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先進事例2020.02.06

ハザードマップのウェブ化で住民の安全を守る【自治体(神戸市)の取組事例】

ハザードマップのウェブ化で住民の安全を守る【自治体(神戸市)の取組事例】

兵庫県神戸市 の取り組み

ハザードマップのウェブ化で住民の安全を守る【自治体(神戸市)の取組事例】

建設局防災部防災課 西 圭太

防災や危機管理対策の一環で、多くの自治体がハザードマップを作成している。そのような状況のなか、従来の紙ベースだけではなく、随時最新情報へと更新でき、縮尺変更による詳細情報の把握も可能な「ハザードマップのWeb化」が注目されている。全国でも早い段階でこの取り組みに着手したのが神戸市(兵庫県)。防災担当の西氏に、導入経緯やWeb化の効果を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.12(2018年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

兵庫県神戸市データ

人口: 152万9,803人(平成30年3月1日現在) 世帯数: 71万4,266世帯(平成30年3月1日現在) 予算規模: 1兆7,565億9,600万円(平成30年度当初) 面積: 557.02km2km² 概要: 明治元年に、走水村、二ツ茶屋村、神戸村からなる「神戸町」がつくられ、明治22年4月に神戸市が誕生した。その後、周辺町村との合併や臨海部の埋め立てにより市域は拡大。人口は、阪神・淡路大震災により震災直前の152万人から一時的に142万人まで落ち込んだが、現在は153万人まで回復している。山手の異人館のある北野町や旧居留地に接する南京町は、多くの観光客でにぎわう代表的な観光地。特産物では、神戸ビーフ、神戸ワインなどが有名。

―住民への防災啓発活動の取り組みを教えてください。

防災情報の確認手段や災害に応じた避難行動などを掲載した『くらしの防災ガイド』を毎年6月に発行し、全世帯に配布しています。また、地域や企業などを訪問し、防災にかんする「出前授業」なども積極的に開催しています。『くらしの防災ガイド』には、災害避難時の重要な情報ツールとなるハザードマップも公表し、居住地周辺だけでなく、就業・就学先の危険箇所や避難所情報も事前に把握してもらうようにしています。そして、当市では平成27年6月から、ハザードマップをWeb化してホームページ上に掲載しています。

―きっかけはなんでしたか。

スマートフォンの普及が進むなか、住民に、より気軽にハザードマップを利用してもらえるようになればと考えたからです。ハザードマップに触れていただく機会が増えることで、災害発生時、的確な避難行動をとりやすくなると思います。

―Web化することで、えられる効果はなんでしょうか。

3つあると考えます。まずは、随時最新情報を提供できること。当市では、1年のうちにハザード情報が平均3~4回変更されます。その都度、紙のハザードマップを修正し全世帯に配布するのはコスト面を考えると難しいですが、Webであれば、低コストで更新でき、随時最新情報を提供可能です。ふたつ目は、Webだと縮尺変更ができるので、住民は知りたい場所の詳細な情報を取得できることです。紙の場合、ハザード情報の境界線が見えにくいケースがありますから。3つ目は、住所検索で情報取得ができることです。災害は、外出先など土地勘のない場所で起こることもあります。そのときに、現在地の住所を入力すればハザードマップが表示されるので、近くの避難所や周辺の安全なエリアを確認できるのです。

―「紙」にはないWebならではの機能ですね。

そうですね。住民のみなさんには、これらのWeb機能を日ごろから試し、親しんでいただくことで、ハザードマップを身近なものに感じてもらいたいです。そして、災害発生時にはハザードマップをもとに、いち早く避難行動をとっていただければと思います。

閲覧制限のないシステムで、アクセス集中に対応する

―ホームページでハザードマップを公表している自治体はほかにもあります。違いはなんですか。

ほかの自治体では、紙のハザードマップを画像化し、PDF形式で掲載するケースが多いようです。Web版ハザードマップは、地図上で利用者の見たい場所を中心に閲覧できるのが大きな違いと思われます。

―今後の防災啓発における強化策を教えてください。

災害時に、アクセス過多で地図が閲覧できなくなるという事態が発生しないよう、平成30年度から閲覧数に制限のない地図拠点案内サービスを導入しています。より多くの住民にハザードマップを使ってもらい、「自分の身は自分で守る」という意識をもっていただきたい。そのためにも、紙ベースとWebの両輪で情報提供し、住民のみなさんの防災啓発を推進していきます。

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