※下記は自治体通信 Vol.59(2024年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
人口減少や財政難、頻発する自然災害への対応―。自治体はいま、多くの課題を抱えている。そうした諸課題の解決に向けた一歩、それは情報収集にある。そこで本誌では、自治体関連の最新ニュースを届ける行財政専門情報サービス『47行政ジャーナル』の提供元となる共同通信社と新たな連載を企画。同サービスを通じた情報収集を糸口とし、課題解決を目指した自治体の事例を取り上げることで、その道筋を探っていく。
【ナビゲーター】 株式会社共同通信デジタル
ビジネス情報事業部
小林 楓こばやし かえで
使い方に応じて選択できる「個人ID」と「共有ID」
『47行政ジャーナル』は、パソコン、スマホ、タブレットなど端末を選ばずに、サイトにログインするだけで閲覧ができるのが特徴で、「個人ID」と「共有ID」の2種類を使い方に応じて柔軟に選択することができます。「個人ID」は利用する個人に紐づいているので、あらかじめ担当分野に関連するキーワードを設定したり、クリッピング機能を活用したりすることで、効率的な情報収集につなげることができます。一方、「共有ID」は部署内でIDをシェアすることができます。たとえば、部署ごとに1つのIDを作成して、部署内で共有することが可能なので、各自治体からはIDの管理が容易な点や費用を抑えられる点も好評です。このようにIDを柔軟に振り分けることができるので、利用人数や予算など細かな条件に合わせた活用が可能になります。
今回ご紹介する中央市(山梨県)は、広く全国各地の事例を調べることを目的に全職員向けの基盤的な情報収集方法を求めた結果、『47行政ジャーナル』を導入し、「共有ID」を活用している事例です。活用セミナーを開催することで庁内に効率的な情報収集の習慣を広めています。
当社では、実際のサイトを閲覧できる無料トライアルも用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
*『47行政ジャーナル』とは : 全国44の新聞社と共同通信社が、行政に資する情報を提供するLGWAN対応の専門情報サービス。最新のニュースや人事情報、省庁を中心とした発表資料なども多数掲載している。メールサービスも充実、多くのキュレーションメディアへの情報発信も可能。
先進事例の情報収集に活用。前例なきコロナ禍にも対応できた
[中央市]
■人口:3万565人(令和6年6月1日現在) ■世帯数:1万4,124世帯(令和6年6月1日現在) ■予算規模:149億9,881万2,000円(令和6年度当初) ■面積:31.69km²
特別職は個人ID、課員は共有ID
―中央市が『47行政ジャーナル』を導入した経緯を教えてください。
総務課では、各課から寄せられる法務相談などの対応のため、過去の事例調査や正確な情報収集を効率的に行える方法を求めていました。また市長からも、全職員の資質向上のため、各自でわからないことを調べられる環境を整えたいとの方針が示されました。そうしたなか、山梨日日新聞社から『47行政ジャーナル』の無料トライアルの紹介がありました。実際に触れてみた結果、行政サービス提供の効率化に役立つと評価し、令和3年度からの正式導入を決めました。
―実際の活用状況はいかがでしょう。
市長等の特別職は幅広い情報を収集する必要があるため、いつでも利用できる個人IDを使用。一方、課員は、所掌事務ごとの専門的な情報を収集、共有できるように共有IDを部署ごとに割り振り、同時にログインできる環境を整えています。発表資料、ニュースの深層、補助金・交付金情報などが頻繁に閲覧されています。
―どのような効果を感じていますか。
導入時期がコロナ禍の真っ只中ということもあり、前例のない事態に対する政策を立案・検討する必要が次々に生じていました。その際、全国の先進事例の情報収集に利用されるなど、現場で実践的な活用が進みました。活用セミナーを実施した結果、庁内でサービスの浸透も進み、日頃よりダイジェスト、独自施策・先進事例などを見て、他市の特徴的な政策などを把握できるようになっています。