―公金収納率の向上のため力を入れていることはなんでしょう。
納付者の口座登録率を上げることです。口座登録率が高ければ、公金収納率も上がるといった相関関係があることから、当市では納付書払いよりも口座振替による支払いを普及させ、未納者の減少を図っています。ただし、口座振替申込書を利用した従来のやり方では、手続き完了までの時間がかかるうえ、職員の業務は煩雑になります。そうならないために、当市ではWebを活用したサービスを導入して、平成29年8月から納付者に口座登録を促進しています。
―導入したサービスの詳細を教えてください。
スマートフォンやパソコンを利用して口座振替の申請ができる『公金収納支援サービス』です。24時間いつでも、どこからでも手続きができるので、納付者にとって利便性が高いサービスといえます。また、口座登録の申請期間も、これまでのように1、2ヵ月といった時間を要することもありません。捺印も不要で、記入モレやミスなどが発生した場合はエラーが表示され、不備もなくなります。これまでチェックに時間を費やしていた職員の業務負担は、確実に軽減されています。
―サービス導入後、納付者の口座登録率に変化はありましたか。
口座登録率は上がっています。利用できる公金も国民健康保険料をはじめ13公金に適応し、全体で毎月300人ほどの登録があります。市税や水道料など同サービスを利用して一本化できたことも、徴収の公平性を保つうえで、利点となりました。さらに導入する際、新たにシステムを開発する必要がありません。サービス提供企業のヤマトシステム開発から送られてくるリンクを市のホームページに設定するだけで作業は終了。その容易さも導入の決め手でした。
Webへの完全移行が働き方改革の最良の策
―今後の方針を教えてください。
納付書払いも継続していますが、将来的にはWebからの口座登録をメインとした運用に切り替えていきます。また、口座振替業務は自治体職員に限らず、銀行をはじめとした金融機関の協力があってこそ成立するもの。完全にWeb化へ移行することができれば、金融機関が行う口座番号の照合などの事務作業をなくすことができ、行員の事務作業の効率化にもつながります。自治体の窓口業務を減らすことが、いままで手が回っていなかった働き方改革に近づく最良の策だと考えています。