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三重県桑名市の取り組み
先進事例2025.03.05
「建物賃貸借方式」による施設整備

【リース事例・施設整備】創意工夫を施したプール施設を、「建物賃貸借方式」で早期に整備
官民連携 / NTT・TCリース

[提供] NTT・TCリース株式会社
【リース事例・施設整備】創意工夫を施したプール施設を、「建物賃貸借方式」で早期に整備(官民連携 / NTT・TCリース)
この記事の配信元
NTT・TCリース株式会社
NTT・TCリース株式会社

※下記は自治体通信 Vol.64(2025年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

公共施設の整備手法として、大きく分けて「従来型の公共事業」と「PPP事業*」の2つがある。桑名市(三重県)では、「PPP事業」のなかでも「建物賃貸借方式」を採用し、市内の総合運動公園内で新たなプール施設の整備に着手している。自治体が公共施設を整備するにあたりどの手法を採用するかは、整備の目的や財政状況など総合的な判断により決定するが、同市ではどのような判断で「建物賃貸借方式」を採用したのか。担当者に話を聞いた。

*PPP事業: Public Private Partnershipの略。行政と民間が連携し、効率的かつ効果的に公共施設の整備・運営を行う考え方。民間参画の手法を広く捉えた概念

[桑名市] ■人口:13万7,795人(令和7年1月末現在) ■世帯数:6万1,928世帯(令和7年1月末現在) ■予算規模:1,088億4,274万円(令和6年度当初) ■面積:136.65km² ■概要:三重県北部、揖斐川・長良川・木曽川の「木曽三川」が注ぐ伊勢湾の奥地に位置する。西に鈴鹿、北に養老の山並み、東に濃尾平野が広がる、水と緑豊かな自然環境のもと、江戸時代から東海道五十三次の宿場町・城下町・湊町として栄えてきた。現在も高速道路や国道、鉄道などおもな幹線が集中する交通の要衝として発展を続けている。
インタビュー
水谷 好一朗
桑名市
市民環境部 地域コミュニティ局 スポーツ振興課 課長補佐 兼 スポーツ振興係 係長
水谷 好一朗みずたに こういちろう

「早期整備」を意識した

―総合運動公園内でプール施設を整備した経緯を教えてください。

 同公園内にはもともと、平成4年の基本設計時からプールの建設予定地を確保していました。近年は別の場所の市民プールで老朽化問題が表面化していたため、令和3年度に「桑名市総合運動公園公民連携導入可能性調査」を実施し、「民間活力導入を視野に入れ、プールを早期に整備する必要がある」との結論を出しました。その内容を公表したところ、伊藤忠商事より「コラボ・ラボ桑名*」の提案制度を活用し、提案がありました。

―どのような提案でしょう。

 建設予定地を変更して、造成済みの場所にプールを整備する内容でした。じつは当初の予定地だと造成工事が必要で、供用開始が令和9年度以降になるとの試算が出ていました。その点、造成済みなら工期を1年以上短縮でき、「早期の整備」につながります。さらに、プール施設周辺の利便性向上だけでなく、総合運動公園全体の活性化も図る内容でした。この提案内容をベースに公募を行ったところ、同社を代表とし、NTT・TCリースを含む6社からなるコンソーシアムから、さらに洗練された提案が提出されました。そこで、令和5年12月に事業者選定しましたが、「建物賃貸借方式」を活用した特徴ある事業計画でした。

―詳しく教えてください。

 同方式は、設計、施工、維持管理、運営といった施設整備の工程を、当市が一括発注できる事業手法です。そのため、従来の公共事業のように工程ごとの分離発注で入札や契約業務を繰り返す必要がなく、工期の短縮が可能です。このことは職員の事務負担軽減にもつながり、事業を効率的に進められます。さらに事業計画では、民間ならではの創意工夫のある整備内容が盛り込まれていました。

*コラボ・ラボ桑名: 桑名市が設けている民間提案窓口

単にプールだけではない整備

―どういった内容ですか。

 プール自体は、既設のサッカー場の隣に屋内型で整備するものですが、サッカー場には更衣室がないなか、別途予約でサッカー場利用者もプール内の更衣室を使え、さらにシャワー室や会議室も使用できる内容でした。加えて、2階の観覧スペースや屋上からもサッカー観戦ができる配棟計画など、単にプールの整備だけでなく、サッカー場利用者の利便性向上と利用促進まで意識した内容です。公園全体の活性化にもつながるこうした創意工夫のある企画を選定できたのは、「建物賃貸借方式」のもう1つの特性も影響しています。

―どういうことでしょう。

 初期費用を複数年度で平準化できるため、民間の創意工夫が随所に盛り込まれた企画内容でも、迷うことなく事業化を検討できるのです。市民サービスのさらなる向上が行政に求められるなか、「建物賃貸借方式」は、施設整備で民間のノウハウを効果的に活用できる事業手法の1つだと捉えています。

支援企業の視点
一括発注できる「建物賃貸借方式」なら、民間のノウハウ活用を最大化できる
インタビュー
神山 優基
NTT・TCリース株式会社
専門営業部 不動産営業部門
神山 優基こうやま ゆうき
大学卒業後、NTTファイナンス株式会社(現:NTT・TCリース株式会社)に入社。おもに国内リース営業に携わる。令和3年から現職。

―公共施設の整備で「建物賃貸借方式」を検討する自治体は増えていますか。

 増えてきています。現在当社では、パートナーの伊藤忠商事を代表企業とし、設計・施工・維持管理・運営の各分野で実績のある民間事業者とコンソーシアムを組み、「建物賃貸借方式」による施設整備を自治体にご提案しています。自治体が「PPP事業」による整備を検討するなかで、「建物賃貸借方式」は大きな効果が期待できるものと考えています。

―どういった効果でしょう。

 民間のノウハウ活用を「最大化」できることです。というのも、「建物賃貸借方式」を採用することで、自治体は施設の整備に関する工程を一括発注でき、まずは「早期の事業化」と「職員の事務負担軽減」を図ることができます。加えて、コンソーシアムを構成する各事業者がノウハウをもちより、連携しながら事業を進めていくため、「整備品質の確保」も期待できます。さらに、費用の平準化によって財政負担を減らせることもあり、「民間ならではの創意工夫」を十分に発揮できる手法であると考えています。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 私たちは、「地域で長く愛される公共施設」を目指し、それぞれの地域における地元企業とも連携しながら取り組みを進めていきます。老朽化や耐震性の不安によって、公共施設の新築・建て替えをご検討されている場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

NTT・TCリース株式会社
NTT・TCリース株式会社
設立

令和2年2月

資本金

100億円

従業員数

約1,100人

事業内容

総合リース業など

URL

https://www.ntt-tc-lease.com/

お問い合わせ先
03-6455-8681(真野、神山、山﨑)
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