同じ横浜市のサイト内に、45の異なるサイトが乱立
―Webサイトをリニューアルした背景を聞かせてください。
横浜市では、暮らしにかんする情報のほか、ビジネスや観光など多様なニーズに応えるため、各区局が主体となって積極的に情報を発信してきました。しかし、サイト全体の情報量は約17万ページまで増え、区局間のページで内容に重複や相違が生じたり、古い情報が掲載されたままになっていたりしました。さらに、区局ごとにサイトが分かれ、それぞれ情報分類の仕方もデザインも異なるため、「情報を探しづらい」といった声もいただいていました。リニューアルは、こうした山積する課題の解決が目的でした。
―多くの課題を抱えていたのはなぜだったのですか。
27の局と18の区がそれぞれサイトを管理し、市のサイトのなかに45の異なるサイトがあるような状態だったからです。そのため、全容の把握が難しく、課題が解決されないまま蓄積され続けていたのです。さらに、Webアクセシビリティやスマートフォンからの閲覧への対応も急務に。そこで、自治体向けのサイト制作で豊富な実績をもつ民間企業の協力のもと、CMS(※)や管理体制、サイトの情報分類、デザインなどのリニューアルを実施しました。
※CMS:コンテンツ管理システム。Webコンテンツを構成するテキストや画像などを統合・体系的に管理し、配信などに必要な処理を行うシステムの総称
―詳しく聞かせてください。
サイト管理の大部分を広報課に一元化し、サイト全体をコントロールできるようにしました。局のサイトは統合し、情報を分野別で分類。区のサイトは情報分類を分野別に揃え、区局間で重複していたページも整理しました。デザインは、市全体で青を基調としたものに揃え、スマートフォンからの閲覧にも対応しています。
アクセシビリティの対応は、新しいCMSの機能を活用。画像に代替テキスト(※)が設定されているかなど、さまざまな観点でCMSが細かくチェックしてくれるので、職員に特別な知識がなくても、アクセシビリティに配慮したページを作成しやすくなっています。
※代替テキスト:サイト内の画像に設定することで、視覚障害者などがサイトを利用する際に、音声ブラウザによって読み上げられるテキストのこと
進化し続けるサイトで、市のブランド力を向上
―情報発信にかんする今後の方針を聞かせてください。
広報課では「つねに進化し続けるWebサイト」をサイトのコンセプトのひとつに掲げています。情報の探しやすさや機能の追加、多言語情報の強化など、リニューアル後も改善を続けていきます。さまざまな取り組みを経てサイトへの信頼を高め、市のブランド力向上につなげていきたいですね。
横浜市公式サイト
https://www.city.yokohama.lg.jp/