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先進事例2020.02.09

インバウンド対応のアプリを活用し電子発信【自治体(浪速区)の取組事例】

インバウンド対応のアプリを活用し電子発信【自治体(浪速区)の取組事例】

大阪市浪速区 の取り組み

インバウンド対応のアプリを活用し電子発信【自治体(浪速区)の取組事例】

大阪市浪速区 市民協働課 まちづくり担当課長代理 武内 真一郎

年々増え続ける外国人観光客。それぞれの地方が魅力ある情報をどんどん発信すべき時代になった。ただ、どのようにすればよいのか頭を悩ませている自治体は多い。そんななか、新たなシステムの活用で、多くの外国人に魅力ある情報を提供しようと努めているのが大阪市浪速区。担当者の武内氏にインバウンド対策の詳細を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.8(2017年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

大阪市浪速区データ

人口: 7万1,365人(平成29年3月1日現在) 世帯数: 4万8,999世帯(平成29年3月1日現在) 予算規模: 約2億8,000万円(平成28年度当初、区自由経費) 面積: 4.37km² 概要: 大阪市のほぼ中央に位置する行政区のひとつ。政令指定都市に設けられた行政区としては、日本一小さな面積。通天閣のある「新世界」やポップカルチャーで注目を集める「日本橋」など大阪らしいスポットが集結しているほか、鉄道・バスで関西国際空港と直結していることもあり、「なんばパークス」「湊町リバープレイス」など新たな集客施設も開業している。

予算や体制に制約があるなか「にぎわい」もたらす観光政策

―浪速区が取り組む観光政策について教えてください。

 当区は、大阪市に24区ある行政区のひとつであるため、予算や組織体制がほかの自治体と比べて異なる部分があります。いわゆる「観光」のための予算や組織があるわけではないのです。そのような状況ですが、「浪速区がもつ観光資源や魅力を最大限に活用し、にぎわいのあふれるまちづくりを推進しよう」といった方針のもと、地域と一体となった活動をしています。浪速区には、「通天閣」や「新世界」、「日本橋」など大阪を代表する観光スポットが多数あります。訪れてくれた方々に本当に楽しんでいただくため、地元の自治体として浪速区の魅力をしっかり伝えたいと考えています。

―インバウンド対策ではなにがポイントだと考えていますか。

 最近はさまざまな国から観光客が訪れているので、「多言語」による案内は大きなキーワードになります。より多くの外国人観光客に情報を伝えるためには、当たり前ですがより多くの種類の外国語で発信することが必要でしょう。当区も、浪速区の魅力を伝えるために数ヵ国語の観光マップを作成してきました。ただ、どこの自治体もそうだと思いますが、「コスト」は大きな課題になります。また、パンフレットなどをつくったはいいが、それがしっかりと伝わらないことには効果が薄れます。「有効な伝達ツール」も重要です。

自動翻訳で編集作業は不要。イベント告知での活用も

―そんななか、新たなインバウンド対応を始めていますね。

 そうです。平成27年7月から「CatalogPocket」の活用を始めました。浪速区の歴史、文化、観光などを紹介した既存の日本語の観光パンフレットをそのまま活用できるシステムです。そのPDFデータがあれば、6ヵ国語(※)に自動翻訳してくれます。

6ヵ国語 : 英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語、ポルトガル語

―翻訳作業を効率化できますね。

 はい。そして、その翻訳された観光パンフレットは、スマートフォンのブラウザやアプリなどで閲覧できるよう電子配信されます。当区に来た多くの外国人観光客が英語や中国語などに翻訳されたものをその場で閲覧可能になります。既存の観光パンフレットのPDFデータがあれば多言語に翻訳されるため、難しい編集作業はほとんどありません。そして、多くの人が使っているスマートフォンへの配信なので、伝達力があります。

―今後、新たなインバウンド対策で考えていることはありますか。

 「CatalogPocket」を活用すれば、地域密着型のイベントでも外国人観光客にアピールできます。チラシがあれば、それがそのまま多言語翻訳されてスマートフォンで閲覧できるわけですから。観光案内だけでなく、夜市や音楽ライブなど浪速区ならではの催しも多言語で発信していけばいくほど、浪速区の「にぎわい創出」につながると期待しています。

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