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佐賀県伊万里市の取り組み
先進事例2023.08.11
改修時期を迎えた施設の管理

給食の提供を停止せずに実現できる、施設の整備計画を策定

[提供] NTT・TCリース株式会社
給食の提供を停止せずに実現できる、施設の整備計画を策定
この記事の配信元
NTT・TCリース株式会社
NTT・TCリース株式会社

※下記は自治体通信 Vol.51(2023年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体が公共施設を新設する際、民間の資金やノウハウを活用できるPFI方式を採用したものの、更改時の対応に苦慮するケースが見られる。そうしたなか、伊万里市(佐賀県)では学校給食センターの改修および維持管理において、PFI方式ではない、新たな方式を採用することで、適切な改修、運用の計画が立てられたという。同市の担当者2人に、詳細を聞いた。

[伊万里市] ■人口:5万2,349人(令和5年6月1日現在) ■世帯数:2万3,668世帯(令和5年6月1日現在) ■予算規模:546億6,691万7,000円(令和5年度当初) ■面積:255.26km² ■概要:北部九州の西部にあって、東松浦半島と北松浦半島の結合する位置にあり、伊万里湾が深く入り込んだ天然の良港を擁している。古くは焼き物「古伊万里」の積出港として、その後は石炭の積出港として栄え、近年では大規模な臨海工業団地を形成し、造船業やIC関連産業、木材関連産業系などの集積により、近代的な工業港として発展している。
インタビュー
吉永 幸治
伊万里市
総合政策部 プロジェクト推進課 課長
吉永 幸治よしなが こうじ
インタビュー
浦川 哲也
伊万里市教育委員会
伊万里市学校給食センター 所長
浦川 哲也うらかわ てつや

施設の実情に合った、契約方式が見つからなかった

―伊万里市が学校給食センターの改修を検討した背景を教えてください。

浦川 センターを新設してから16年が経過し、設備の老朽化が進んでいました。建物新設時はPFI方式を選択し、設計から建設、維持管理まで民間企業に業務委託していましたが、その契約が令和3年8月に終了。そのため、さまざまな契約方式での改修計画を検討することとなったのです。しかし、なかなか当市の状況に適した方法が見つかりませんでした。

―なぜ、PFI方式は選択しなかったのでしょうか。

吉永 PFI方式を選択した場合、対象事業がPFI方式に適しているかを見極めるために時間とコストがかかります。今回は改修事業のため、建物新設時と比較すると事業規模が小さく、費用対効果が望めないだろうと。また、PFI方式では期間中かなりの事務処理が発生します。さまざまな方式を検討するなか、サウンディングなどを通じて、NTT・TCリース社から設備をリースする賃貸借方式の提案を受けました。ただ、新旧の設備が混在し管理が難しいこと、事業期間中の維持管理業務も委託したいと考えていたことから賃貸借方式は見送ることに。そうしたなか、同社から新たな方式での提案を受けたのです。

―どのような提案ですか。

吉永 「事業契約方式」という、同社独自の契約方式です。同社が代表企業として各分野の協力代表企業を取りまとめ、改修や維持管理にかかる費用を立て替え、当市は、事業期間である15年にわたって、同社に費用を均等に支払っていくというものです。この方式なら初期投資を抑えつつ、費用を平準化できるうえに、当市との対応窓口を一本化できます。また、PFI方式のように時間をかけることなく、スピーディな改修が可能に。結果、同社の方式が採用され、令和4年12月に契約を締結しました。

ほかの公共施設の改修にも、横展開をしていきたい

―今回の契約にどのような価値を感じていますか。

浦川 今夏から3ヵ年かけて、夏休み期間中を中心に改修工事を実施しますが、子どもたちへの給食の提供を停止せずに、老朽化した設備を改修し、給食センターの調理環境改善となる計画を策定できたことにほっとしています。また、今回の改修では、アレルギーに対応した給食をつくるための調理室を新たに設置する計画です。こうした取り組みができるのも、当市の要望に柔軟に対応できる、同社の「事業契約方式」で契約締結できたからだと実感しています。

吉永 当市には、改修のタイミングを迎える公共施設はまだまだあります。今後はこの取り組みを横展開することで、当市における公共施設のファシリティマネジメントを推進していきたいと思います。

支援企業の視点
新しいスキーム「事業契約方式」なら、効率的な施設改修が可能
インタビュー
木浦 茜里
NTT・TCリース株式会社
法人営業第二部門 戦略・市場担当
木浦 茜里きうら あかり
大阪府生まれ。平成29年、NTTファイナンス株式会社(現:NTT・TCリース株式会社)に入社。現在は、法人営業部にて民間企業向けのリース営業に携わっている。

―公共施設の改修で課題を抱える自治体は多いのでしょうか。

 多いと考えられます。伊万里市のように、建物新設の際にPFI方式を選択しても、施設の改修のみとなると費用対効果が望めず、ほかの方式を検討するケースが散見されます。当社はリース会社ですので、伊万里市にも当初は賃貸借方式を提案しましたが、残念ながら同市のニーズとマッチしませんでした。そこで当社は、伊万里市と対話を重ねつつ、新しいスキームを提案しました。それが当社の「事業契約方式」です。

―詳細を教えてください。

 当社が代表企業となり、施設の改修・維持管理を担う各協力代表企業を取りまとめ、事業費を当社が立て替えます。自治体は事業期間中、均等に費用を支払うことが可能です。そのため、自治体は初期投資を抑えつつ、費用の平準化が図れるほか、窓口を当社に一本化して事務処理稼働を削減できます。PFI方式に比べ、スピーディに事業化できますし、設備の有無にかかわらず契約可能なため、リースが発生しない役務中心の事業でも、賃貸借方式と同様のメリットを享受できるのです。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 PFI方式、賃貸借方式と並ぶもう一つの選択肢として「事業契約方式」を水平展開していきたいと考えています。当社はNTTグループのスケールメリットを活かし、全国の協力企業とのネットワークがあります。自治体ニーズに合った協業体制を構築できますので、ぜひ気軽に問い合わせてください。

NTT・TCリース株式会社
NTT・TCリース株式会社
設立

令和2年2月

資本金

100億円

従業員数

約1,100人

事業内容

総合リース業など

URL

https://www.ntt-tc-lease.com/

お問い合わせ先
03-6455-8776(担当:濱田、佐藤、平日 9:00~17:00、土日祝日年末年始を除く)
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