山形県山形市の取り組み
効率的なIT資産管理
情報政策部門の負担を抑えつつ、PC運用の事故を防ぐ管理法
山形市
企画調整部 情報企画課 課長 山崎 真浩
企画調整部 情報企画課 情報システム係 安達 茜
※下記は自治体通信 Vol.41(2022年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
自治体の情報政策部門は日々、全庁で使用されているソフトウェアやハードウェアといった「IT資産」の管理を行っている。その目的は、外部からの侵入といった脅威対策や内部不正の防止、コスト削減など広範におよび、職員の負担増につながっているケースも多い。そうしたなか、山形市(山形県)は、さまざまな観点による「IT資産管理」を効率化し、業務負担の軽減につなげている。取り組みの詳細について、同市の担当者2人に聞いた。
[山形市] ■人口:24万4,804人(令和4年6月1日現在) ■世帯数:10万3,677世帯(令和4年6月1日現在) ■予算規模:1,929億8,733万4,000円(令和4年度当初) ■面積:381.30km2 ■概要:山形県の中部東に位置する。明治22年、日本で最初に市制が施行された31市のうちの1市として誕生した。市制施行時の人口は2万8,400人だったが、大正9年の国勢調査実施時には11万6,757人と、約30年で4倍に増加。昭和31年には行政区域が現在の規模となり、昭和43年には人口が20万人を超えた。その後、平成13年には特例市へ、令和元年度には中核市へそれぞれ移行した。
「IT資産管理」の効率化に、長年取り組んできた
―山形市ではどのように「IT資産」の管理を行っていますか。
安達 長年、「IT資産管理ツール」と呼ばれるソフトウェアを用いて管理を行っています。最大の目的は情報セキュリティ事故を未然に防ぐことで、外部記憶媒体の使用制御などをこのツールで行っています。また、効率的にIT資産を管理するため、ハードウェアの端末情報やソフトウェアのライセンス情報、操作ログの取得などにもこのツールを活用しています。
―ツールを導入したきっかけはなんだったのでしょう。
山崎 全庁のPCにOSなどのセキュリティパッチ*1を一斉適用する仕組みが必要になったことでした。ただ、「IT資産管理用のツール」と「ログ管理用のツール」といったように、複数の異なるツールを使う煩雑さを感じたため、管理負担を軽減すべく、多くの機能が一つに集約されたツールを探していました。そして平成21年に、ハンモック社の『AssetView』を導入しました。
―評価した点を教えてください。
山崎 便利な機能が豊富な点です。たとえば、個人情報を含むファイルを操作するとアラートが表示される機能は、重要情報の漏えい対策として役立っています。また、近年のテレワークにおいても、ログ管理やアプリケーション配布などの機能を活用しています。
安達 そのほか、使い勝手の良い製品設計も高く評価しています。
管理負担を軽減できる、使い勝手の良さも評価
―どのようなところに使い勝手の良さを感じていますか。
安達 「アプリケーションの配布」機能を例にあげると、以前のツールであれば、各職員がアプリケーションをインストールするたびに管理者の承認が必要でした。この点、『AssetView』ではインストールしてもよいアプリケーションを事前に設定しておけば、職員は必要な際に自らインストールできるため、職員にとっても、私たち管理者にとっても負担の軽減につながっています。
山崎 当市が『AssetView』を導入したのはじつは2回目でした。1回目の導入後、入札を経て採用した別のツールも機能面で満足はできました。しかし、細部の使い勝手では『AssetView』のほうが山形市での運用に合っていると感じ、製品指定により再導入したのです。
―今後の活用方針を聞かせてください。
山崎 当市では今後、「書かない窓口」の実現などを目指し、基幹システムの大幅な更新を予定しています。そうした取り組みにおいても、新たに起こりえる情報セキュリティ事故を未然に防げるよう、引き続き『AssetView』を活用していきたいですね。
支援企業の視点
時流に合った「IT資産管理」で、DX時代の情報セキュリティを守れ
株式会社ハンモック NWS事業部 NWS営業部 公共課 公共1係 課長代理 大越 未沙世
―「IT資産管理」をめぐる自治体の現状を教えてください。
DX時代とも呼ばれる昨今、テレワークの導入や、新たな情報セキュリティモデルへの移行などを見据え、IT資産管理を強化する必要に迫られている自治体は増えています。自治体の情報政策を取り巻く環境の変化に伴い、特に情報セキュリティ面で自治体が管理すべき新たな要素が増え続けているのです。そこで当社では、自治体が限られたマンパワーでIT資産管理を効率化するための支援ツールとして、『AssetView』を提案しています。
―具体的にどういった特徴がありますか。
時代のトレンドやニーズに合った豊富な機能を搭載している点です。たとえば、テレワークに関するものでは、持ち出し端末の紛失対策として、端末を閉域環境で管理できる「MDM*2」機能を搭載。また、端末上における重要情報ファイルの有無を検査する機能もあり、持ち出し端末からの情報漏えいを防げます。こうしたさまざまな機能を単一のツールで簡単に利用できる点は、導入自治体から高く評価されているポイントです。
―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。
『AssetView』はこれまでにも多くの自治体に導入されてきた実績があります。次世代の情報セキュリティ対策「β/βʼモデル」におけるIT資産の運用や、テレワーク制度下における情報セキュリティ対策など、活用事例も豊富ですので、自治体が抱える課題に解決のヒントを示すことができると思います。ぜひ、お気軽にご連絡ください。
大越 未沙世 (おおこし みさよ) プロフィール
東京都生まれ。大学卒業後、アパレル会社勤務を経て、平成28年、株式会社ハンモックに入社。以来、『AssetView』の営業に従事する。令和元年、自治体営業専任の部署として立ち上がった公共課に配属。令和4年より現職。
株式会社ハンモック
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