DXにおけるデバイス活用の豊富なノウハウを活かし、さまざまな自治体内業務の改善や効率化を支援していきます。庁内外でのモバイル端末活用を考えている自治体は、ぜひ当社にご相談ください。
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設立 | 平成13年9月 |
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資本金 | 4億1,406万円(令和6年12月31日時点) |
売上高 | 17億1,600万円(令和7年6月期) |
従業員数 | 130名(令和6年6月末時点) |
事業内容 | モバイル端末管理サービス『CLOMO MDM』、モバイル端末向けアプリサービス『CLOMO SECURED APPs』、およびその周辺サービスの提供 |
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